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大人の時間はビアガーデン
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駅前で待ち合わせして、並んで歩いて、エレベーターに乗って、屋上のボタンを押しました。
直前に来ていた満員ギリギリのものを見送ったこともあり、ちょうどふたりの他に人はいません。
外は街の喧騒、このエレベーターがたどり着く場所も、いわば祭の会場ビアガーデンです。
ですのでこの場所、エレベーター内の静けさは例外的なものといえましょう。
このとき、ごく自然に、
「よく似合ってるよ、そのワンピース」
と、言ったのは
八神 修
です。
「ありがとう、ございます」
常闇 月
が口ごもったのは、いくらか照れているかもしれません。
お世辞なんかじゃありません。たしかによく似合っていました。
膝丈ほどの綿地が涼しげ、白が基調のシャツワンピースです。夏の空気にとけこんでしまいそうな、はかなげに淡いチェック柄、ウエストのところで、ブルーの縁取りの入ったリボンが巻かれているのも可愛らしい。
やはり月は照れたように、
「普段、こういった服装はあまり着用しないのですが」
「もっと着ればいいのに」
「そうでしょうか……?」
「うん、いいと思うよ。少なくとも、俺は好きだな。そんな常闇を見るのが」
修は過激な言葉を口にしたつもりはなかったのですけれども、胸を打たれたのか、月は下を向いてしまいました。
ただ、
「……そう言われると、着てきた甲斐があるというものです」
と小声で言いました。
修は知っています。月の心には、普通の女の子への憧れがあるということを。
ここであらためて書くことはしませんが、月のこれまでの人生は普通『ではない』仕事に捧げられてきました。闇に生まれ、闇に生きることしかできなかったと言っていいでしょう。
ですが月はそこから抜け出しました。この日で、一般社会に復帰してちょうど一年になります。
今日はその祝いという名目で、修は彼女をこの場所に誘ったのでした。
エレベーターが屋上階に到達しました。
両開きの扉が開くと、宵の空を吹き飛ばすような光があふれてきます。
「こういった催しは初めてですが、未成年が訪れても……?」
「大丈夫。ただ、お酒は頼めないけどね」
月を前に立たせ、修は受付に前売りチケットを二枚差し出しました。ですからもちろん席料は彼のおごりということになるのですが、それを月に意識させないよう、彼女が気がつく前にさっと受付をすませてしまいます。
この行動は計画したものではありません。ほぼ反射的に、こういう配慮のできる修なのです。もしかしたら彼は、天性のプレイボーイなのかもしれませんね。
「さあ行こうか」
修は光の世界に彼女を導くのでした。
連れ立って歩く修と月は、あるテーブルの前を横切りました。
このとき、
――!
裏世界で育ったがゆえの本能的な黒い感覚が、稲妻のように月の胸を駆け抜けたのです。
長テーブルの前には一人、女性が腰を下ろしていました。
黒い帽子を被って、徳利の日本酒を手酌しています。
黙って静かに杯を傾けているだけなのに、彼女には異様な存在感がありました。
美女とはいえましょう。しかし、『ぞっとするような』という修飾語をあてたいような美女です。
胸元の大きく開いたチュニックという、否応なく人目を惹く服装であるにもかかわらず、彼女にちょかいを出そうという男性はいないようです。あまりに鋭い彼女の眼光に、射殺されそうな予感でもするのでしょうか。そればかりか、彼女の周囲二メートル圏内に、座ろうとする客すらないのです。
彼女の背後にテーブルはありません。転落防止の柵があるだけです。しかもそこは、会場全体が見渡せるような位置でした。
つまりそれは、死角がない位置だということです。
間違いない――月は確信しました。
同業者、です。
いえ月はもうそこから足を洗っているので、正確には同業者ではありませんけれど。
かつて自分が所属していた場所の匂いがします。
いわゆるカタギの女性ではないでしょう。とてもではありませんが、酒を楽しみにきているようには見えません。
しかし実際のところ彼女は、淡々と杯を重ねているのでした。
彼女……
オーマ・トンノ
も月の視線に気づいたのでしょうか。
月を一瞥しました。
けれどオーマはすぐに、月から視線を外しました。
まるで、プライベートの邪魔をするな、とでも言っているかのようでした。
そうして、やはり淡々と機械的に、杯を呷ってはまた継ぎ足しているのです。
月とて、じろじろとオーマを見ていたわけではありません。ちらりと短時間見ただけです。
ですので、二人の視線が交差したのはほんの一瞬だけでした。
やがて月は修とともにその場を離れました。少なくとも彼女は敵ではない――そう思ったのです。それならば、今は気にしないでおきましょう。
オーマはどう思っているのでしょうか。
月のことを意識したのでしょうか。気にも留めなかったのでしょうか。それはわかりません。
ただ、ペースを変えず飲み続けているだけでした。
かなり飲んでいるはずですが、オーマの顔色はまったく変化していません。
オーマの目の前にあった刺身の皿が、空になったころです。
「ここ、座ってもいいかなぁ?」
独り言でしょうか、それともオーマに問いかけているのでしょうか、そんな声がして、いくらかの逡巡ののち、オーマの斜め前の席が引かれました。
金色の髪をした青年です。染めた毛ではなく西洋人。オーマの知らない顔でした。
先にも書きましたようにオーマの周囲に座る客は皆無だったにもかかわらず、彼……
ウォルター・B
は、ためらわずそこに座っています。
オーマに負けない自信があるのでしょうか。
彼女の視線が恐ろしくないのでしょうか。
それとも……単に鈍感なだけなのでしょうか。
ウォルターはアメリカンビールの大ジョッキを傾け、安っぽいフレンチフライポテトを食べています。ジョッキに描かれたトレードマークからして、ビールはすさまじく安くて薄味のものですし、ポテトのほうも「一応ご用意しました」とでもいいたげなテッカテカの粗悪品です。他に付け合わせはミートローフの切れ端がいくらかあるくらい。フリードリンク・フリーフード制なのだからもっといいものを頼めばいいのに……と言われそうなラインナップでした。
それでもウォルターはこれを、うまいうまいと言うように楽しげにいただいているのです。しかも、いちいち愛おしむように少しずつ口に運んでいます。
オーマは一言も口を聞かず、それでも、黙ったまま彼との距離をつめました。
具体的に言うと、席を一つ、隣に移動して彼の正面につけたのです。
彼に興味が出てきたのでしょうか……?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月14日
参加申し込みの期限
2014年04月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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