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【スポーツドリンクよりも染みる体温】
シーサイドタウンにある、とあるアパートの一室で、
葛城 璃人
は暮らしていた。
今日は家で、約束がある。
大切な人が来るというのに、全身がだるく熱を持っているようで、意識がはっきりしなかった。
特に頭はぐらぐらと揺れて、気分の悪さを際立たせる。
こんなことではいけないと思いながらもうずくまっていると、玄関でチャイムが鳴った。
「あ、日菜さん……」
よろよろと立ち上がって、どうにか玄関まで来たものの、鍵を開けるころにはどっちが上なのかも曖昧になっていた。
開いたドアから現れた、
高尾 日菜
の笑顔がやけにまぶしく見える。
「りぃちゃん、来たよ」
どこか緊張をにじませながらも、幸せそうな笑顔を見せた日菜の顔が、すぐにこわばった。
「うん、いらっしゃ……」
うめくように口をひらいた璃人の様子が、明らかにおかしい。
「どうし……、えっ」
ずるずると壁にもたれるようにして、璃人が倒れた。
「りぃちゃん! だ、大丈夫!?」
「う……ん、ごめ……」
飛びつくように璃人を抱えて、日菜はおろおろとしながら靴を脱いだ。
「ど、どうしよう……、りぃちゃん、寝室はどこ?」
細い指が、力なく奥の部屋を指す。
「とりあえず、ベッドに横になろう。私につかまって、ゆっくりでいいから……ね」
どうにかベッドまでたどりついた璃人は、かすむ意識の中でうっすらと目を開けて、日菜に謝罪した。
「ごめんなさい……、僕、不甲斐なくって……しかたない、です。男なのに、倒れて。日菜さんに、運んでもらって……」
「謝ることないよ。お水、飲める……?」
自分の荷物からペットボトルの水を取り出し、キャップを開けると、璃人はかすかにうなずいた。
日菜の手を借りて肩から上を持ち上げ、冷たい水をひとくち飲み込む。
ほっと息をつく璃人を再び横たえて、汗ばむ額に貼りつく髪を指で払った。
「ありがとう、ございます……。そうだ、しかも今日は一緒に
『Lechat』
のことをやる約束、でしたのに……」
『Lechat』は、二人が手がける服飾店だ。電脳上の店舗を、現実の世界でも広めていこうと、ともに努力をしている真っ最中なのである。
女の子の夢を凝縮したような衣装の新作について話し合う予定だったのだが、あいにくの璃人の体調を考えると、今日は見送るしかない。
璃人は心を痛めているようだったが、日菜は優しく首を横に振った。
「無理しないで……、璃人くんが私のために無理をすることのほうが、悲しいよ。どうか今は、ゆっくり休んで」
「日菜さん……」
身体と同時に、心も弱っていたのだろうか。
日菜の言葉をかみしめて、璃人ははにかみながらも微笑んだ。
「その、ありがとうございます、です……。えへへ、そんなふうに言ってもらえて、僕は本当に幸せ者……、ですね」
寝具を整える日菜の手の感触を間近に感じる。
喉を流れていった水と一緒に、日菜の労りの気持ちが染みわたるようで、璃人の目が熱くなった。
とっさにごまかそうとして布団にもぐった璃人に、穏やかな声がかけられる。
「それにね、ちょっと不謹慎かもしれないけど、私、こうして璃人くんのお役にたてるのが嬉しいの」
「……嬉しい、ですか?」
「ほら私、いつもいろいろともらってばかりで、璃人くんに何も返せてないから……」
「そんなことありませんよ!」
ぱっと布団から顔を出した璃人と目が合って、日菜は顔を赤くして立ち上がった。
「う、うん。えっと……、そうだ。栄養ドリンクと風邪薬、買ってくるね……!」
「あっ……、待って!」
照れくささをごまかすように立ち去ろうとした日菜の裾を、思わずつかんだ。
「璃人……くん?」
「あ、その……、日菜さん。行かない、で……」
このまま彼女がいなくなってしまうのがやけに怖くて、握る指先に力をこめた。
どれほど情けない顔をしていたのだろう。
わずかに驚いた様子をみせた日菜は、すぐにしゃがんで熱い璃人の手をとった。
「うん。大丈夫だよ、りぃちゃん」
慈しむような優しい笑顔に、璃人の指から力が抜けた。
こうして手を握ってもらうだけで、焼け付くように感じていた焦燥感も寂しさも、溶けて消えるようだった。
「私、ずっと……、ここにいるね」
ほっと安堵の表情をみせて、璃人はすとんと眠りに落ちた。
「りぃちゃん……、おやすみ。ゆっくり寝てね」
握ったままの手の甲をなでながら、日菜もシーツに頭をのせた。
「りぃちゃんの手……、温かい、ね……」
耳に届く規則的な寝息が、心を安らがせる。
こうして寄り添い、手を握っていられることが嬉しくて、日菜は穏やかな眼差しで璃人の寝顔を見つめていた。
手の平に伝わる体温が、一人じゃないことを教えてくれる。
温もりが心地よくて、気づけば日菜も、ひっそりと眠りに落ちていた。
「日菜……さん……?」
うっすらと目を開いて天井を見上げた璃人は、すぐに傍らに伝わる、優しい体温に気がついた。
首を傾けると、すやすやと眠る日菜の顔が視界に入る。
つながれたままの手が、かけがえのない絆に思えて、璃人は顔をほころばせた。
そっと名を呼んでも、日菜が目覚める気配はない。
彼女を起こさないように、そうっと片手を伸ばして、頭をなでた。
丸い曲線を流れる髪が、さらさらと指にからむ。
こっそりと髪を梳きながら、優しく、優しく、指をはわせた。
自然と唇から、言葉がこぼれた。
「日菜さん、ありがとうございます……」
吐息のような声が、かすかに空気を震わせた。
「そして、日菜さん、大好きです……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月05日
参加申し込みの期限
2014年05月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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