シナリオ「二人だけの時間」

二人だけの時間

　鳥の囀りで目が覚めた。カーテンの隙間から朝陽が射し込む。
　布団から抜け出した薄野五月は大きく伸びをした。あまりの気持ちの良さに思わず声が漏れる。
　清々しい表情で歩いてカーテンを開け放つ。窓の先には大海原を想像させる青空が遠くまで広がっていた。
　出かけたいと思う気持ちが急速に膨らむ。
　少し目元を擦って机の上の眼鏡を手に取った。装着すると視界は鮮明になり、本格的な目覚めを自覚した。
　今一度、空を見上げる。違う世界を目の当たりにしたような感動が顔に表れた。
　五月は窓を開けた。カーテンがはためく。

　少し強い風を全身に受ける。穏やかな表情で、どこに行こうかな、と呟いた。
　五月は空に向かって微笑んだ。
「どこかに行こう」
　しっかりとした言葉を投げ掛けた。

　――何気ない日曜日の青い空、人の心は動かされる。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

黒羽カラス

マスターコメント

　※トップのイラストはあくまでもイメージになります。参加の有無は各ＰＣに委ねられています。

　寝子島で生活をしている間に、気になる相手が出来たとしても不思議ではありません。今までとは違う自分を見せてみたい。日曜日の青い空は思いを募らせ、あなたの背中を押してくれました。
　※今回のシナリオは二人の【ＧＡ】をメインにした物語になります。積極的に取り入れて理解を深めてください。

　アクションの書き方としてはＧＡで目的を示すのがいいでしょう。それに見合った場所や服装、そうそう時間帯もお忘れなく。具体的な例はサンプルアクションに書いておきました。よろしければ参考にしてください。

　あなたにとって忘れられない日曜日になりますように――。

サンプルアクション（1）

プレイヤーの目的・意図: 初々しいＰＣの様子を見てみたいです。
キャラクターの目的・理由: まあ、幼馴染のアイツと昔みたいに遊ぶのもいいんじゃないかな。
それと流れで告白までもっていけたら。
キャラクターの行動・手段: ＧＡ【告白】
場所　大観覧車
服装　フォーマルスーツ（ネクタイ無し）
時間　昼

昔はよく遊んでいた幼馴染のアイツと出かける。

「よう、久しぶり」
アイツは先に来ていた。不機嫌な顔なので周辺の店を見て回るか。

「この服、お前に合うんじゃないか。ちょっと試着してみろよ」
アイツは俺のスーツが似合わないと話を振ってきた。
「そんなことないだろ。普通に似合うって」

渋るアイツを試着室に押しやってどうにか服を着せた。どう？　としおらしく聞いてくるので俺は言った。
「いいんじゃないかな。記念に俺が買ってやるよ」
アイツは、そんなの悪いよ、と言いながらも嬉しそうにしていた。

夕方、大観覧車に向かい合って座る。アイツは横目で海を眺めていた。
「あのさ、今日はありがとな」
アイツは不思議な顔をしている。
「久しぶりだし。なんか、昔に戻ったみたいだ」
するとアイツは、昔に戻るのはイヤかな、と呟いた。

俺はアイツと同じ海を見た。
「じゃあ、どんなのがいいんだよ」
自然に出た言葉にアイツは、そっちが決めて、と言った。
「恋人なんて、どうかな」

アイツの頬が夕陽で赤い。それ、いいね、と返してきた。

サンプルアクション（2）