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はや瀬のぞめき
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【あらいぐまのお菓子屋さん】
今日の仕事は猫探しだ。
昨日の仕事も猫探しだ。
一昨日の仕事も──……
芽守 健作
は疲れていた。
限界まで脳を使った時の達成感も無いライトなお仕事に日々追われ、かといって依頼である以上、完全に手を抜く訳にも当然行かず。
「ああ、今日も疲れましたね。……まあ、猫を相手に根を詰めても仕方がありませんし。
ここは少し休みますか」
足を運んだ先は、洋菓子店『Raton』──寝子島高校の同級生が店を経営しているお菓子屋だ。
大きめの四角い黒ぶちの眼鏡を掛けて、手帖にメモを常取り続ける『黒川探偵事務所に勤務する、助手という名の事務員、兼応接担当、兼調査員、兼その他諸々処理係』(全て彼の肩書きである)健作ではあったが、その実、本人は大のスイーツ好きであった。
「さて、新作のケーキはあるかな? うん、ケーキのラインアップも夏本番て感じだね」
──長々と語るより、この一言だけで充分であった位には。
「景貴、お勧めはドレだろう?」
厨房の奥でてんやわんやになっている、オーナー兼店長の寝子島高校の同級生、
荒井 景貴
に聞いてみる──が、反応がない。
「……って、忙し過ぎて聞いてないな」
再度、声を再度掛けるのも悪いと思い、カウンターと隣で並ぶ美味しそうなケーキの並ぶ棚を眺めながら気付いてもらえるのを待つ事にした。
「ああ、やっと来た」
「健作。呼んでくれて良かったのに」
「呼んだけど、返事がなかったからね」
「ごめんごめん。
…ごめん、健作。時間あったらでいいんだけど、手伝ってくれない?」
言い出しづらそうに、景貴は両手を合わせて拝むように健作を見つめる。
そんなに忙しいのかと思って、店内を見直そうとして。
気がつけば、自分がいたレジ前は、既に入ろうとする観光客と会計を済ませようとする観光客で、ごった返していた。
「バイトの子、休みなのか。
確かに一人じゃキツそうだね」
ん、と無言で手を差し出す健作。
「手伝うからエプロン貸せ」と言う、言葉無き最大の省略形であったが、景貴はそれを当然のように受け止めて、エプロンを持ってきてその手に乗せる。
エプロンと帽子にアライグマの刺繍が入った一式に、客としては見慣れているはずの健作も自分が身につけるのかと思えば思わず顔を引きつらせた。
「……ケーキ二つに、美味しいコーヒーもつけて貰おうかな」
瞑目して、思わず代価請求を試みる。
「そんな二つだなんて言わずに。
終わったら好きなだけケーキを奢るから。よろしくね」
そんな健作に景貴はにこりと笑った。手段も報酬も選ばない。その笑みからは、今このお店が余程の修羅場である事が伺えた。
しかし健作には、そんな中でも、景貴がレジを打つ際に、お土産ににくきゅう型マカロンを観光客に一緒におまけしていたのがとても印象的だった。
「こんにちはー。
今日は……うわ、混んでる……」
その声から、景貴はハッとお店にいつも遊びに来ている従妹の
宮島 メグ
の姿に目を留めた。
メグは、今日は観光客がたくさん来ている事に気がついた。
観光の休憩にと、このお店を選ぶ事は充分に考えられたメグは、心配になってお店の様子を見に来たのだ。
「あ、メグちゃん! …来て早々で悪いんだけど、お店の方手伝える?」
メグの思惑を聞く前に、景貴が手伝いを頼む。
これはもう、常連の同級生や従妹だから出来る荒業だ。手段は選んでいられない。
「おてつだい? わかった~……!」
メグはその切迫感に負けて、二つ返事でオーケーした。景貴はバイトの子と同じ制服を手渡し、バイトの子達が使っている更衣室に案内する。
「お仕事終わったら、みんなでティータイムしたいねー」
制服を受け取りながら言うメグに景貴は笑顔で答えた。
「うん、仕事が終わったら3人でお茶にしよう。いちごのお菓子もとっておくね」
