美味しい実験体験、みんなで実験をしよう！｜リアクション

美味しい実験体験、みんなで実験をしよう！

【試食タイム５　じょしかい】

　佳奈、侑、林檎、瑠奈の女性四人組は、それぞれの作ったものを回しながら、ほかのグループのものと交換しつつ、それぞれの味を楽しんでいた。
「紅茶もあるよ。よかったら飲んでね」
　と、瑠奈が紅茶をいれてみたりしている。ほんわか女子会モードである。
「……さて、いただきます」
　内心は……。
（皆で食べると美味しいねー♪とりあえず、私は５０個以上食べよっと♪他のも味見したいな♪）
　という野望を持っている林檎も、紅茶を飲んで、すっかり溶け込んでいる。
　なんというか、お菓子と紅茶は幸せの魔法という意味がわかる気がする。しかし、これはあくまで授業の一環なので、しっかりとレポートのためのメモも忘れていない。
「にゃは♪」
　と侑が上機嫌で全種類とも制覇していく。
「やった・・・！」
　その隣では思わず満面の笑みを浮かべた佳奈。初めてまともにお菓子が出来た！　さっそく一口。ちゃんと食べられる！　それは佳奈にとってとても感動的なことだった。
　その事実に嬉し涙を流しつつ、紅茶を飲む。
　……女子会？
　とりあえず、わいわいと騒ぐ姿は、まさに青春の一ページといえよう。
　でも、忘れてはいけない。これは授業である。
　４人が時間ギリギリになってその事実に気づき、慌ててレポートを書いたのであった。

　

【試食タイム６　授業をしたのはいいけれど？】

　修は長々と話を終えたあと、時子、ふわり、ラッセルらと合流していた。
「お疲れ様です……」
「難しいお話ですよぅー」
「くうっ、カラメル焼きうめぇ」
　と時子は微笑んで出迎え、ふわりはレポートとにらめっこ。ラッセルに至っては食べるのに夢中であった。
　何か言いかけた修だが、それもいいかと表情を元に戻す。
「そういや、レポートはどうすんだ？」
　と、ラッセルが気になったように言う。
　そこではっと修は気づいた。実験してレポートを提出せねば単位はもらえない。
　一応、実験の中身について説明や、生徒への対応はしたものの自分は実験を全くやってないうえに、レポートの準備も忘れていた。
「……しまった」
　そう言いつつ慌てて準備する修。
「これを食べるといいですよーぅ♪」
　そして差し出される電気パンに即席ラーメンを茹でたものを挟んだもの。
　時子もポップコーンを分けてくれた。
　ちなみに、修は授業終盤では実験器具でサイダーを作成する余裕まで見せているが、それはそれ、これはこれである。
　授業はきちんとやったら単位になるのだ。
「では宿題。今日のレポートの末尾にサイダー製造を化学的に説明しておいてくれ」
　と締めたのだが、サイダーに目を輝かせる生徒はいたものの勝手に生えた宿題は、スルー。
　その結果がこの追い込みである。一応、実験の化学式などは説明できるためレポートは大丈夫そうだ。
「次の授業も楽しみにしてますね……」
「楽しみですよぅ！」
　時子とふわりが楽しそうに雑談している。
　ちなみにラッセルはその間にも別のところへ移動している。
「逆巻は動物パンか！？　なるもんだなー。屋敷野は？」
　と既に向こう側へ。
　結局のところ、なんとかなったが、修はあやうく今回の出席分を落としかけるところであった。
　ちなみに、作品にはしっかりありついていた。
　めでたし、めでたし？

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