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二人だけの時間
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シーサイドタウン駅を降りた人々が一様に南東を目指した。多岐に渡る商品を手頃な値段で入手する。今日もシーサイドアウトレットは活気に満ち溢れていた。
その中に
千鳥 雅人
が紛れ込む。白いランニングシャツに黄色のパーカーを着て小刻みに頭を動かした。幼い顔立ちと半ズボン姿のせいで、かなり幼く見える。しかも、頭頂の髪の毛がクエスチョンマークになっていて現状をあからさまに語っていた。
「ここはどこ?」
適当に歩いて別の通りに出た。周囲に目を向けると表情が途端に暗くなる。
「さっき通ったような……あうあう」
子犬のような垂れた目を方々に向けて、あ、と声を上げた。笑顔で一方に駆け出した。
「久雨ちゃん、一緒に行こうよ!」
浮舟 久雨
は青くて長い髪を先端で結び、鞭のように撓らせて振り返る。白い長袖シャツにブラウンのパンツを穿き、凛々しい佇まいで待ち受けた。
「雅人ではないか。一人で買い物か?」
「そうなんだけど、道に迷っちゃって。良かったら一緒に買い物に付き合ってくれないかな。久雨ちゃんがいれば百人力だよ!」
「これも何かの縁だ。私でよければ共に行動しよう」
「わーい、よろしくね」
喜びを露わにする雅人を冷静に見ながら久雨は声に出した。
「まずは、そちらの買い物からで良いぞ」
「それなんだけど、店がわからなくなって困ってたんだよ~」
「全ての店を見て回れば、いつかは辿り着くだろう」
「うん、そうだね!」
運に恵まれたのか。一桁の数で目当ての店に行き着いた。
店内に入ると久雨が物珍しそうな顔をした。
「入浴用品か。随分と色々な物があるのだな」
陳列された物を眺めていると、急に久雨の目付きが変わった。棚の一角に黄色いアヒルが群れを成していた。
久雨は一羽を鷲掴みにすると、後ろにいた雅人に見せつけた。
「これを見ろ、雅人! あひるだ! 湯船にぷかぷかと浮かべる、黄色いあれだぞ!」
「なんか内臓が飛び出そうな音がするんだけど。それと今日は夏用にさっぱりできる入浴剤を買いに来たから、あひるはいらないかな」
「そうか、すまん」
久雨は名残惜しそうな目であひるを解放した。そんな本人を目にして雅人が明るい声を出した。
「この炭酸入浴剤って、さっぱりできそうで良いかも! 久雨ちゃんも、そう思うよね」
「そうだな。その隣の石鹸はどうだ」
「ん、これのこと。な、なまこ石鹸!? どんな効果があるんだろう」
「石鹸を齧ると、なまこの味がするとか」
久雨の真剣な物言いに雅人の頭頂の毛が左右に大きく振れた。
「でも、気になるから買っておこっと」
雅人はホクホク顔で店を後にした。
「今度は久雨ちゃんの番だね。どこに行く?」
「……とにかく暑い。人のせいもあるのか。何か冷たい物でも食べて涼みたい」
「それなら喫茶店だね!」
歩いて探すのも億劫な様子で久雨は目に付いた店に入っていった。
店内の窓側の席で二人は向かい合って座った。テーブルの端にはメニューが立て掛けられていて、久雨は手に取った。ぱらぱらと捲ってデザートの欄で目が留まる。
「私は苺パフェにしよう。雅人は何がいい?」
メニューを開いた状態でテーブルに置いた。雅人は一目で指差した。
「じゃあ、俺はコーヒーゼリーにするー」
通り掛かったウエイトレスには雅人が声を掛けた。
注文を取って数分でコーヒーゼリーが運ばれてきた。お先に~、と雅人は白いクリームにスプーンを突き立てた。大盛りの一杯を口に含むと満面の笑顔となった。
「んん~♪ クリームがお口でとろける~♪」
和やかな雰囲気の中、赤い山脈が聳え立つ。久雨は目の前に置かれた物をまじまじと見た。
「思っていたより大きいな。しかし、頼んだ以上は食べきるぞ」
赤い頂を睨み付ける双眸はスプーンの一口で易々と崩れ去った。頬に手のひらを当てて甘ったるい笑みを漏らす。
「苺のシロップが甘酸っぱくて美味しい」
格別な味に打ち震える久雨に雅人の手も止まる。
「良かったら味見してみるか?」
「わ、いいの? それじゃあ、俺のコーヒーゼリーも分けてあげるね~♪」
容器を真ん中に並べて二人は交互に食べた。雅人は口にクリームを付けて、美味しいね~、と上機嫌で言った。
「あまり夢中になるな。口元が大変なことになっているぞ。ほら、顔をこちらに出してみろ」
久雨は紙ナプキンで雅人の口を拭った。ここにも、と頬の一部にも押し当てる。
「久雨ちゃん、なんだかうちの父さんみたい~」
「そこはせめてお母さんにしてくれ」
二人は顔を見合わせて笑った。
「あ、ここは俺が払うからね~。こういう時は甲斐性を見せなさいって、父さんが言ってた!」
「支払いを任せるのは悪い気がするのだが」
「俺が払うー、父さん言ってたー」
駄々っ子のような態度に押し切られ、任せる、と久雨から一言を引き出した。
二人は満足した顔で店を出た。
「次は私の番だな。少し歩くぞ」
「お供するよー」
人の流れに乗って歩いていると、涼しげな音が聞こえてきた。軒下に吊るされた風鈴が微かな風に揺られていた。久雨の目当ての店であった。
「ここの和風雑貨屋で、夏らしい物が欲しくてな」
木造の引き戸を開けて二人は中に入っていった。
赤い布を被せた台の上に扇子や内輪が置かれていた。根付のストラップはキュウリやナス等、夏野菜が中心であった。
興味に引かれて雅人が一人で見て回る。
その間に久雨は吊るされた風鈴の元にいった。小花の模様の風鈴に目が留まる。軽く指で押すと凛とした音が響いた。
「澄んだ音色がいいな。見た目のガラスも涼しげだ」
それとは別に見つけた物を別々の紙袋に入れて貰った。支払いを済ませたところで雅人がやってきた。
「ちょっと値段で手が出ないかなー」
「喫茶店の支払いのせいなのか」
「ち、違う、違うって。俺は男だからね! 可愛い物には縁がないのさ。それより、あふぅ、ちょっと眠くなってきちゃったよ~」
「欲しい物は買えたから帰るか」
「うん、そうしよう」
風鈴の音に見送られ、二人は通りの端までやってきた。
別れ際、久雨は雅人の目を見て言った。
「今日はありがとう。これは私からのささやかな贈り物だ」
「えっ、さっき買った物を……本当に貰っちゃっていいの?」
「雅人の為に買った物だ。遠慮はいらない」
その言葉で雅人は紙袋を受け取り、見てもいい? と聞いた。頷くのを見て袋から中身を取り出した。
藍染の手拭いが入っていた。目にした雅人は喜びを爆発させた。
「絶対、絶対に大事にするよ!」
「喜んで貰えて私も嬉しいぞ」
雅人は手拭いを高々と掲げた。白抜きの千鳥が一斉に大空を舞う。見詰める二人は満ち足りた顔になった。
――今日は楽しかった。
二人の表情が今日という一日を物語っていた。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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