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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ちょっと焼きそばパン買ってこい！
【義憤に駆られる男たち】
時同じくして、始業前。
逆巻 天野は件の噂を聞いた瞬間、静かな怒りを覚えた。
「彼女も可哀想だし、先輩もそのままじゃ駄目だ。……止める為にも」
普段は自他認める淡白な人間だが、今回ばかりは心の底から衝動が湧き上がる。
向かった先は１組の教室。
「あ、御剣。ちょっといいかな？」
ついさっき登校してきた御剣 刀に声を掛ける逆巻。
「１年の女の子が２年の不良に恐喝されたって話、聞いてるかな？」
「ああ、ついさっき聞いたところだ。正義の味方を気取るつもりはないが、年下の女性に使いっ走りをさせる赤西が気に食わない……」
御剣は既に噂を耳に入れていた。
そして、赤西の所業に対して、強い嫌悪感を抱いているようだ。
「僕も赤西って奴が気に食わないな。できればなんとかしたい。御剣、僕と手を組まないか？」
その申し出に、意外だと言わんばかりの顔をする御剣。
「……常日頃淡白な逆巻が乗り気だなんて、明日は雪が降るな」
「失礼だな。僕だってやるときはやるよ。で、どうする？」
肩を竦める逆巻が尋ねる。
「決まってる。赤西は赦せないからな」
２人は静かに頷いた。
と、そこへ。
「……逆巻、なんでここにいる？」
トレードマークの緑のコートを着た、後ろで１つに編んだ三つ編みを揺らす少年――草薙 龍八が仏頂面で２人に話し掛けてきた。
「逆巻のクラスはここじゃないだろう？」
「おはよう、草薙。怪我の治りが早いようで安心したよ」
草薙の苦情等意に介さず、平然と朝の挨拶をする逆巻。
それに草薙はややむっとした様子で顔をしかめる。
「……あの時、俺を足蹴にしたあんたが言うセリフか、それ？」
「てへペロ」
狐騒動で草薙とぶつかった時みたく、逆巻は無表情のまま口にする。
それをふんっ、と鼻であしらう草薙。
「朝から胸糞悪い話を聞いたばかりだというのに……、チッ、イラつく……」
乱暴に自分の席に座ると、奥歯をギリギリ噛み締めながらふんぞり返る。
相当荒れている模様だ。
「草薙、その胸糞悪い話って、もしかして今朝の恐喝の話か？」
この御剣の問いにすかさず草薙は、
「そうだ。小物がしゃしゃり出やがって。目障りだ……！」
と、吐き捨てるように答えた。
「エスカレートしたら面倒だ……。二度と誰かを脅してパシリにすることのないように、赤西にはトラウマレベルの恐怖を与えらないとだな……」
「意外だな」
逆巻がポツリと漏らす。
「草薙、本当は良い奴なんだな」
「……は？」
呆気にとられる草薙に、逆巻が言葉を続ける。
「草薙は色々と影で悪事を働いてるって聞いたことがあるから。でも、実際は善悪がキチンと分かる奴だったんだね」
納得顔の逆巻。
「勘違いするな……。俺は最低人間＜ワースト＞だ。テロリストだ。赤西という道端の邪魔な小石を蹴っ飛ばすだけだ……」
対して、やりづらそうな面持ちの草薙であった。
「でも、目的は一緒だね。草薙、僕と御剣で赤西を懲らしめようと思っている。一緒にやらないか？」
逆巻が草薙を誘う。御剣はその目に義憤を宿して草薙の顔を覗く。
だが、草薙はそっぽを向いてしまう。
「悪いな。さっきも言ったとおり、俺は悪だ。悪は悪なりのやり方で制裁する」
「……分かったよ。気が向いたら、僕か御剣に声掛けてほしいな」
逆巻、断られても尚、一縷の望みに掛けていた。
今でも草薙は時折、クレマチスの花を何処かへ捧げていると聞く。
クレマチスの花言葉は、高潔。
あの狐騒動が終わっても献花を続けている草薙に対して、ただの不良とは違う、もっと気高いものを逆巻は感じていた。
逆巻のクラスは１時限目の授業が体育だった。
「体調悪いんで、保健室で休みます」
そう先生に告げると、こっそりと用具入れからスコップを拝借。
授業を抜け出して講堂裏で作業を開始する。
「流石に休み時間だけじゃ、完成しないよね……」
塀と木々で死角になったこの場所に落とし穴を掘り、赤西を誘き寄せる作戦だ。
「深さはざっと２ｍ弱かな……。僕一人でだいじょうぶかな？」
逆巻、体力にはあまり自信がない。自負もしている。
「やれるだけやろう」
そう楽観視しながら、逆巻はスコップの刃先を地面に突き刺した。
――授業終了間際。
「……疲れた。でも頑張った！」
目標の２ｍまでは到達しなかったが、1.6ｍ程までなんとか掘ることが出来た。
「よし、あとは穴の中を泥沼で満たせば完了だね。さて、僕はそろそろ保健室戻って、アリバイ作ろう」
額に浮かぶ汗を拭いながら、逆巻は保健室へ向かうことにした。
「御剣と草薙に落とし穴の場所、教えておかないと」
時同じくして、始業前。
