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二人だけの時間
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緋紅朱 赫乃
は名前の通り、赤い長い髪に緋色の瞳を持った少女であった。服装は白く、両肩を出したワンピース型のゴシックドレス。風を受けると膝丈のスカートがふわりと舞う。
赫乃は剪定鋏を片手に庭の薔薇の手入れに勤しむ。色白の頬がほんのりと色付き、薔薇の健やかな生長に微笑んだ。
その時、ノックをする音がした。甘い囁きにも似た声で、赫乃、と名前を呼ばれた。
声の方に振り返ると、
シグレ・ナイトウォーカー
が建物の壁に寄り掛かるようにして立っていた。水色の開襟シャツに麻のジャケットを羽織り、細い足を強調するようなパンツを穿いていた。
赫乃の幸せそうな微笑みを目にしたシグレは姿勢を正す。
「今日は星ヶ丘寮の薔薇園にお招きいただきまして、ありがとうございます」
「あ、もう、そんな、時間? ……あと、そんな、言い方は……好き、じゃない、かな」
赫乃のささやかな反抗にシグレは白い八重歯を覗かせて笑った。では、改めて、と楽な姿勢を取った。
「赫乃、誘ってくれて嬉しいよ。二人で今日という一日を楽しもうぜ」
「私も、会えて、嬉しい。シグレさん、椅子に、座って、待っていて」
薔薇園の中にある木製の円卓に手を向ける。わかったよ、とシグレは歩いて行き、目にした椅子に腰掛けた。
見届けた赫乃は小走りとなった。白いスカートの裾がはためいて薔薇の花弁を思わせた。シグレは眩しいものを見たかのように目を細めた。
視野を広げて周囲の薔薇を見やる。黄色に白。赫乃の瞳に酷似した鮮やかな赤には長く目が留まった。
「美術品に匹敵する美しさだ」
咲き乱れる個性をシグレは讃えた。
程なくして赫乃が姿を現した。静々と歩いてきて木目の美しい円卓に銀のトレイを置いた。運んできたポットやティーカップは中身でピンクに色付いていた。
「少し、熱いから、気を付けて、飲んでね」
ガラスのソーサーを持ってシグレの前に置く。ありがとう、と微笑みを添えて返した。
「これも、どうぞ」
皿に切り分けたようなケーキがフォークと共に渡された。シグレは一瞥して口を開いた。
「これはシフォンケーキかな」
「うん、そう。お友達が、前に、持ってきて、くれたの。美味しかったから、シグレさんにも、食べて、欲しくて」
赫乃はシグレの正面に座った。相手の様子をじっと見詰める。
その中、シグレはティーカップを手に取った。顔の前に近づけ、息を吸って香気を味わう。
「洗練された匂いがいいな」
熱い視線が注がれる中、シグレはティーカップに口を付けた。一口が身体に染み渡る。
「口の中に広がる甘味に雑味がなくて、シフォンケーキの味に合いそうだ」
「よかった、気に入って、くれて。私も、いただく、ね」
赫乃はティーカップを唇に持っていく。こくりと飲んで、美味しい、と顔を綻ばせた。その様子にシグレは微笑み、少し寂しそうな顔にもなった。
「シグレさん、どうか、した?」
「夏休みに入ったら、学校がある時のように毎日は会えなくなる。そんなことを考えたら少し寂しくなって、って何を言ってんだ俺は」
目に付いたシフォンケーキをフォークで刺して齧り付く。
「私、も、寂しいな……」
赫乃は席を立った。座っていた椅子を持ち上げて、シグレの近くまで運んだ。下ろさずに持って戻る。
「俺の横には来ないのか」
「近くが、いいけど、正面で、顔も、見たい」
椅子を持ってうろうろする赫乃の姿にシグレは笑みを抑え切れなくなった。おいで、と呼んで二つの椅子を横並びに引っ付けた。
「即席のベンチの出来上がりだ。お互いが顔を横に向ければ正面と変わらないだろ」
赫乃はシグレの胸元に顔を寄せて、うん、と愛らしく言った。
「あれ……シグレさん、香水、変えた?」
「話題を挟んでもう少し引っ張りたかったんだが、赫乃は鼻がいいな」
「これ、薔薇、ブルームーンの、香り、だね」
顔を上げてシグレの声を待つ。困ったように笑って、諦めた。
「シーサイドタウンで香水の専門店を見つけて、そこで見繕って貰ったんだ」
「そう、なんだ……」
シグレの胸に片頬を寄せて水色のシャツを指でなぞる。何か言いたそうな表情に、仕方ないな、と笑いを含んだ声を出した。
「その店で一緒に買った物だ」
ジャケットから取り出した薔薇色の箱には真紅のリボンが掛かっていた。赫乃の顔の前に、そっと差し出す。
「これ、私に、くれるの?」
「赫乃の為に買ったプレゼントだよ」
リボンの紐を解く。箱を開けると中からは赤い小瓶が現れた。表面のガラスはカッティングされていてルビーのような宝石の煌めきを纏っている。
「匂い、を、試しても、いい?」
「もちろんだ」
にっこり笑うと赫乃は涙型の栓を開けた。瓶に口付けするかのように近づけた。
「これも、薔薇の、匂いが、する……オーギュスティーヌ・ギノワゾー、かな」
赫乃の頭の上に掌が置かれた。正解、とシグレが優しく撫でた。
「私も、見せて、あげる……少し、待って、いて」
名残惜しそうな顔でシグレの胸から離れた。建物に入って間もなく、鉢植えを抱えて戻ってきた。
円卓に置かれた鉢にシグレの目が奪われる。
「こんな薔薇は、見たことがない」
「名前は、『赫』……非売品で、私の、実家の、赤薔薇。新作、だよ」
隣りの椅子に座った赫乃が誇らしげに言った。
シグレは薔薇から顔を引いたり、近づけたりした。見る角度を試し、感嘆したような声を出した。
「遠くでは可憐に見えるのに、近くでは雰囲気が変わって、どこか力強さを感じる。この赤薔薇、俺は好きだな」
「喜んで、貰えて、私も、嬉しい、な」
恥らうような笑みの中に力強い自信が溢れていた。シグレは赫乃を抱き締めた。そして顔を耳元に近づける。
「薔薇が赫乃に似ているから、好きなのかもな」
「ありが、とう、でも、私を、抱き締める、と、香水の、匂いが、混ざっちゃう、よ?」
香りの心配をする声にシグレは満面の笑みで答えた。
「赫乃には教えてなかったけど、二つの香水が混ざり合うと、とても素敵な香りになるらしい」
「そう、なん、だ」
二人は黙って抱き締め合う。赫乃が大きく息を吸い込んだ。惜しむようにゆっくりと吐いた。
「いい、香り。二人、だけの、薔薇の、香り、だね」
「そうだよ。俺達が作り出した薔薇だ」
二人は薔薇の香りに包まれた。お互いの指を絡ませて蕩けるような表情で語らう。
薔薇色の時間に身を委ねた。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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