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<CI@SP>ふたつのミドリのゆくえ
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海と別れた後、刀たちは大きな通りを歩いていた。
「あら?」
壁に貼り出されたポスターに気付いたのは、キヌだ。
「この写真、修さんですよね」
「本当だ、バンドなんて組んだのか」
ポスターには『cloud9』のデビューライブ云々と英語で書いてあるが、勿論キヌは読めない。
(くろうどナイン……!?)
刀の脳裏には、カッと仕事人っぽい侍や忍者が9人構えている構図が過ぎっていった。
「あ、これ英語で意気揚々とか天国とか、ゴキゲンな時に使うんだよ」
「そうなんですか……」
通りすがりのミュージシャンっぽい人が教えてくれた。
ライブの日取りは今日だ。
「行ってみようか?」
「君のハートをぶち抜いちゃうぞ☆ 私の音を聴けぇぇぇー!」
TASがかき鳴らすギターに、深雪のキーボードが重なって深みのあるサウンドを生み出し、修のエレキヴァイオリンが高らかに歌う。
リズムは深雪の打ち込みだが、彼の透明感のあるハイトーンヴォイスと
常闇 月
の清しい歌声は無機質な音を補って余りある。
蒼月庭の広い会場も、なかなかの客入りだ。
ロキノン系のカバー曲を持ち回りで歌い、月もギターを爪弾いた。
「弦や糸を使った楽器なら、少しだけ心得があるだけですよ」
修の視線に、煌めく瞳でそっと呟き、自らの手番には聖歌のアヴェ・マリアを情感込めて歌い上げていく。
「~♪」
霧生邸のキッチンで、流れてくる曲に鼻歌を歌いながら鍋を掻き混ぜる渚砂。
(画面越しで応援してるからな)
打ち上げに供する料理に、彼は腕を振るっていた。
「最後はこの曲……『evergreen』だ」
固唾を呑む聴衆の中、深雪は楽器を置いてピアノの前に座る。
その名の通り時を経ても色褪せない名曲になって欲しいと、彼が作曲した歌だ。
(あいつが歌えないのは残念だけど……)
ミントも、方々のライブの取材に飛び回りながらこの歌を聴いている筈だ。
深雪は整った指先を、ピアノに走らせた。
「や、今日ホールにアーティちゃんきてたよ。ゴスロリ着てて可愛かった」
「マジ? なんで教えてくれなかったんだよ」
「バッカ、騒ぎになったら大変だろ」
稲妻のような拍手の中ライブが幕を閉じ、観客も潮を引くように去っていく。
「楽しかったか?」
「はい、とても」
ダベりながら歩いていく連中の向こうで、刀とキヌも笑い合う。
「また来よう」
「ええ、勿論」
頷いたキヌは、何かに気付いたように視線を滑らせる。
「新人さん、すごかったね。これは期待しちゃう」
刀が視線を追うと、声の主……音楽ユニット『Silhouette』の浮雲が、相方の正雪や友人と話をしているようだった。
「あら、こんばんは。初心者さんかしら?」
「こ、こんばんは」
浮雲に声を掛けられたキヌは、何処か緊張しているようだった。
初心者への気さくな言葉を掛けて、浮雲はその場を離れていく。
「……キヌさん?」
刀は彼女の様子が気になった。
「どうしてかしら……なんだかとても、懐かしい感じがして……」
浮雲が去った後を、キヌはじっと見詰めていた。
「初ライブ成功を祝して、かんぱーい!」
祐が満面の笑みでグラスを掲げる。
ここは星ヶ丘の、仮想世界での修の家。
プラネタリウムに渚砂の料理を持ち込んでの打ち上げだ。
渚砂自身は、ログアウトして各々眠りに就くまでのお泊り会だと聞いて「本当は反対だけど、それなら」と深雪の隣にいる。
「やっぱり保護者の方はあまり良い顔はされないのですね」
月は何か納得していた。
「とっても素敵でした」
料理は食べられないものの、アーティも一緒だ。
一番はしゃいでいた祐が静かになった頃、月は彼女に話し掛けた。
「私は確かに、私が勝手に考えていた普通に自分を当て嵌めていただけだったのかも知れません。それに、思ってたほど……私は人形ではないのだと、教えて貰えましたから」
そう言って、深雪たちと話している修を見遣る。
視線に気付いたのか、修も月を見て微笑んだ。
その手で歌うオルゴールの響きは、深雪が奏でた『evergreen』の旋律を刻む。
「綺麗ですね。闇に宝石のように閃く星々の輝きは、とてもいいものです」
星々を見上げ柔らかな笑みを浮かべる月に、アーティも微笑んだ。
