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二人だけの時間
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落神神社で休憩を取ったものの、すぐに足取りが重くなる。鮮やかな金髪は汗に塗れ、甘いマスクは疲労で歪む。
八十八旗 信彦
は大きめのリュックに押し潰されそうになっていた。
「ベガちへの愛の重さが俺を強くするぜ!」
独特な掛け声で鼓舞した。
先行していた
瑠璃条 ベガ
は金色のツインテールを弾ませて引き返してきた。信彦は無理に笑顔を作る。
「このくらいで俺の心は折れやしないさっ!」
「ぷしゅううううう☆」
ベガは信彦の七分丈から覗いた脛に虫除けスプレーを噴射した。自身にはショートパンツとサイハイソックスの間の太腿を狙う。
「これで虫はだいじょーぶ☆」
「そ、そうだな。これで俺もがんばれるぜ!」
ベガはくるりと回って、坂道を戻っていった。みーっけ、と適当な枯れ枝を見つけては小ぶりのリュックに収めた。
「……ベガち、スプレーでリュックは軽くならないんだよ」
汗まみれの顔で信彦は呟いた。ベガに向ける眼差しはどこまでも優しい。
「わーい、川だよー。彦にゃん、猫又川が見えたよ☆」
両手を振りながらベガが飛び跳ねた。ふっかああああつ、と信彦が斜面を物ともせずに走り出す。
猫又川は清涼な空気で二人を迎え入れた。
二人は川原の適当な日陰にリュックを置いた。
信彦は邪魔な石を取り除いた。出来た穴は土で埋めて踏み固める。
「ほぼ平らだな。簡易テーブルはここに置こう。あとは食材だな」
「今日は釣りをするんだよね☆」
ベガは後ろ手に組んで信彦に言い寄る。おう、と胸を叩いて見せた。
「俺のリュックにちゃんと入れてあるぜ。スルスルと伸びるタイプの釣り竿だ。餌はここで調達な」
「そっかー、なんか懐かしいなぁ。孤児院の『ネコホーム』にいた時、よく釣りでお腹を満たしたんだよねー」
ベガは小ぶりのリュックからスコップを取り出した。千切った新聞紙は縁を丸めて器に仕上げた。
「スコップで餌をザクザクだよー☆」
「餌取りはアウトドア派のワイルド系紳士の俺に任せな!」
言葉の勢いとは裏腹に信彦はベガに背中を向けた。着ていたベストのポケットから文庫サイズの本を取り出した。『アウトドアの達人』と書かれた題名の中身に目を落とす。
「石の下か」
片手に本を持った状態で信彦は手頃の石を裏返した。いないかー、と言って次の石に目をやった。
ベガは少し川から遠ざかって土の露出したところに目を向けた。うろうろと見て回り、この辺りかな、と適当なところでしゃがみ込む。
スコップで土を掘り返していくと大量のミミズを発見した。ベガの琥珀色の瞳が輝きを増す。
「大当たり―☆」
次々と摘まんでミミズを器に入れた。それを手に信彦の元に走った。
「彦にゃん、釣り竿を貸してちょーだいな☆」
「い、いいけど、早いなー」
本は素早くポケットの中に入れた。信彦は用意した釣り竿を両手に持ち、一方をベガに渡した。リールの付いていないシンプルな仕掛けであった。
「餌をこうやって付けてー、とっとと上流にぶん投げちゃいます♪」
ベガの手際の良さに信彦が驚いた顔をした。
「ベガち、虫が苦手だったんじゃないの?」
「またまたー、ミミズは虫じゃないよー」
「え、そうなの?」
「そうだよー、環形動物だから虫じゃないってー。お茶目な彦にゃん♪」
ベガは走り出し、とりゃー、と川の上流に向けて餌を投げ込んだ。
ミミズは動物? と呟いても答えは出ない。信彦は先程の本を開いて川釣りの投げ込みポイントを探した。
「一匹目ー♪」
ベガの声に信彦は本を取り落とした。
「え、俺は餌も付けてないんだけど」
「彦にゃん、魚を入れるもの持ってきてー」
呆ける間もなく、信彦は底の深い鍋を持って走った。墨で引いたような縞模様の魚が入れられた。
ベガは上機嫌で釣りを再開した。
「おー、久々なのに勘は鈍ってないねー♪」
その後は入れ食い状態。魚籠に見立てた鍋の中は釣り上げた魚で一杯になった。
「これくらいでいいよね」
「二人なら十分だな」
信彦の声にベガは笑顔で頷いた。早速、次の作業に取り掛かる。
目が離れた隙に信彦は切羽詰まった顔で本を開いた。獲った魚の処理の仕方を目にして、ちょっと早いか、と別の項目を当たる。目を左右に動かして、これだ、と指で押さえて頁に飛んだ。
間もなく自信に満ち溢れた顔となり、ベガに声を掛けた。
「川の料理なら石で作る釜戸だぜ! 腕力のいる作業だ。ベガち、俺のワイルドな魅力に惚れ直しても良いんだ……って、あっれー」
「ん、どうしたの?」
蹲ったベガはマッチを手に顔を向けた。手前には大小の石を組み合わせた手製の釜戸が完成していた。木の爆ぜるような音が聞こえてきた。
「もう少し待っててねー」
ベガは丸めた新聞紙を口に当てて弱く吹いた。上に被せた鉄網から薄い煙が立ち昇る。側に置いてあった鍋から魚を取り出して並べていった。
信彦は間近で見た。網の上に並べられた魚は波打ち、全てが竹串に刺してあった。目を凝らすとヒレには飾り塩まで見て取れた。
「ベガち、無双だな」
「そんなことないよー♪」
ベガは満面の笑みで信彦を見上げた。
「冗談抜きで、いいお嫁さんになれるぜ」
「……あたし、なれるかな」
ベガは儚い笑みを浮かべた。
信彦は黙って片膝を付いた。ベガの手を恭しく手に取り、手の甲に軽く唇を当てた。
「なれるに決まってんだろう」
「彦にゃん、大好きー☆」
抱き付かれた信彦は困ったような顔で笑った。
「シリアスな展開も、たまにはいいか!」
「いいもん、いいもーん」
ベガは甘えた声を出した。信彦は相手の背中に腕を回して微笑んだ。その姿勢で目がちらちらと下を窺う。煙の色が濃くなってきた。
「燃えてるんだけど」
「そうだよー、アツアツだもん♪」
ベガは強く抱き締めてきた。信彦は火に炙られる魚を悲しそうな目で見送った。まさに燃える展開であった。
その後、川原では様々な魚料理が振る舞われたことは言うまでもない。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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