逆巻 天野は件の噂を聞いた瞬間、静かな怒りを覚えた。
「彼女も可哀想だし、先輩もそのままじゃ駄目だ。……止める為にも」
普段は自他認める淡白な人間だが、今回ばかりは心の底から衝動が湧き上がる。
向かった先は１組の教室。
「あ、御剣。ちょっといいかな？」
ついさっき登校してきた御剣 刀に声を掛ける逆巻。
「１年の女の子が２年の不良に恐喝されたって話、聞いてるかな？」
「ああ、ついさっき聞いたところだ。正義の味方を気取るつもりはないが、年下の女性に使いっ走りをさせる赤西が気に食わない……」
御剣は既に噂を耳に入れていた。
そして、赤西の所業に対して、強い嫌悪感を抱いているようだ。
「僕も赤西って奴が気に食わないな。できればなんとかしたい。御剣、僕と手を組まないか？」
その申し出に、意外だと言わんばかりの顔をする御剣。
「……常日頃淡白な逆巻が乗り気だなんて、明日は雪が降るな」
「失礼だな。僕だってやるときはやるよ。で、どうする？」
肩を竦める逆巻が尋ねる。
「決まってる。赤西は赦せないからな」
２人は静かに頷いた。
と、そこへ。
「……逆巻、なんでここにいる？」
トレードマークの緑のコートを着た、後ろで１つに編んだ三つ編みを揺らす少年――草薙 龍八が仏頂面で２人に話し掛けてきた。
「逆巻のクラスはここじゃないだろう？」
「おはよう、草薙。怪我の治りが早いようで安心したよ」
草薙の苦情等意に介さず、平然と朝の挨拶をする逆巻。
それに草薙はややむっとした様子で顔をしかめる。
「……あの時、俺を足蹴にしたあんたが言うセリフか、それ？」
「てへペロ」
狐騒動で草薙とぶつかった時みたく、逆巻は無表情のまま口にする。
それをふんっ、と鼻であしらう草薙。
「朝から胸糞悪い話を聞いたばかりだというのに……、チッ、イラつく……」
乱暴に自分の席に座ると、奥歯をギリギリ噛み締めながらふんぞり返る。
相当荒れている模様だ。
「草薙、その胸糞悪い話って、もしかして今朝の恐喝の話か？」
この御剣の問いにすかさず草薙は、
「そうだ。小物がしゃしゃり出やがって。目障りだ……！」
と、吐き捨てるように答えた。
「エスカレートしたら面倒だ……。二度と誰かを脅してパシリにすることのないように、赤西にはトラウマレベルの恐怖を与えらないとだな……」
「意外だな」
逆巻がポツリと漏らす。
「草薙、本当は良い奴なんだな」
「……は？」
呆気にとられる草薙に、逆巻が言葉を続ける。
「草薙は色々と影で悪事を働いてるって聞いたことがあるから。でも、実際は善悪がキチンと分かる奴だったんだね」
納得顔の逆巻。
「勘違いするな……。俺は最低人間＜ワースト＞だ。テロリストだ。赤西という道端の邪魔な小石を蹴っ飛ばすだけだ……」
対して、やりづらそうな面持ちの草薙であった。
「でも、目的は一緒だね。草薙、僕と御剣で赤西を懲らしめようと思っている。一緒にやらないか？」
逆巻が草薙を誘う。御剣はその目に義憤を宿して草薙の顔を覗く。
だが、草薙はそっぽを向いてしまう。
「悪いな。さっきも言ったとおり、俺は悪だ。悪は悪なりのやり方で制裁する」
「……分かったよ。気が向いたら、僕か御剣に声掛けてほしいな」
逆巻、断られても尚、一縷の望みに掛けていた。
今でも草薙は時折、クレマチスの花を何処かへ捧げていると聞く。
クレマチスの花言葉は、高潔。
あの狐騒動が終わっても献花を続けている草薙に対して、ただの不良とは違う、もっと気高いものを逆巻は感じていた。
逆巻のクラスは１時限目の授業が体育だった。
「体調悪いんで、保健室で休みます」
そう先生に告げると、こっそりと用具入れからスコップを拝借。
授業を抜け出して講堂裏で作業を開始する。
「流石に休み時間だけじゃ、完成しないよね……」
塀と木々で死角になったこの場所に落とし穴を掘り、赤西を誘き寄せる作戦だ。
「深さはざっと２ｍ弱かな……。僕一人でだいじょうぶかな？」
逆巻、体力にはあまり自信がない。自負もしている。
「やれるだけやろう」
そう楽観視しながら、逆巻はスコップの刃先を地面に突き刺した。
――授業終了間際。
「……疲れた。でも頑張った！」
目標の２ｍまでは到達しなかったが、1.6ｍ程までなんとか掘ることが出来た。
「よし、あとは穴の中を泥沼で満たせば完了だね。さて、僕はそろそろ保健室戻って、アリバイ作ろう」
額に浮かぶ汗を拭いながら、逆巻は保健室へ向かうことにした。
「御剣と草薙に落とし穴の場所、教えておかないと」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年01月17日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年01月24日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年01月24日 11時00分
