……それは、一年生が来て授業が始まる少し前のこと。
「う~ん、どうしましょうか」
ボリボリと頭を掻きながら、
五十嵐 尚輝は寝子高の実験室で唸っていた。
見れば、真っ白な『学習指導計画』が目の前に投げ出されている。
「もう全部実験でいいじゃないですか……わかりやすい実験をって言われてもですね……」
そう、ブツブツとぼやく五十嵐先生。
毎回授業をどう組み立てるか、実は五十嵐先生の最大の難関はこれだった。
実験をしたい、しかし、生徒たちに伝わる実験でないければいけないという試煉……。
「実験ができて、生徒が分かりやすいものってなんでしょう。うーん」
実に面倒くさそうである。手は実験器具をいじっていて完全にやる気が感じられない。
「……まだ、時間はあります。よし」
そう言って、五十嵐先生はあることを思いついたようにペンを走らせた。
「と、言うわけで我が化学部にこれが回ってきました」
北校舎2階の理科特別教室で
アガサ・プレラチが五十嵐先生から手渡された指令書をひらひらさせながら、言った。部室は新入生も来る前なのでまだ誰もいない。
「授業に使えそうな3つのオイシイ実験を考えよ。ですか。ふーむ」
ゆらりゆらりと考えを巡らせるアガサ。
「……あの先生は一体何を考えているんでしょうか。訳が分からないですね」
そう言いつつも部室のノートやら本やら教科書を律儀にめくるアガサ。そのとき、ある記述が目に止まった。
「……まぁ、これならなんとかなるでしょう。ついでにどの学年でも参加できるように……と。できました」
そうして、簡単な化学式と共に五十嵐先生にその提案書が送られた。
……かくして。
本日は、化学の授業である。受講する生徒は皆、実験室に集められた。
「今日は、実験をやりますー。化学式と解説とかは黒板に書いておくんで勝手に覚えてくださいね。じゃ、器具も配ったんでこの三つの中から選んで、作ったら感想レポート提出して終わりです」
えーっ! と生徒から声が上がるも、五十嵐先生は実験の世界へと入っていっていた。
しかし、実験の内容を見た生徒たちは、おや? と顔を見合わせた。
黒板には三つの言葉が大きく書かれている。
『モッチモッチの電気パン』『弾けるポップコーン』『情熱のカルメ焼き』。
「つまり、オイシイ実験というのをそのまま受け取らせていただきました」
そう、実験室で誰かがつぶやいた気がした。
……なんだか、とても美味しそうな実験内容であった。
皆様、チャオ♪
今回は、五十嵐先生がお送りする?
理科の実験でございます。
基本的にはこの三つ
1、電気パン
2、ポップコーン
3、カルメ焼き
のどれか一つを選んで作ることになります。
これも、授業です。
作ったあとは美味しく頂いてしまいましょう。
学校的に単位制なので、基本的に誰と参加しても誰と組んでもよし、
【GA】する際は忘れずにお願いします。
単独であった場合、誰かと一緒になる可能性もありますが
その場合は、どの実験になるかは保証できません。
基本的なレシピや、実験器具は揃っているので
問題なく作れます。
頑張って行きましょう!
以下、ざっくりとした作り方の例です。(参考用)
※電気パン
1、パンの材料を計り取りながら、牛乳パックの中にタネを入れる
2、ステンレス板をいれて、電源コードをつないで電流を流す
3、湯気が出ないくらい膨らんだら外す
4、盛りつけて食べる
※ポップコーン
1、ビーカーとアルコールランプ、アルミホイルを持ってくる
2、用意されたコーンを入れる(味付き)入れすぎないよう注意
3、サラダ油を30gくらい入れる
4、火にかける(ビーカーいっぱいになったら止めて予熱で加熱する)
5、盛り付けて食べる
※カルメ焼き
1、ザラメに水を加えたものをおたまに入れる
2、火にかける、泡とか出るからかき混ぜつつ、様子を見る
3、泡がなくなったら重曹と卵白と砂糖を混ぜたやつをいれて混ぜる
4、膨らむからお玉をふきんの上に設置して様子を見る
5、膨らみきったら盛り付けて食べる
※補足
詳しいことは自分で調べるなどしてください
成功させたいとアクションに書いておくとほぼ成功します
(例 彼女は真面目なので実験はつつがなく終わります 等)
失敗させたい場合はどう失敗させたいかをちゃんと書いてください
危ないことをしたら、ダメですよ?