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二人だけの時間
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昼を過ぎた頃、シーサイドアウトレットは結構な人で賑わっていた。ショーウインドウを眺めながら人々が歩く。どこかのんびりとした周囲に反して、
鴇波 羽衣
は足早に突き進む。白いブラウスに黒い七分丈のジーンズで、小柄ながらも次々と人を追い抜いていった。中には手を繋ぐカップルがいた。
目の端に留めた羽衣の動きが少し鈍くなり、振り切るように一気に足を速めた。
「もう、着る服で悩み過ぎー」
待ち合わせの場所には長身の人物が立っていた。
神条 誠一
は白いジャケットに黒いシャツを着て、色褪せたヴィンテージのようなズボンを穿いていた。特に何をしているわけでもない。片足を少し前に出して立ち、両手をズボンのポケットに突っ込んで、時に癖のある髪の毛に手をやった。通り掛かる女性の視線をそれとなく集めていた。
そのような場面に足を踏み入れるには勇気がいる。羽衣は深呼吸をして気持ちを落ち着けて、爽やかな笑顔を心掛けた。
「お、遅れちゃってごめんねー」
「早く店に行こうぜ」
「でも、こんなにお店があると迷っちゃうよね」
誠一は羽衣を見下ろして即答した。
「迷わねーよ。羽衣も運動部だろ。ならスポーツ用品店だよな! 手頃にパーッと使えるし」
「うん、そうかも」
誠一と羽衣は横に並んで歩いた。身長にかなりの差があるものの、その位置関係が崩れることはなかった。
歩いている間に誠一のさり気ない心遣いを感じて、羽衣の硬い表情が少し解れた。
「お、ここだよ、ここ」
誠一は指差した先に駆け出した。羽衣も小走りでショーウインドウを覗き込む。真新しいテニスのラケットやゴルフクラブが置いてあった。各種シューズにバスケットボール等も飾られていた。
「へー、いろいろあるんだね」
「まーなー。俺はバッシュを買うつもりなんだけど、羽衣は何が欲しいんだ? なんでも言ってくれよな」
「あのぉ、本当にいいの? おごってもらっちゃって」
「オーガフェスの時にも言っただろ。羽衣のおかげで三万円の商品券を貰えたんだ。それに約束は守らないとな」
誠一の言葉に羽衣は、ありがとう、としおらしく返した。
店に入ると誠一は宣言通り、靴のコーナーに素っ飛んでいった。
「本気だとあんなに速いんだー」
驚いて突っ立っていても始まらない。羽衣は誠一の言葉に甘えて店内を見て回る。
「えー、これがリストバンド?」
手触りの良いピンク色の生地には白い猫が描かれていた。手に取って、可愛いかもー、と口にしてすぐに棚に戻した。凝った細工の髪留めや新素材で作られた服に目を奪われ、その度に足早に離れた。
「あたしなんかが着飾っても――」
ダメダメ、と顔を振って気分を一掃。運動部らしく、女性用のシューズのコーナーに足を運んだ。端から順に見ていくと、一組のシューズに目が留まった。赤と黒が絶妙な配分でデザインされていた。
それは一目惚れに近い感覚であった。羽衣は即座に靴を手に取り、誠一の元に向かった。
「お、買う物は決まったのか、ってその靴かよ」
誠一の手には同じデザインの靴が握られていた。そのことに羽衣も、うっそー、と目を丸くして驚いた。
「まあー、趣味が同じってことでいいか」
羽衣の靴を受け取った誠一は商品券で支払いを済ませた。別々の紙袋に入れて貰い、荷物持ちを進んで引き受けた。
二人で店を出る直前に誠一は自然に口にした。
「この靴を羽衣と一緒に履いて歩いたら、あれか、ペアルックとかになるのかな」
「ペペペ、ペアルック! そんな、たぶん、言わないんじゃないかな、ぺ、ペアルックなんて」
「羽衣の下だけ地面が揺れてんのか。ちょっとは落ち着けよ」
誠一はにこやかな顔で羽衣の背中をポンと叩いた。
その後、二人はぶらぶらと周辺を歩いた。移動販売のクレープ屋では軽く腹を満たし、海を望めるベンチでは腰掛けてお互いの近況を語り合った。
最後に行き着いたのが大観覧車であった。最後の商品券を使って二人はゴンドラに乗り込んだ。向かい合って座ると、二人の片方の頬を夕陽がほんのりと染めた。
ゆったりとした時間の中で先に羽衣が声を掛けた。
「高いところで見る夕陽って綺麗だよね」
「ゆっくり眺めるのも悪くはないが、二人で空を飛んだ時のことは忘れられないぜ。刺激的で解放感があって、良かったよなー」
「それ、本当?」
「ウソじゃねーよ」
笑いながら返した。羽衣は夕陽に照らされた顔で口にした。
「誠一くんは本土から来たんだよね。寝子島のこと、どう思う? あたしはね、この島が大好き。面白い場所がいっぱいあるし、景色も綺麗」
羽衣は海を目にしながら、少しの躊躇いを見せつつも声にする。
「だから、誠一くんも好きになってくれたら嬉しいな」
「そうだなぁ、海は綺麗だよな。小さな島だけど何もないわけじゃないし、楽しいところだと思うよ、今も楽しんでるし」
誠一は少し前屈みになって視線を羽衣に合わせた。
「俺は好きだぜ」
真っ直ぐな視線に羽衣は瞳を潤ませ、急いで顔を横に向けた。
「あたしも好きだよ……」
言ったあと、この寝子島が、と小さな声で付け足した。
二人は夕陽に染められて、どちらも海を眺めていた。
ゴンドラが一周を回り終えた。係員の手によってドアが開かれる。羽衣は立ち上がる時にバランスを崩したが、誠一の手によって転倒は免れた。
二人は手を握った状態でゴンドラから降りた。そのままの姿で歩き出す。
「こんな風に歩くのも悪くないな」
誠一の呟きに羽衣は、こくりと頷いた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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