this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
大人の時間はビアガーデン
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
14
つぎへ >>
ウォルターはこのとき、故郷のバーボンをグラスに入れ、これを片手にしたままぼんやりと夜景を見つめていました。
彼はこの島が好きです。第二の故郷と思っています。
それでも、ときおり郷愁が胸をよぎるのは仕方がない。
懐かしき想いは、胸を締めつける痛みでした。
世間一般からすれば安酒であり安い食べ物でしかないかもしれませんが、今夜、ふるさとの味を口にしたことが、彼の心の痛みに拍車をかけていました。
そんなウォルターを見つけたのは、ミッシェルのみではありませんでした。
「……あれはウォルターさんですね」
常闇月は食べ物の入った皿を手にしたまま足を止め、彼を見つめています。
同行の八神修は迷いました。
ウォルター先生は彼にとって射撃部の顧問、この場所で出会えた奇遇を喜びあってもいいのですけれど、そうすることはためらわれました。
――先生も、プライベートだからな。
単身グラスを傾ける先生は、昼間見るのとは違う顔をしています。
なんだか、寂しげです。
目が潤んでいるようにも見えます。
「ホームシック……」
ふと月が言いました。
「え?」
「……いえ、なんとなく、そんな風に見えました……ウォルターさんは」
「かもしれないね」
そっとしてあげよう、と修は言いました。
「あいさつして、暑中見舞いの話とか、してあげてもいいのかもしれないけれど」
なんというか、自分たちとウォルター先生の間に、見えない壁があるような気がしたのです。
大人と、子ども。
そんな単純な線引きではないかもしれませんが、それが一番、しっくりくる表現にも思えました。
行こう、とさりげなく修は、月の肩に手を乗せました。
そしてウォルターに声をかけたのはミッシェル……ではありませんでした。
「おい兄ちゃん、目潤ませて一体どうしたんだい?」
その人は高齢でしたが、しっかりとした立ち姿と口調でした。ずいぶんお酒の香りがしますが、酔っ払っているようには見えません。
長門正義です。
「よっ、ちょっとそこで飲んでたんだけど兄さん、お前さんが沈んでるみたいで気になってな。大きなお世話だったらすまん」
正義とともにあったのは、濃いサングラスをかけた気さくな男性です。こちらは葛西一義でした。
「俺と彼もさっき知り合ったばっかだ。袖触れ合うも多生の縁、っていうやな。よければ付き合わねぇか?」
「放ってくれっていうなら退散するが……」
と言いかけた一義に、
「気遣いをありがとう。ちょうど、退屈してたんで」
つまらない話だけど聞いてくれるなら嬉しい、とウォルターは言ったのでした。
正義と一義は笑顔を見せて腰を下ろします。
「僕は地元の高校教師なんだ。このビアガーデンには世界の味覚とお酒があるって話だったろう? 故郷の味を探しに来て」
「なかったのかい?」
「その逆で、まさに求めていたものを見つけたよ。……それで、ちょっと寂しくなったんだ」
「見つからなくて寂しくなったのならともかく……?」
と首をかしげる一義に、
「いやぁ、俺は判る。判るなぁ、その気持ち」
正義老は深くうなずいてみせたのでした。
「兄ちゃん、俺も若い頃は船乗りだったんだ。まあ、俺の場合軍艦だったわけだが船は船だな」
腕組して正義は目を細めました。
まるでそうしていれば、眼前にかつての光景が広がって見える、とでもいうかのように。
実際、海辺の街ですから潮の香り、それに波音も、かすかながら聞き取ることはできます。
「長い間海に出てるとな、どうしても故郷が恋しくなるもんだ。忙しくしてりゃ、まだいい。だが、ふとした拍子に、主として油断しているときに、望郷の念ってやつぁ蘇ってくる。故郷の味が簡単に手に入っちまうといけないねぇ。もう、いてもたってもいられなくなるもんだ」
「そういうもんかねぇ」
禁煙なので吸えませんが、無意識のうちに一義の手は、煙草を指に間に挟むようなかたちになっています。
「そういうもんさ。葛西ちゃんもな、異国に暮らしてみればすぐ判る」
「ふーん。まあ、そういうものなのかもな」
理解者が現れたためでしょうか、ウォルターの愁いはいくらか晴れたようでした。彼は明るい顔を取り戻して、
「わかってもらえるなんて!」
と声を弾ませたのです。
「へへへ、伊達に長生きしてねぇよ」
「そうそう、こちらの爺様はな、九十歳なんだ」
えっ、とウォルターはついさっきの一義そのままの反応をして、しげしげと正義の顔を眺めるのでした。
「なあに、歳なんざ気にすんな。酒の学校じゃ同級生だ、同級生」
と正義は豪快に笑い飛ばして、
「いい機会だ兄ちゃん、故郷の話を聞かせてくれよ」
まあ一献、と、持参した徳利とお猪口でウォルターに献杯しようとしました。
この杯を受け取ったのは、もじゃもじゃと毛の生えた男くさい手でした。
「いいわぁ、お兄さんの故郷のお話、アタシも聞きたぁい♪」
ミシェルです。自慢の巻き毛をくるくるさせつつ、いつの間にかウォルターの正面に座っています。
「うわなんだあんた!」
一義は飲んでいた酒を吹きだしそうになりましたが、海千山千の正義は動じません。
「お、また面白い野郎がきたな。仲間に入りたいのかい?」
「いやぁねえ、アタシ、レディーよぅ。女子力を磨く日々なんだから」
ミシェルもこうした反応には慣れているのか、ごく平然としています。
「そうかそうか、まあ飲ってくんな。あんたお国は?」
「フランスぅ。パリッ子なんだからン。好奇心が強いのは猫とパリジェンヌってね。楽しそうだからつい、ご相伴に預かろうと思って」
本当はウォルターとツーショット狙いだったのですけれど、サングラスの彼(一義)もなかなか悪くないし、このお爺ちゃん(正義)も歳はいってるけど面白いし――ということで、ミッシェルはまるで炎に吸い寄せられる美しき毒蛾のように、彼らの輪に引き寄せられたというわけでした。
「ぼ、僕はウォルター・B、よろしく……」
彼女のようなタイプには慣れていないのでしょう、緊張気味のウォルターです。その手をしっかりと握って、
「ミッシェル・ナイスゲイよん」
ミッシェルはぱちっとウインクしました。
「じゃあ改めて乾杯とするか」
正義が杯を上げます。
「なんだか面白い顔ぶれになったよなあ」
一義も応じました。
「みんなお酒好きなんでしょ? ガーデンの閉店時間が来たらアタシのバーで二次会しない?」
と言って杯を、誰よりも高く持ちあげるミッシェルです。
「みんなよろしく!」
つられたのかウォルターも、楽しげにそう言ったのです。
乾杯!
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
大人の時間はビアガーデン
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月14日
参加申し込みの期限
2014年04月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!