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chapter.4 崖の上のジャン
「ふう、どうやらまだ来てはいないようだな。まあしかし、そろそろか」
エノコロ岬。
旅鴉 月詠
は、こいでいた自転車から降りて岬の風を浴びた。
彼女は海浜公園を出た時からジャンの異変を見ており、状況をある程度察していた。
引き留め、詳しい話を聞こうとした彼女だったが自分の脚力では難しいと判断し、自転車をレンタルして先回りをすることにしたのだ。
なおその際、彼女はダメ元で近くにいた少年にささっと描いた通行禁止のイラストを渡していた。その相手が、英二である。あの時の厚紙は、月詠のだったのだ。
そして渡した後は、自転車をとばす。走っていた方角から考えれば、行き先の候補は絞れた。ここに来るだろうという月詠の推察は的中していた。
「お、来たな」
月詠が太陽を防ぐように、手を顔に額にあてて遠くを見つめる。向こうから岬へ向かって走ってくるのは、ジャンとののこ、そして彼らの横を併走する二台の自転車だ。
「ん……? 私以外にも、自転車で対処しようとした者がいたのか」
月詠は目を凝らし、自転車をこいでいるのは誰かを確認する。
その正体は、
八神 修
と
猫島 寝太郎
だった。
「大丈夫か? 随分重たそうな荷物だが」
修が、ジャンを挟んで反対側で自転車をこぐ寝太郎に話しかける。
「う、うん、なんとか……ていうか自分もそうだけど、その鞄も結構膨らんでるよね。大丈夫?」
「……ああ。どうにかな」
彼らの語調が示す通り、割とふたりともふらつき気味の運転だ。
そもそも、なぜ彼らはジャンと併走しているのだろうか?
寝太郎は、海浜公園のサイクリングロードを走っている時にジャンを目撃した。もっとも、その時点ではまだ彼の状態は健康そのものであった。
そこから例の事件が起こり、突然録音機材を置き去りにして走りだしたジャンを見て寝太郎は慌てた。
先生の猛ダッシュにも驚いたが、機材が放置されてしまっていることにもだ。
原因も行き先も分からないけれど、とにかくこの機材は先生に返さなきゃ。
そう思った寝太郎は急いでバッグに機材をつめ、自転車で追いかけたのだ。その道中に出会ったのが、修である。
彼は寝太郎から経緯を聞くと「芸術家の思い込みとは凄いものだな」と感心したような、半ば呆れたような声をあげながら「少し待っていてくれ」と寝太郎に告げると、すぐ近くのスーパーに駆け込んだ。
店から出てきた修は何やら大きな鞄をパンパンにさせていて、その鞄を背負ったまま自転車にまたがった。
「さて、追おうか。とは言っても、追いついて止めたところでまともに話が出来る状態ではないかもしれない。まずは行き先までついていこう」
「たしかに……! でも、先生のあの様子だと、いつ事故が起きるかハラハラしちゃうよ」
「問題ない」
そのためのコレだ、と修は自分と寝太郎の自転車を指さした。
「先生を、ランナーに見立てるのさ」
「え?」
真意を測りかねた寝太郎に、修は言葉を足した。
「そうだな、例えば『先生が記録挑戦中ですので、道をお譲りください』なんてことを言いながら、俺たちで先生を挟んで併走するんだ」
「あぁ、そういうことかぁ!」
修の狙いは寝太郎に伝わった。そしてそれを実行したふたりは、この岬までずっと並んで走ってきたのだ。ジャンやののこがあの交差点以降さほど道路で危険な目に遭わなかったのは、このふたりの功績が大きい。
「岬、か……」
修が呟く。この後予想されるシナリオが彼の想像通りなら、非常にまずい。
切羽詰まった表情のジャン、そして高い高い崖。
これらから導き出されるものは、ひとつ。身投げである。
どうにかそれを止められないかと、修は鞄をごそごそと探り、ポットを取り出した。修が片手で自転車をこぎながらもう片手で上部のボタンを少しだけ押すと、茶色い液体が流れた。しかも、なにやら食欲をそそる匂いを放っている。
ジャンは思わず修の方を向いた。この匂いは、知っている。
「ワッツ!? ラーメンスープですネ!?」
そう、ラーメンの汁だ。
修は、ポットからラーメンの汁を流していた。その光景はなかなかにシュールだ。
長い距離を走ったのだから、水か食べ物を体が求めるだろうという判断の下の行動だったが、ジャンは驚きのあまりそれどころではない。
なにせ、自分についてきた自転車ボーイがいきなりポットを取り出したかと思えば、そこからラーメンの汁を出したのだ。混乱するなという方が無茶である。
ジャンは、修の思惑とは逆にスピードを上げた。それを見て修は、残念そうな顔で覚悟を決める。
「どうやら、併走もここまでのようだ」
