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二人だけの時間
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陽射しが僅かに和らいだ頃、寝子島ロープウェイの展望台前駅に
六月一日宮 檸檬
と
澪乃 澄佳
が揃って降り立った。
檸檬は麻のニット帽を被り、だぶついたTシャツにハーフパンツの身軽な格好であった。隣りにいた澄佳に視線を向ける。
「澪乃センパイ、暑くないっすか」
「下よりも涼しいからねえ。だいじょうぶだよ。それに帽子も被ってるし」
麦藁帽子を両手で後方に傾けると、あどけない笑顔を見せた。檸檬は慌てて正面を向いた。
「……帽子と服が似合ってるっす」
「子供っぽいかなあ、と思ったんだけど」
ピンクのブラウスに袈裟掛けした水筒を手に取って言った。
「そ、そんなことないっすよ。スカートが大人っぽいっす」
「ちょっと短いからかなあ」
薄緑のスカートの端を摘まんでひらひらと動かした。火照ったように檸檬の顔が赤くなる。気付いた澄佳が心配そうな声を掛けてきた。
「檸檬くんの方が暑そうだよう」
「お、俺は全然、平気っす!」
その場で大きく腕を振って見せた。そうだねえ、と澄佳はのんびりした口調で返した。
「張り切って山頂に行くっす! あ、でも、道が悪いんで、ゆっくりでいいっすからね?」
「うん、無理しないようにするね」
二人は九夜山の山頂を目指して歩き始めた。
「あ、澪乃センパイ。そこの石は踏んだら動きそうなんで、避けた方がいいっすよ」
「うん、わかった」
これだねえ、と澄佳は石を目にして横に避けた。回避した先にも小さな石があり、踏んだ瞬間に身体が横に傾いた。
「きゃっ……、あれ? あの、ありがとうね」
「と、当然のことっすよ!」
澄佳を受け止めた手を瞬時に離し、檸檬は前のめりで歩き出す。
最後の曲がりを超えると、展望台が見えてきた。二人は溌剌とした表情になった。
「もうすぐだねえ。実はあたし、山頂は初めてなんだよ」
「俺もっすよ」
展望台に着いた二人は同時に喜びの声を上げた。
「うっわ、やっべー。超綺麗、過ぎるだろ!」
興奮した声で檸檬はケータイを取り出し、方向を変えて何度も撮った。その隣では澄佳が笑顔で両手を広げた。
「途中の眺めも良かったけど、やっぱり展望台が一番だねえ。ここからだと、あたしの家はどの辺りになるのかなあ」
「澪乃センパイの家は、あそこら辺じゃないっすか?」
檸檬は近づいて指で示した。どこ? と聞いた澄佳が正確な位置を知ろうとして更に距離を縮める。
「あ、なるほど。あれだね」
檸檬と同じように指差して、にこやかに笑った。急に喉の渇きを覚えたのか。持っていた水筒の蓋に中身を注いで一口だけ飲んだ。
「あ、檸檬くんも、どうぞ」
差し出された蓋に動揺を隠せない。澄佳の唇が押し当てられた縁が、少し濡れて見える。数秒の間のあと、檸檬は真っ赤な顔で仰け反った。
「お、お、俺は平気っす!」
「ふへ、顔が赤いのに? それじゃあ、そこのお店でお団子でも食べようか」
「い、いいっすね。俺は草餅団子で!」
「あたしはいろんなお団子が食べたいなあ」
二人は店のメニューを見て悩んだ末に全ての団子を注文した。近くのベンチに落ち着いた。
少し頬が赤い檸檬が黙々と口を動かす。横では澄佳が笑顔で団子を頬張った。
「すっきりとした甘みで、暑くてもどんどん食べれちゃう」
「澪乃センパイ、いい食べっぷりっすね」
言われて初めて気付いたのか。澄佳は赤い果実のような顔となり、いる? と食べていた串を傾けた。
檸檬は串に刺さっていた団子に見惚れた。
「こっ、ここっちを貰うっす!」
手付かずの串に泣きそうな表情で齧り付いた。
まだ、時間は残されている。二人は三夜湖の方まで足を延ばした。
湖の眺望を楽しめる散策路をゆっくりとした足取りで歩いた。山頂で引き返す人が多いのか。周囲に人の姿はなかった。
湖面に小波が起こる。風と戯れるかのように澄佳が朗らかな顔で帽子を押さえた。片方の手が余っていた。側にいた檸檬は恐る恐る手を伸ばす。
「檸檬くん、覚えているかな。前にあたしのこと、名前で呼んでいいかって聞いてきたよね」
「え、覚えてるっすよ!」
素早く手を引っ込めて言った。澄佳は足元に目をやって、隣の檸檬に顔を向けた。
「……あたしは、キミが呼びたいように、呼ばれたいな」
「い、いいんすか? そしたら、澄佳センパイって呼ばせて下さい!」
「うん、いいよ」
澄佳の笑顔に一瞬、檸檬の力が抜けた。手前の柵に両手を預け、安堵の溜息を吐いた。
「そろそろ行くっす」
先に歩き出した檸檬は数歩で立ち止まり、片方の拳を固めて振り返った。何時にない真剣な表情に澄佳は相手の言葉を待った。
「あ、あの、みお、澄佳センパイ!」
はい、と澄佳は返した。檸檬は苦しそうな表情で喉から声を絞り出す。
「澄佳センパイ。俺、前からセンパイのことを――」
その場から逃亡するかのように檸檬は背中を向けて走り出した。
「後輩思いの、いいセンパイと思ってたっすよおおお」
「そうなん、ふへ? れ、檸檬くん、待ってよ」
澄佳は帽子を押さえながら檸檬の後を追い掛けた。
程なく山道で合流した二人はロープウェイの駅に着いた。貸し切りの状態で乗り込み、定刻に発車した。
ゴンドラの中、檸檬は沈んだ声で言った。
「澄佳センパイ、急に走り出してごめんなさい」
「檸檬くん、さっきから謝り過ぎだよ」
檸檬は顔を赤くして俯いた。澄佳は流れる景色を見ながら口を開く。
「今日の檸檬くんは赤くなってばっかりだね。今度からは、トマトくんって呼ぼうかなあ」
「そ、それはカンベンして欲しいっす」
「どうしようかなあ」
困ったような笑みで手を合わせる檸檬に、なーんてね、と澄佳は笑って返した。
登山道入口駅が近づいてきた。澄佳センパイかあ、と唇を動かし、ちらりと檸檬の横顔を見た。無造作に流した灰色の前髪に金色の瞳が煌めく。
澄佳は少し顔を傾けて照れたような笑みを浮かべた。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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