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二人だけの時間
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空に高く昇った太陽の下、
桐野 正也
は赤いTシャツに黒い半ズボン姿で寝子ヶ浜海浜公園にいた。各関節を回しながら入り口付近に目をやる。
「早く着き過ぎたかな」
足を前後に大きく開いてアキレス腱を伸ばす。じんわりと額には汗が浮かび、苦しげな声が漏れた。
「テスト期間は部活がなかった、からな」
両手を腰に当てて上体を反らす。入念に行って今度は前屈に切り替えた。
「きりのん先輩、待たせてごめんなさい!」
赤い自転車を立ち漕ぎした
紅 双葉
が突っ込んできた。けたたましいブレーキ音の中、少し後輪を滑らせて止まった。数十センチ先にいた正也の片頬が微妙に強張る。
「……そんなことないって。俺が早過ぎただけで。それにしても双葉ちゃん、気合入ってるよな」
「そうですか?」
双葉は自転車から降りて自分の服装を赤い瞳で確認する。紺色のTシャツにベージュの短パン。長めの靴下は上着の色に合わせていた。スニーカーは白と赤が混じり合って紅白のような華やかさがあった。
「地味だと思うのですが。あ、わかりました! これですね!」
双葉は自転車の前かごのクーラーボックスを平手で何度も叩いた。
「確かにお弁当には気合が入っていますね! 品数はもちろんですが、栄養の面もしっかり考えています!」
「それは楽しみだな! 聞いただけで腹が減るぜー」
双葉は青いアンダーリムの眼鏡を指で正した。
「練習の後でごちそうしますよ」
「そうだな。今日はよろしく!」
日陰になっているところにクーラーボックスを置いて走り込みが始まった。
正也が勢いよく飛び出した。双葉は自転車で追走を開始。時にメガホンを使って前方に声を掛ける。
「きりのん先輩、いいペースですよー。このままの調子でいきましょう!」
「おう、わかった! 頼りにしてるぜ、双葉ちゃん!」
横手には海が見える。青い空にまで繋がっていた。正也は大きく腕を振り、少年のような溌剌とした笑顔で走った。
「きりのん先輩、少しペースが上がってます。だいじょうぶですかー」
「双葉ちゃんのおかげで絶好調だぜ!」
「私はサポートだから。先輩のがんばりのおかげですよ」
双葉の控え目な声を正也は聞き入った。
瞬間、視線を空に向けた。ろっこんの『思ったー』が発動して、ぼんやりと心の声が形になろうとしていた。
<双葉ちゃんってほんと、健気でかわいいよなぁ>
「どわあああああ!」
正也は走りながら両手で文字を掻き消した。
「急にどうしたんですか?」
「え、ああ、なんでもないよ! もう少し気合を入れてみようかなって」
双葉の目には入らなかったらしい。阻止したとは言え、正也の顔は真っ赤であった。
走る速度を故意に上げた。すぐに呼吸は荒くなる。私語は極端に減った。
正也は無心になれる速さで予定していた距離を走り切った。
二人は公園のクローバーが群生しているところに並んで座った。天然の絨毯の座り心地は上々らしく、柔らかいな、と正也は掌で感触を楽しんだ。
双葉はクーラーボックスからタオルとスポーツドリンクを取り出し、正也に差し出した。
「きりのん先輩、お疲れ様でした」
「ありがとな」
正也は受け取ったドリンクを飲みながらタオルで顔を拭く。その合間に双葉はお弁当の中身を確認した。自転車の影響を受けることなく、作った通りの形を維持していた。
「お待たせしました。お弁当にしましょう」
弁当箱を包んでいた布を先に広げて、その上に蓋を開けた状態の弁当箱を置いた。正也は身を乗り出して見入った。
「色が綺麗だなー」
「わかってくれますか! そうなのです。色彩には気を付けました。卵焼きの黄色にふわふわの唐揚げは同色に揃えました。ポテトサラダは白さをアピールして、レタスを器にしたプチトマトの鮮やかさを引き立てました。お肉も入れたかったのですが、見た目が茶色いので薄切りハムを半月にして可愛く丸めてみました。花の形のニンジンは唯一の煮物になりますね。かなりの汗を流すと思ったので、塩分を少し多めに入れてみました」
「双葉ちゃん、そろそろ食べさせて」
ぎこちない笑みで正也は言った。
「あ、話が長くなりました。これがお箸です。おにぎりは別にあるので」
「いただきます!」
その日、一番の気合いを見せた正也は手当たり次第におかずを口に突っ込んだ。うめー、を連発した。双葉はほんのりと赤らんだ顔でプチトマトを口に入れて、甘いです、と恥ずかしそうな声で言った。
飢餓の状態を脱すると、正也は神妙な顔付きになった。
「この前は、あれだ。失恋とかの話で愚痴っぽくなってごめんな」
「それを言ったら私も、いろいろとあってですね。ぶん投げてしまってごめんなさいでした!」
双葉は限界まで頭を下げた。土下座のような格好に正也は慌てて声を掛ける。
「貴重な体験をしたと思ってるぜ、俺は。こっちなんか未練タラタラで、ほんとダメな先輩だよな」
上体を起こした双葉が視線を下げて言った。
「……きりのん先輩にそんなに想われてる、お姉ちゃんが羨ましいです」
「そうかな」
正也の照れ笑いは途中で凍り付いた。驚いた目を双葉に向ける。
「俺が名前を言ったのか?!」
「あ、えっと、どうかなー」
「それに羨ましいって、それはつまり」
「お、お弁当は、もももう、いいのですか。ま、まだ、ありますよ」
「お、おう、そーだよな! 弁当をガツガツ食べるぜ!」
表情は限界を超えていた。遠くの世界を見るような目で挑んだ。遂に全てを平らげた。
「限界だー」
その場で正也は仰向けに倒れ込んだ。
双葉は夜逃げをするかのような速さで片付けて自転車に跨る。
「そ、それではこれで失礼しましたのでしたのでした」
赤い髪と同様の顔色で自転車は埃を舞い上げて走り去った。
「まるで赤い火の玉だな」
正也は寝転がった状態で口にした。ふと胸の上に掌を置いてみる。
「なんでドキドキしてんだ?」
正也は起き上がった。腹部を手で摩ってみる。
「走って帰るか」
軽く流す形で走り出す。
<俺は双葉ちゃんと恋人になれるのかな>
宙に浮かぶ本音と共に正也は帰っていった。
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2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月02日
参加申し込みの期限
2014年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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