修は、寝太郎に一歩下がるよう合図した。彼が頷き、スピードを緩める。
「どうあっても止まってくれないのなら……強硬手段しかない」
そう言った彼は、なんともダイナミックな手段に出た。自転車の前輪の向きを変え、ジャンに突進したのだ! これには寝太郎も、目を丸くして裏返った声を出した。
「えええーーっ!!?」
「おおおおう!!?」
突然の出来事に、ジャンもまた素っ頓狂な声を発しつつ、回避しようとした。が、間に合わない。修とジャンはぶつかり、双方が地面に倒れた。
「とりたくなかった、出来ればこんな手段は……でも、死んでしまうよりは!」
「いや、それもそれで割と危ないよっ!?」
反射的に寝太郎がつっこむが、修は投身自殺を止めたことに安堵している。
修の大胆行動は、予想外だった。大胆すぎてジャンはドキドキが止まらない。命の危険を感じたわ的な意味で。
とはいえ、これによりジャンの動きが止まったのは事実だ。
周りにいた者たちが、一斉に彼の元へと駆け寄る。当然、ここにいた大半の者はジャンが投身自殺をしようとしていた、と思っている。
「センセー、不景気な顔をしてどうしたんだい?」
まず、信彦が口を開いた。デートに使おうとしている場所で身投げなんてさせたくない、という思いもありつつ。
身振り手振りを交えて会話を試みるが、ジャンは反応せず。
「耳が、聞こえていないのだろうね。問題は、なぜ聞こえなくなったのか、そして錯乱している状態でどうやってコミュニケーションをとるかだが」
月詠が、すっと前に出る。
「まあ、筆談が一番無難な手段だろう」
言うと、その場にいた者が一斉にペンを走らせ、『どうしたんですか』『先生大丈夫ですか』などといった文字を見せる。
ジャンは、頭を抱えた。
「皆さんの声は聞こえないデスけど、とても心配されてるのはワカリマス。ミーの耳はもう聞こえない……ミーにとっての耳は、生きるコトに必要な光デス。光がないなら、つらいだけデス」
言うと、ふらりと立ち上がり岬の先端へと歩き出すジャン。その背中に、「先生!」「いかないで!」と声がかかる。青春ドラマなら感動的なワンシーンである。
「あら……なんだか騒がしいけど何が……ってアレ先生よね。ポランスキー先生、だっけ?」
その時、偶然岬へと立ち寄った
詠坂 紫蓮
が、騒ぎに気づいて視線を向けた。
海を見つつ、気持ちよく風でも受けようかと思っていたら予想外のハプニングに遭遇してしまった彼女は、とりあえず人だかりに近づき、そこにいた知り合いに声をかけた。
「八十八旗君じゃない。これ何? どういうこと? 何が起きてるの?」
「おおっ、シレンちゃんじゃないか! 隣のクラスの美しいレディとこんなところで」
「あ、うんそれはいいんだけど、これどういうこと?」
完璧にスルーされてちょっとだけ切なくなりながら、信彦は現状をかいつまんで話した。
「……というわけで、センセーに光を与えないといけないのさ」
「ふうん」
紫蓮はそれを聞くと、顎に手を当てて何やら考え込む素振りを見せた。が、すぐに顔をあげ、自信に満ちた表情で告げる。
「なんだかよくわからないけど、光を与えればいいのね。それなら私に任せなさい」
なんとも頼もしい言葉を口にした紫蓮は、持っていた荷物からかざぐるまを取り出した。
「え、それって」
「かーざーぐーるーまー!」
ちょっと物真似が入って紫蓮えもんになった彼女は、「ふふふふ」と笑ってみせた。もちろん、それっぽい声色で。
紫蓮が何かを企んでいたその時、ジャンはというと。
『聞こえなくなる前は、何をしていたんですか』
月詠が書いたそんな文字を見ていた。岬の先端へ進もうとする彼をどうにか留めて、筆談での説得を試みていたのだ。
「何をしていた……そうデスね……音を集めて、露店で買い物をして……」
『もしかして、そのサングラスですか。買ったのは』
月詠の質問に、首を縦に振るジャン。明らかにそれだけ、普段の先生とは違うことに月詠は気づいていた。
月詠は、っていうかだいたい全員気づいてたけど。
「普段と違うことをしていたならば、普段と変わりないようにすれば元に戻る可能性はある……」
そう呟いた月詠は、新たに筆を走らせた。
『試しにそのサングラス、外してください』
彼女の文字に首を傾げながら、ジャンがサングラスに手をかけようとしたその時。
「先生!」
大きな声が響いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月02日
参加申し込みの期限
2014年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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