「ほんと~……? かげちゃんのお菓子おいしいからうれしい」
満面の笑みを浮かべてうっとりするメグ。
「あの赤くてかわいいのがいいな~」
「きちんと皆の分のお菓子は取り分けておくから」
「あとでいっしょにお茶しようね~…約束だよ?」
そう言うと、メグは制服を両手に更衣室へと急いで足を向けた。
お店は店員にとっては正に修羅場の様相だった。
「お待たせいたしました。
次のお客様どうぞ~」
と、会計作業をしている最中から、後の客がうろうろして、そこから後ろの列が2列になってしまっている。
レジはもちろん一つしかない。
「(かげちゃんのお客さんだもんなぁ…)」
厨房で頑張っている従兄を思うと、決して無碍に扱うわけにも行かない。
「お客様……申し訳ございません、一列にお並びくださいね~」
必死になって、わたふたしながら店内を駆け巡るメグ。
するとその中で、側に椅子があるにも拘らず、わざわざ床に座って飲み物を飲んでいる客がいた。
流石に同じ観光客からも好奇の目で見られていたが、その若者はだらしなく座っては、禁煙席の真っ只中で、自分用の灰皿まで床に置いて、椅子を背もたれに煙草まで吸っていた。
「疲れちゃいましたか…?えっと…ちかくに座っていてもよさそうな木陰とか、あと、店内に喫茶店スペースもあるんですよ~」
メグは恐る恐るあくまで丁寧に対応するが、相手ははまるで聞く耳を持たない。
「(困ったなぁー……)」
「メグさん、こっち」
健作がメグを呼ぶ。
その客から離れたところから、ひそひそと話を始めた。
「あっちのお客は僕が対応しますね。ついでにそれを止めないあのテーブルの方々もちょっと、騒ぎ過ぎなようですし」
「あ……ありがとうございます。めもめもさん」
「いくらメモしてる姿ばかり見ているからって、めもめもさんはやめてもらえませんか……?」
「え? でも、めもめもさんはめもめもさんだよー。可愛いし」
「……行って来ます。注文取りお願いします」
それからの健作の手際は早いの一言に尽きた。
「お客様、ここは禁煙なのですが……」
という、洒落た洋菓子店に似合う笑顔と共に、差し障りの無い言葉から始まり。
最後には相手だけに聞こえる声で2、3程、言葉を告知したところ、
「お、オレ先に出てますからっ!! 金はもちろんオレ持ちっすよ!
はは…っ、は、はは……ッ!」
男は健作の言葉に突然、引きつった笑みを浮かべ。
仲間と思われるテーブルの人を置いてきぼりに、伝票だけ引っ掴んでカウンターの方へ走っていった。
他のテーブルの問題の無い観光客はほっとしたような安堵の息をつく。
当事者のテーブルでは何が起こったのか分からないまま、男が飛び出した出口の方を見つめていた。
流石に同行者の挙動が心配になったのだろう。そのまま居座る気にもならなかったのか、同じテーブルの客はコソコソと静かに店を出て行った。
「これで、店は静かになりましたね」
「めもめもさん、何やったのー?」
若干の不安を交えてメグが聞く。
「大丈夫です。店の評判が落ちるような事は一切やっていません。さあ、仕事に戻りましょ──」
「ねぇ、めもめもさん」
「お客さんの前でめもめもさんはやめてください。何ですか?」
「……似合ってますよ~」
ほわっとした笑顔で、メグが見つめる。
見つめているのは──洋菓子店『Raton』のモチーフであるアライグマの刺繍が入った、帽子とエプロン。
指摘されて初めて気付く恥ずかしさに、健作は照れ隠しをするように顔をそむけた。
「さて、仕事に戻りましょう。これからもっと忙しくなるんですから」
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月08日
参加申し込みの期限
2014年04月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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