「月様、今とっても綺麗です」
「え?」
「元々お綺麗な方でしたけど……今は内側から輝いてる、星みたいです」
「月も、惑星のうちですね」
少女たちは鈴のように笑い合った。
皆におやすみを言ってダイブを解いて。
「深雪、ちょっといいか?」
パソコンを切ろうとしていた深雪の部屋を、渚砂が訪ねた。
「どうしたんだ……これは?」
彼が後ろ手に回していた手には、子猫のサティに似たぬいぐるみが。
「作ったんだ、深雪にあげようと思って。こいつも、すごい冒険をしてきたんだぞ?」
「へえ……聞きたいな」
渚砂も深雪の体験を聞きたいらしく、夏の夜は続く。
型通りの仕草に 模られた表情
決められた言葉を 繰り返すだけなのに
風にささめく緑 水面を揺らす雫
歌う鳥たちの声 胸のナニカを揺らす
その日は、様々な場所でライブイベントが催されていた。
ここライブハウス『See you』のオープニングイベントも、小さめのホールがいっぱいになるくらいの賑わいだ。
妙なる歌声満ちる店の入り口付近には、蒼月庭のオーナーや皇翔、バーテンのマリーを手掛けたMystiqueなどから届いた花々が飾られている。
溢れる涙の 意味を捜す
零れる笑顔の 意味を捜す
生まれたナニカの 意味を捜す
与えられた決め事 ココに在る 形示す
胸で揺れる秘め事 ココに生きる 意味を示す
歌いながらアリーセがバーカウンターに立つマリーを眺めていると、ふと目が合った。
手を振ると、クスリと笑う素振りの後、手を振り返してくれる。
(あら、今の仕草……?)
猫の箱庭 作る人々 想い注いで 心生まれる
見守る人と 惑う人形 想い交わして 心育む
誕生したての曲『Doll』に、想いがシンクロしていく。
聴衆のもれいびの中には、感動で泣いている人までいた。
「アリーセ、リハの時よりすごかったわよ」
「そ、そうかしら」
観客たちが惜しみつつ帰った後、カウンターで微笑むマリーにアリーセは色んな意味で戸惑った。
「マリーの言う通りなのだ、すごかったのだ!」
「ねー!」
見学していた小麗と、取材はここが最後だったらしいミントも大賛成している。
「皇翔さんが見込んだだけあるわ」
「Mystiqueさんまで……」
今日来られなくて残念がっていた皇翔の地団太が見える、なんてMystiqueは笑う。
因みに、並んだジュースやお菓子は彼女の差し入れだ。
「へえ、このマリーって子も人間らしくなってるみたいだな」
ツィギーを
北風 貴子
に見せようとして、案の定すげなくされ帰ってきた達磨は、Mystiqueに捕獲されて連れて来られていた。
「この子たちが変わっていく過程で『境目』が分かれば良いんだけどね」
彼からの報告を受けていたMystiqueは、界隈でマヌカノイドの人権について何か動きがあるらしいという。
「まあ、自我のあるなしで区別をつけるには、色々難しいところがあると思うんだけど」
そう言いながら彼女がミントの方を見ると。
「むにゃ、これも食べていいの~」
ふかふかのソファで丸くなって、寝言を言っていた。
彼女には宛がわれた家がある筈なのに。
「ミント、いっぱい頑張って疲れちゃったんだな」
小麗がその横にごろんと寝転ぶと、彼女は鼻をスンスンして身を寄せてくる。
「仕方ないわね」
タオルケットを掛けるアリーセの手が、掴まれる。
「アリーセぇ、あたしに歌を教えて」
「え?」
「あたし、アリーセたちの言ってたこと、分かる気がする……だから、ちゃんと歌えるようになりたいの……すぴー」
言うだけ言って、彼女はまた寝入ってしまった。
ミントがきちんと歌えるようになるには、時間が掛かるだろう。
「でもなんだか……他人事じゃないのよね」
まるで楽器の演奏が上手くならない自分と似ているようで、アリーセは苦笑した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
前回シナリオ
<CI@SP>Evergreen≒Deciduous
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月25日
参加申し込みの期限
2014年05月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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