【身体測定】♂♀反転戦線、異常アリ！｜リアクション

【身体測定】♂♀反転戦線、異常アリ！

【22】

「青春は？」
「「……自分の為にある」」
「ふん、２人も最低野郎が来たか。俺も合わせれば３人か……」
　【テロ屋】こと、草薙龍八は無表情のまま吐き捨てるように口にした。
「……痩せれば、いいだけだ」
　【クラリック】こと、ヨハン・プレストンが言葉少なに意見を述べた。
「苦しむ　姿　すごく　みたい」
　【鬼】こと三月紫尾は、他人の苦痛に歪む顔が見たいだけのようだが。
（痩せてキレイになれば、また違う世界が見られるよね）
　と、内なる三月の人格は、播磨の幸せを願っていたりしている。
「では行くか。播磨と接触次第、ワースト式ダイエットを強要させる……！」
　３人は満を持して保健室へ向かっていった。

　もう１人のワーストが、別行動をとっていた。
　既に保健室にそいつは到着しており、悩み相談を傍から眺めていた。
　吉祥寺黒子、そのひとである。
　何故か執拗にもれいびを憎んでいる様子の彼女、目の前の光景が気に食わなかった。
（いっちょ人生破滅させてやろうかな～）
　ニタリ、と黒い笑みを浮かべる吉祥寺。
「おい、そこのダルマ女。何、通行の邪魔してんだよ」
　話が纏まりかけた時に、この一言である。
「ろっこんがあっても気にするな？　馬鹿じゃねぇの？　実際、暴れて気分がスカッとしたんじゃねぇのかよ？　吹っ飛ばされてザマーミロッって思ったんじゃねぇのかよ？」
「そ、それは……」
　播磨が語尾をを濁す。
　どうやら、暴れまくっていたのは鬱憤を晴らすことも兼ねていたようだ。
「男に嫌気がさしたんだろ？　だったら、あんたのその力で男ども、想い人含め全員女に変えてやれよ？」
「う、うう……！」
　播磨、頭を掻き毟りながら首を横に振り続ける。
「どうした？　悔しくないのか？　どーせ、この世は不平等で不条理で不完全じゃん。言葉では綺麗なこと並べても、目の前のこいつらはお前のことを馬鹿にしているぜ？　迷惑してるんだぜ？」
「そんなことありません……！」
　すかさず御巫が反論するが、播磨の表情に黒い影が差し込む。
「鷲尾先生……、助けて！」
　播磨が保健室へ飛び込んでいった。
　油断した。止まればそこで終わりと誰もが思っていたからだ。
　止めさせる処置を怠っていた詰めの甘さ、第２弾！
　騒動は延長戦にもつれ込んだ！