this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
はや瀬のぞめき
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
23
つぎへ >>
【くまさんとおうまさん】
「ほらっ、やっぱり降りる駅が違ってたのよー!
『寝子島駅』そのままじゃなくて、『ほ・し・が・お・か!』──星ヶ丘って所に行かなきゃいけなかったんじゃない!!」
伊織 源一
は、実家のレトロな接骨院の前を箒で掃き清めようとして、表に出てきたところ、その現場を目撃した。
どうやらこの観光客達は気持ちが逸るあまり、本来の目的地である星ヶ丘駅の手前、本土から一番近い、名前もそのままの『寝子島駅』へ下車してしまった様だった。
「歩けば着くかと思ったけれども、もうここがどこかも分からないじゃない!」
「まあまあ、旅行はそんなキリキリするものじゃないぞ。
──まあ、見ろ。この建物の古い奥ゆかしさはなかなかのものだぞ」
観光客の女性がヒステリックなのに対し、その旦那は危機感も無く。
荷物持ちをさせられてたのであろう、大量のリュックの中からカメラを取り出し、その接骨院の門構えをぱしゃりと写真に収めた。
「確かに、ここまでレトロですと感銘を受ける気持ちは分かりますけれども……!」
「………あの」
源一が声を掛けると、今まで全く気付かれていなかったのか観光客が一気に驚きに飛び跳ねるようにこちらを見た。
「く、熊が──!!」
「……………」
向こうも冗談で言っている訳ではないのが伝わってくるが、そうは言われても硬派で真面目一辺倒の源一には『軽く流す』というスキルは存在していなかった。
その為、この上なくリアクションに困り、思わず俯いては「自分は熊に見えるのだろうか」と真剣に考えてしまう。
もちろん、ここでの『熊』発言は、セレブレティ溢れる女性から見た場合であるが。
「ああ、家内が申し訳ありませんね。人様に向かって熊だなんて……」
「いえ……観光客の方、ですか……?」
「はい。寝子島には馬が見られると聞いていて、そちらに向かっていたのですが迷ってしまって。
小さな島だと聞いていたので、散歩代わりに歩いて向かおうとしたら完全に道に迷ってしまい……」
「……案内、しましょうか?」
「えっ、いいんですか?」
「あなた、熊よっ、クマ! こんなクマみたいな形相をしたのを簡単に信用していいと思っているのっ?」
「こらっ、失礼な事を言うんじゃない! ……失礼しました。
実は妻がホースクラブに行きたいと申しておりまして」
ホースクラブ──それならば確かに星ヶ丘だ。
「それなら、一度駅かバスに、乗る必要があるかと。
道中にも……観光名所があちこちにありますから、案内します」
そう告げると、源一は家の中のいた同居している祖父へ『観光客案内の為』と断りを入れ、婦人とその夫を連れ立って家を出た。
見た目よりも遥かに歩く足の速い源一は、途中、歩きながら観光客に合わせて気付かれないように歩みの速度を落としながら歩いていった。
気付かれない心遣いをしながら歩く。気付かれては逆に申し訳ない様な気がするからだ。
「この近くに……『杜の湯』という温泉があって、足湯もあります。
長旅でしたら、寄って行きましょうか」
「まあっ、素敵! い、いえっ…、クマの言う事をやすやすと聞くものではありませんわね……っ!」
源一をクマと言って警戒心を解かない観光客の妻。
「まあまあ、北海道から来たんだし、これから足の疲れも出るかも知れない。
これからの観光で疲れたら元も子もないし、リフレッシュ出来たら最高だろう?
