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そろそろ八神修と常闇月は帰らねばならない時間です。
カップルシートにならんで座り、ふたりはまるで終わりゆく夏の日を惜しむように、しばらく黙って、ただ夜景を見つめていました。
「……八神さん」
ぽつりと月が口を開きました。
「今夜はありがとうございました」
「どういたしまして、俺も楽しかった」
そこからまた数秒、沈黙が流れましたが、思い切ったように月が言いました。
「今日の、といいますか……最近の八神さんは心なしか、沈んだ様子をみせていますね」
「えっ」
八神修は驚いて否定しかけましたが、考え直したのか小さくうなずきました。
「そうだな……そんなに顔に出ていたか」
認めてしまえば胸のつかえが下りた気分です。
「……悩みごとでもあったのでしょうか。私では聞くことしかできませんが」
そこまで見抜かれていたのであれば、修とて隠すつもりはありません。苦笑するようにして言います。
「先日ある女性に告白したのだけど、叶わなくてな……」
「そうですか……」
月はそれ以上コメントしません。ただ、彼の言葉を受け止めます。
潮まじりの風が、ふたりの間に流れていました。
「その人はちょっと鈍感で、俺の気持ちに気づいてなかったよ。そりゃ残念だったけど、『やっぱり気がついてなかったか』って思いのほうが強いかな」
「その人のことは、あきらめるんですか?」
「いいや」
修は首を振りました。
「それであきらめる程度の好きではない。俺の気持ちは変わらない。むしろ、ここからがスタートだと思う。嫌われてはなかったし、知ってもらわないかぎりはなにも始まらないのだから……」
くす、と月は微笑みました。
そして彼女は、手を修の頭に置いたのです。やさしく撫でました。かつて彼女が、友人にしてもらったように。
「慰めてくれるのか? ……常闇は優しいな」
「私には、これくらいしかできませんから……」
いつまでそうしていたでしょうか。
やがて修は、カクテルのような色をした炭酸飲料を手に立ち上がったのです。
「そろそろ帰ろう。送っていくよ」
――俺も来年には。
彼は思います。
――来年には、違う報告ができるよう、がんばるよ。
鷹峰凪がなにやら、一生懸命メモをとっています。
といっても、これはメモというより
『ネタ帳』
です。
なんのネタ? ですって?
そりゃあもう言うまでもないではありませんか。
薄い本のための
、です。
薄い本ってなに? と無邪気に訊かれてしまうともう作者も、語るべき言葉をもちません。……そんな目で見ないで下さい。
凪は薄い本のための想像力の素をネタ帳に、さらさらと書いているのでした。
ラフ画も描きます。
しゃべっている人たちに、勝手な台詞を想像して書き入れてみたりもします。
たとえ創作であろうと、現実がベースにないとリアリティも楽しさもありません。現実を種にして、開く赤い花こそが妄想というもの。いい花を咲かせたいものです。
凪の手の動きの速さ、たくみさに、隣で見ている八咫鏡は目を丸くしていました。
視界に入った人、面白そうな人たちにたいして、凪はその特徴や想像した関係性について考察をまじえて描写していきます。絵や記号もあり情報量たるやすさまじい。とてもではありませんが、大酒をくらいながら書いているものとは思えません。
「すごいですね……」
「そう? この業界ではこれくらい普通だと思うけど」
「さすがです」
鏡もこういう世界には理解があるつもり、いや、はっきり言ってしまうと好きなほうですけれども、創作側にはあまり立ったことがありません。なので素直に感心するのです。
このときいつのまにか凪の注目は、若い男女の集団へと向かっていました。
男女半々のメンバーです。
どうやらうち三人は教師のようです。鏡も見たことがあるような気がしました。
「彼ら? 寝子島高校の体育教師たちよ。ふふ……ネタの宝庫たるこの場所でも、今日一番の組み合わせね」
「と申しますと?」
「高野先生、あのショートカットの女の人ね……と、あっちの女性……まゆちゃん先生、この二人がちょうど、あの若い男性、浅井先生をいじっているように見えるでしょう? でも、見ようによってはまゆちゃん先生がいじられているようでもあるし、あるいは浅井先生と高野先生でまゆちゃん先生を奪い合っているみたいにも見えるじゃない? イマジネーションが刺激されるわ……!」
「言っている内容はわかりますけど、ちょっと複雑ですね」
「なら」
と凪は立ち上がりました。
「実地で観察してみない?」
