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二人だけの時間
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東の空には太陽が昇り、穏やかな海面に光が弾ける。
「まだ早朝なのに太陽が眩しいね」
砂浜と岩が半々の場所を
刻人・F・ミセリア
は跳ねるように歩いた。手に提げた青いバケツが揺れて硬い音を立てる。
刻人は黒いTシャツに赤いハイビスカス柄のアロハシャツを着てカーキ色のチノパンを履いていた。陽気な大学生が旅先で楽しむような格好であった。
刻人は朝陽に手を翳して後ろを振り返る。
「なんか、さっきから暗いよ。こんなに晴れた日なのにさー」
明るい声を聞き流すかのように
オーマ・トンノ
は沈黙を保っていた。服装までがどこか暗く、今の精神状態を表しているかのようだった。
オーマは闇を凝縮したような帽子に深緑のキャミソールを着用。色褪せたジーンズの裾を暗褐色の革のブーツが包み込む。厚い靴底で流れ着いた細々とした漂流物を遠慮なく踏み砕いていった。
「僕に実害はなかったわけだし、そろそろ機嫌を直してくれないかなあ」
刻人は顔の前に手を立てて、困ったような笑みで小さく頭を下げた。
オーマは刻人を睨み据えて、ふと視線を下げる。成人男性の腕に等しい太さの木が眼前に横たわっていた。
それは一瞬の出来事であった。オーマはブーツの先端で木を垂直に蹴り上げた。両端を掴んで水平に振り下ろす。瞬く間に突き上げる太腿の餌食となった。湿っぽい音をさせて木は中程で圧し折れた。
無残な姿の木をオーマが横手に投げ捨てる。目にした刻人は苦笑して頭を掻いた。
「いやー、本当にごめんねえ。あの件は解決したと思ったんだけどね。まさか、相手が集団で報復にくるなんてさー。僕も驚いたよ」
刻人は朗らかな表情でオーマの投げ捨てた木を指差した。微笑む目に不穏な光が宿る。
「僕が止めなかったら、相手の腕はあんな風になってたんだよね」
オーマは答えない。目に付いた足元の貝殻を踏み潰した。
刻人の口元の笑みが消えた。
「君はプロだ。昨晩の相手を力で圧倒することは容易いだろう。でもね、その力を安売りする行為は感心しないな。雇い主である僕の顔に泥を塗ることになる」
二人は対峙した。どちらも視線を外さない。瞬きさえ、していなかった。
その中、先に表情を崩したのは刻人であった。
「さっきの表向きの話は横に置いといて。まあ、簡単に言えば面倒臭いよね。無駄な労力だし、あんな連中は適当にあしらえばいいのさ」
話は終わったとばかりに刻人は周囲に目をやった。腰掛けられそうな岩に向かって歩き出す。
「折角の夏休みなんだしさー、もっと楽しいことをして過ごそうよ」
笑顔になった刻人は岩の上に腰掛けた。横の空いたところを掌で叩いて見せる。
「オーマはここね。それとこれは僕がホームセンターで買った物だよ」
遅れてきたオーマにバケツを差し出した。中には折り畳み式の釣り竿が一組、使える状態で収められていた。
「あれ、まだ機嫌が直ってないの?」
オーマはゆっくりと片足を上げた。靴底がバケツを標的として捉えたものの、不発に終わる。
オーマは足を元に戻した。僅かに吹いた潮風を吸い込み、静かに吐き出した。目は遙か彼方を眺める。
「やっぱり、海と言えば釣りだよね。オーマもそう思うでしょ」
オーマは帽子を深く被り直すとバケツから釣り竿を取り出した。全体を眺める目が一点にとどまって険しさを増す。
「え、その竿がどうかした?」
直後に刻人の前髪が少しなびく。拳を繰り出す勢いでオーマが釣り竿を差し出した。
「えっと、仕掛けにおかしいところはないし、釣り針もちゃんと付いてるし……」
ああ、と刻人は大きな声を出した。付いていない物を発見したのだ。
「そうだよ、餌が付いてないんだよ。ルアーは用意して無いし、どうしよう。まだ店は開いてない時間だよねえ」
オーマは一組の釣り竿を纏めて刻人に押し付けた。空になったバケツを拾い上げ、踵を返す。その場に立ち止まっていたのは数秒。目星を付けた先に大股で赴き、揃えた指先を地面に深々と突き刺した。何も抵抗を受けていないかのように手を横に動かす。
刻人はオーマに興味深い視線を向けた。何かを思い付いたのか。急に笑い出しそうな顔になる。
「潮干狩りで道具がいらないね」
オーマは黙々と作業を続けた。掘り起こした砂地から細長い物を摘まみ上げてはバケツの中に放り込んだ。数分の時を経て刻人のところに戻ってきた。
「餌の現地調達かー。まあ、これだけあれば釣りには困らないと思うけど」
バケツの中で大量のゴカイが蠢いている。逃げ腰の刻人がオーマに目をやる。海水で手を洗っている最中であった。
「こんなのを見るとパスタが嫌いになりそうだよ」
泣き言に近い声に迎えられたオーマは無造作にバケツに手を突っ込んだ。取り出したゴカイを釣り針に付けて早々と釣りを始めた。
「あのさー、オーマ。僕の釣り針にもお願いできないかな」
海に向いていたオーマは目だけを動かした。隣りで刻人が手を合わせていた。オーマー、と子供っぽい間延びした声を出す。
オーマは釣り竿を片手に持った。残りの手で器用に刻人の釣り針に餌を取り付けた。
「ありがとう、オーマ。こうなったら負けないよ。どちらが早く魚を釣り上げ――」
刻人は言葉を途中で飲み込んだ。オーマが釣り竿を横に鋭く引いた。手応えを感じたのか、リールを巻き始める。
「まだ五分も経ってないんだけどー」
刻人の不満を余所にオーマは二十センチ程の魚を釣り上げた。ほんのり桜色の魚体が中空で勢いよく跳ねる。
釣り針に釣果をぶら下げた状態でオーマは海に近づいた。
「逃がしたりしないよね?」
オーマは釣り針から魚を外して海に放した。朝食がー、と釣り竿を持った刻人が慌てて駆け寄る。逃がした海面を見ると、石で人為的に囲まれた中に先程の魚が窮屈そうに収まっていた。
「そう言えば、ここってオーマが手を洗ってたところだよね。こういう時くらいは話して貰いたいなあ」
その時、オーマは餌の状態を見ていて、その場で釣りを再開した。気を取り直した刻人は傍らで同じような姿で当たりを待つ。
「オーマの狙ったポイントで釣れば、僕だって勝ち目はあるはずだよ。これからが本当の勝負――」
オーマの放った浮きが瞬時に沈んだ。釣り竿を小刻みに動かし、またしても鋭く引いた。ちょっとー、と刻人は横で不貞腐れた声を出した。その表情は意外と明るく、夏を存分に楽しんでいるかのようだった。
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2人まで
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オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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