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【ひんやり冷たいラムネの喉ごし】
「……熱が出たか」
桜花寮の自分の部屋で、
浮舟 久雨
は額に手を当て、つぶやいた。
昨日から体調が優れないと感じてはいたのだが、今のところ症状は熱だけのようだ。
ルームメイトの友人を心配させないためにも、彼女が帰ってくる前に治しておきたい。
風邪薬を飲んで寝転ぶと、
先日購入した小花模様の風鈴
が涼しげな色を反射していた。
赤、黄、青、銀。ガラスの透明感が、キラキラと光を弾いて、目を楽しませる。
一人きりの静かな室内で目を閉じて休んでいた久雨だったが、時間の経過とともに体調は悪化していった。
「は……っ、はぁっ――……、ぅう」
寝苦しさに身体を起こすと、全身にひどい汗をかいている。
呼吸も安定せず、視界もかすむが、喉が渇いて仕方がなかった。
「……何か飲み物を……、買って、来るか……」
重い足取りで、食堂へ向かう。
「やあ、久雨君。ここで会えると思っていたよ」
廊下に出た段階できりっと表情を取り繕っていた久雨だったが、食堂前で
畑生 言嗣
に声をかけられると、いっそう気を引き締めて姿勢を正した。
「ん……、言嗣、か。どうしたんだ、その荷物、は……」
買い物帰りであるらしい言嗣を見て尋ねると、彼は誇らしげに荷物を掲げた。
「これは久雨君に食べさせようと思って用意した食材なのだよ。先日会ったときから、どうも顔色が優れない様子だったからね」
「顔色、だと……?」
「そうとも。いやはや案の定、といったところだね。どれ、私が真心をこめて看病をしてやろう。精のつくものでも食べるといいよ」
任せておけと言う言嗣に、久雨は思わず呆れた目を向けた。
言葉もなく言嗣をまじまじと見つめていると、彼は何を誤解したのか、満足げにうなずいた。
「ふふ、それほど感激するようなことではないとも」
「何を言っている。看病……、だと? いや、必要ない。このていど、私、一人で……」
「おっと」
言嗣を避けて食堂へ入ろうとした久雨の身体が傾いだ。
支える言嗣の手を押しのけて、久雨はかすれながらも気丈な声で告げる。
「……平気だ。今は貴様のおふざけに付き合う気力はない。早くそこを、ど、け…………」
「久雨君!」
遠ざかる言嗣の声を聞きながら、久雨の意識は沈んでいった。
ぎしぎしと身体がきしむようだった。
頭が熱く、呼吸が苦しい。なのに指先は凍えるようで、自分でも暑さと寒さのどちらに悩まされているのか、判別がつかなかった。
「……ここ、は……?」
徐々に意識がはっきりしていく間も、胸が苦しくてならなかった。
久雨が目を覚ますと、思いの外間近に言嗣の顔があり、こちらを覗き込んでいる。
狭まる視界に、他のものは何一つとして映っていない。
まばたきをくり返していると、頭上から彼の声がふりそそいできた。
「起きたかね。どうやら、かなり体調を崩しているようだが」
「言嗣……、どうして、食、堂……?」
「そうとも。覚えてないかね、突然倒れたので、膝枕をしているのだ」
「……膝枕、だと」
目を丸くする久雨をなだめるように、言嗣はぽんぽんと肩をなでた。
「なに、気にすることはない。
いつだかのお返しだよ
」
それがいつのことだかわかったのだろう。動揺から眉をひそめて、久雨は上体を起こした。
「世話をかけたな、……大丈夫だ。もう、起き上がれる」
「む、大丈夫かね? 無理をする必要はないのだが」
膝枕をしている間も、伝わって来る彼女の体温は明らかに熱かった。
「……不要だ」
言嗣としてはいくらでも甘えてくれてかまわないのだが、久雨の態度がかたくなだと見てとると、彼は荷物の中から冷えたラムネの瓶を取り出し、火照る彼女の頬に当てた。
「では、これで冷やすといい」
「……これは、ラムネ?」
「好きなのだろう?」
「どうして……、これが好きだと知っているんだ」
不思議に思う久雨に、言嗣は当然だと言わんばかりに胸を張る。
「ふふ、私は久雨君のことならば、何でも知っているよ」
「む……。そう、か。感謝する……」
久雨は瓶の冷たさに口元をほころばせると、封を開けて口をつけた。
甘くはじける触感が、乾いた喉を滑り落ちていく。
清涼感が内側から染みるようで、熱に苦しむ身体と心が慰められた。
わずかに肩の力も抜けて、くり返し幾度か飲んだが、体調のせいで全てを飲みきることができない。
「すまんな、せっかく持って来てくれたのに、これしか……」
「そうかね、ならば残りは私が飲もう」
久雨の手から瓶を抜き去り、言嗣は一息に飲み干した。
「言嗣!? ……何をしているんだ。風邪がうつるぞ!」
ふふふと喉を鳴らす言嗣の顔には、迷いがなかった。
「これでうつったとしたら、間接的な接触によって、久雨君のウィルスが私へと受け渡されたということになるね。君の中のものが、私の中に!」
思わせぶりな視線を向ける言嗣に手を振って、久雨は立ち上がった。
「言っていろ……。そろそろ、戻る。ごちそうになった」
これもラムネの効能だろうか、先ほどよりも意識がはっきりとしている。
「お大事に」
言嗣に見送られて、久雨は部屋に戻ると、再び横になって目を閉じた。
身体のだるさは残っていたものの、呼吸も楽になっている。
これならば明日には治っているだろうと考えながら、口に残るラムネの味に思いをはせた。
――翌日。
電話越しに聞く言嗣の声がかすれていた。
「ほう、それで、なるべくして貴様にも風邪がうつった、と」
「うむ……、どうやら少し熱があるようでね」
「軽率な行いの結果だな」
「いや、これは正しく、恋の病だということだろう。燃えさかるような熱に煽られているのだから……!」
「ぬかせ。……だが、そうだな。栄養のつくものなら作ってやれる。食堂まで来れるか?」
わずかに穏やかさを取り戻した声で尋ねると、言嗣はためらうことなく了承した。
「それは有り難い。お言葉に甘えるとしよう。食材ならば、既に昨日用意してある」
「そうだったな。では、食堂で待ってる」
「ああ」
通話が切れて、やれやれと肩をすくめながらも、食堂へと向かう久雨の足取りは軽かった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月05日
参加申し込みの期限
2014年05月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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