言うなりすたすたと、彼女は教師たちのテーブルに向かいます。
しかもしっかりと鏡の手を取った状態で、です。
そうしてなんら臆さず、凪は薄野一月を含む全員に呼びかけました。
「先生がたこんばんは」
「おー、鷹峰書房!」
酔っている高野先生は、なぜか凪を名前ではなく店名で呼んで、
「いいところに来た。座れ座れ。酒は道連れ世は情けねぇ、だ」
などとろれつの回らない謎の日本語で、二人を宴席に招き入れました。
「あの……私も?」
いきなりの展開に鏡はどぎまぎしますが、すぐ隣になった薄野一月にあいさつされます。一月は凪とは顔見知りのようでした。
「俺、寝子島高校OBで薄野一月って言うんだ。ひょっとして鷹峰さんの……妹さん?」
「ああ……いえ、二十歳……です」
鏡としてはこういう話には慣れていました。年齢については訂正しつつも、性別のほうはここは否定しないでおきます。
成人していることについて、一月が驚くものと鏡は予想していました。けれどさにあらず、一月は嬉しそうな顔をしたのです。
「ということは俺と同じなんだ」
社会人ともなると、仕事以外で新しい人と知り合う機会はなかなかないもの。同い年と知り合えたことを、なによりも一月は喜んでいるのでした。
「でも俺は早生まれだから学年は下かな?」
「私も早生まれです。同級生ですね」
申し遅れました、と言って鏡は名乗りました。すると、
「そうかー、ウッフフー。あたし、これでも駆け出しの小説家でねぇ」
酔ったのでしょうか、急に一月の口調がくだけたものになりました。妙に色っぽくなったといったほうがいいでしょうか。一人称も突然『あたし』になっています。
「キミみたいな知り合いができて光栄よぉ☆ 小説の登場人物の参考にさせてもらおうかしらん?」
「ははは……創作をされるかたって、似たような発想をされますね」
「そう?」
「ええ。でも、悪い気はしません」
むしろ、自分がどう創作物に反映されるのか楽しみなくらいです。
グラスが空だね、と一月は鏡の手元を見て言いました。
「知り合えた記念になにか飲もうよ。頼んでくるね。なにが好み?」
「カクテルが好きですね。甘いので」
「えーと……」
「スクリュードライバーとかどうですか? よければご一緒に」
「おっと、それ、通称『レディーキラー』じゃないか。キミが頼むの!?」
スクリュードライバーはウォッカベースなので、甘口で飲みやすいわりにアルコール度数は高めなのです。なのでつい、口当たりがよいままに飲み過ぎてしまいがちとされています。『レディーキラー』というのは、俗っぽい話ですが女の子を『落とす』のに最適ということからついたこのカクテルの異名でした。
「ええ、おかしいですか?」
なんて鏡は、上目づかいで訊いてみたりしました。
ところがまたまた、一月は予想外のコメントを返すのです。
「キミ、アタシを落とす気? うふふ、会ったばかりなのに大胆☆」
「そうくるとは思いませんでしたー」
「常に先が読めない男と呼んでね♪」
これには鏡も笑ってしまいました。彼とは仲良くなれるかもしれません。
――でも、いつ本当の性別を明かしたらいいでしょう?
ところでそのころ凪は、すっかり先生がたと大酒大会になっているのでした。
うわばみの名をほしいままにしている凪もさすがに酩酊してきたようで、鼻息を荒くして高野先生に食ってかかっております。
「まゆちゃん先生が高野先生の嫁ってどういう意味ですかー!」
ちなみに、どうしてこんな話になっているのか、把握している人はこのテーブルにはいません。
「その通りの意味だ!」
高野先生も相当きているようで、あまり考えず発言しているようです。こちらも鼻息が荒い。
しかし高野先生の回答はお気に召さなかったようで、凪はさらに声を上げます。
「浅井先生の立場はどうなるんですかー!」
「え? なに? 俺、呼ばれた!?」
早々に頬杖して休憩していた浅井先生は、これを聞いて弾かれたように立ち上がりました。
ところが立ったはいいがどうして立ち上がったのかもう忘れてしまったようで、先生は呆然とした表情で立ち尽くしたまま、夏の風に吹かれておりました。
なお、渦中の(?)まゆちゃん先生はとっくに、机に突っ伏して眠っております。
長い夜になりそうです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月14日
参加申し込みの期限
2014年04月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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