すみません、くまさ……済みません、うつってしまった。
杜の湯の足湯は効きますかねぇ」
「うちの、接骨院でも薦めています。……良い湯、かと」
「接骨院の先生でしたか、道理でその貫禄──」
「い、いえ……まだ……高校生で……進路も……」
観光客は、身長208cm、体重172kgの巨漢を見上げて言葉を無くした。
足湯は予想以上に好評だった。
観光客の2人は余程疲れが溜まっていたらしい。
口下手な源一であったが、夫が源一をいたく気に入ったらしく、是非ホースクラブまで直接案内して欲しいと頼み込んだ。
お金まで出そうとするのを、源一は何とか押し留めて、珍しく星ヶ丘まで足を伸ばし、星ヶ丘ホースクラブまでやって来た。
入り口で辺りを見渡していると、遠くから1匹の柴犬が小走りに寄ってきた。
「あら、可愛いわねぇ」
見ると、首元には『ようこそ』と看板が掛かっている。
柴犬はそれを誇らしげに見せんばかりに胸を張った。
「カーキー。お客さんか?」
カーキーと呼ばれた柴犬が声のした方へ走っていく。少し残念そうにした婦人の前に現れたのは、
八神 修
だった。
「馬に乗れると聞いて来たんだが……」
「どうぞ、中に入ってください。……あれ?」
観光客の2人を案内しながら、修は立ち止まっている源一に目を向けた。
その姿を見て、寝子島高校の2年生である事が分かる。
一度、学校内でこんな巨躯を見れば、なかなか忘れるものではない。
体重172kgの事情により、源一は乗れない代わりに、馬に触らせてもらう事が出来た。
馬という生き物はは、源一の想像通りのものだった。
その目は柔らかく身体はしなやかで、明らかに自分とは違う生き物なのだと実感させられる。
その傍らで、修が馬に乗る為のヘルメットを観光客に配っていた。
「ヘルメットを被らなきゃいけないのね」
「ええ。危険なことは何もありませんが……万が一、落馬してしまった際に頭を打つのを防がなければいけませんから」
他にも集まっている観光客に修は一つ一つ丁寧に説明していく。
彼は星ヶ丘ホースクラブの窓口担当者である。
説明がメインとはいえ、窓口担当者まで借り出されるのだから、今は余程観光による来客が多いという事なのだろう。
「まず、馬は繊細で臆病な生き物です。乗るには心を通じ合わせる事が不可欠ですから──」
──と言っているそばから。早速、喋りあって修の話を聴かない客がいる。
ひたすらに喋って、機械特有のシャッター音も嫌がる馬もいる中、携帯を馬の方へ向けようとして──
シャッターより先に響いた、それらの客に向けての犬の鳴き声。
それに気付いた修が冷静に注意を入れた。
「ありがとう、カーキー」
修は他の人には聞こえない様に小さな声で柴犬のカーキーに礼を告げた。
「馬は本来地面に生えている草を食べる為、引き寄せて齧る力が強力です。
その為、にんじんをあげる時は自分の指を齧られないようにしてください」
と、修がバケツから持ってきたにんじんを馬に差し出し、手本を観光客に見せる。
「馬はデリケートですから、間違っても乱暴に撫でないように……!」
そして、優しく撫でてあげてくださいと口にしたそばから、動物に触る恐れなどないとばかりにぐわしぐわし撫でる観光客に慌てて注意を入れる。
先程から、そんな事ばかりが続き、若干観光客嫌いに陥りかけた修に、修が預けている馬のラファールが鼻先を軽く擦り付けた。
「ラファール……」
飼い馬に癒しを貰い、気合を入れなおす修。
今度は同じ時間で集まった観光客を一人一人順番に乗せて、手綱を引いて馬場を歩く。
馬上から楽しそうな観光客の声が聞こえてくる。楽しんでもらえているみたいで良かったと修は心から思った。
しかし、
「向こうのみたいにおうまさんに一人で乗ってみたーい!」
一人の子供の声を皮切りに、複数から上がる観光客のその発言には修も困った様子を隠せなかった。
柵の向こうは、本格的な教室で初心者と言っても完全な経験者だ。だから問題なく一人で乗れる。
しかし、こちらは安全の為にもそうはいかないのが現状だ。
「………………」
しばらく思案して、考えを纏める。
相手が子供限定なら、修の前に乗せて一緒に手綱を握る形なら何とかなるかもしれない。
「ラファール。お願いできるかい?」
修の愛馬は言葉が理解出来るかのように、小さく鼻音を鳴らして修へと頭をすり寄せた。
危険は少ない。分かっているが修の方が緊張してしまう。
しかし、手前から子供達の明るいはしゃぎ声を聞いた時、修は心から安堵した。
乗馬の時間が終わり、源一は最初の観光客の夫婦がより星ヶ丘方面へ行くと知り、そこで別れる事に決めた。
「やあ、今日は案内してくれてありがとう」
「こんなにいい子だったなら最初に言ってくれれば良かったのに!
クマとか呼んじゃってごめんなさいね、本当に」
かなりの無茶を要求された気もするが、最初の誤解も解けたようだ。
源一は、そこはかとなく心を温かくしながら、観光客の夫婦に別れを告げた。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
23
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
はや瀬のぞめき
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
湖水映
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月08日
参加申し込みの期限
2014年04月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!