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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~入れ替わりの日
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【
聖籠 あゆか
の場合】
光。
光が明るく降り注ぎ、全てを照らし出すからこそ、影は生まれ落ち、存在することができるのです。
影。
影は闇。闇があるからこそ、人は光に昂ぶった心を落ち着かせ、眠ることができるのです。
夢の中、ぼんやりとして、自分の身体が自分のものでないような、どうにももどかしい、一生懸命に手足をかいても、ちっとも前へは進まない、あの感覚。
目覚めのまどろみの中、あゆかは、どこか夢の続きのような……そんな感覚に身を委ねることが、良くありました。光の遮断された部屋。朝と夜、曖昧な境目をまたいで、行ったりきたり。
けれど。その日の夢は、どこか、何かが違っていました。
「さあっ、朝だよ! せっかくのチャンスだもの。思う存分、光の下で、自由を満喫させてもらわないとね!」
(……!? 何……?)
あゆかは……いえ。あゆかの身体を動かしている何かは、跳ねるように寝床から飛び起きると、ご機嫌な様子で身支度を始めます。鼻歌すら口ずさみながら、カーテンを思い切り引いて開くと、差し込む朝の日の光。
(い、いや! 光は……光は、ダメ!)
目に飛び込んでくる強い陽光に、混乱をきたしたあゆかは、ひどく動揺し、ぎゅっと目を閉じようとします……が。まぶたを下ろすどころか。身体は、ぴくりとも動きません。
あゆかは、気づきました。
光を拒絶する、自身の身体。いつもなら、こんなふうに日の光を真っ直ぐに浴びたら、たちまちパニックに陥り、身体はがくがくと震え出してしまうはずなのに。
目の前に見上げる自分は、気持ち良さそうに太陽の光を全身で浴びながら、ひとつ伸びをすると。エプロンを身に付け、意気揚々と店へ出るのです。
チョコレートとキャンディのお店、『Magique Raisin』には、その日、いつになく多くのお客が訪れていました。
差し込む陽光、明るい店内。輝くような、店主の笑顔。あゆかの影は、まぶしいほどの笑顔で立ち振る舞い、接客に忙しくしています。
午前中、普段の倍近くのお客に応対した後、影は、軽やかな足取りで外へと出かけます。
(こんな昼間から……外はダメ、光は、ダメなのに……っ)
にこにこと微笑みながら。ゆっくり、たっぷりの光を浴びながら歩き。見かけたカフェのオープンテラスで、優雅なランチのひと時。
戻ると、午後は早めにお店を閉めて、街へショッピングに出かけます。
繁華街の店先、雑貨店に並ぶ可愛らしい小物たち、ウィンドーの向こうの綺麗な服、お店でも使えそうなティーセットに、惣菜屋さんから届くいい匂いに。それらの一つ一つを、影は、楽しそうに眺めていくのです。
(……なのに。私は)
そんな、生き生きとした、自分の表情。
そんな顔ができるのだと。あゆか自身も、知らなかったのです。
やがて、日は沈み。周囲が闇に閉ざされていくにつれ、影は次第に、落ち込んでいくように見えました。
「……私は、ずっと、外に出たかった。太陽の下を、歩きたかった。自由に。誰にも邪魔されず……」
遠ざかる光、代わりに、あゆかの胸へと満ちていくのは、ほっとする安堵感。
影が昼の街中を歩き回っている間、あゆかはずっと、どうにかなりそうな混乱の中にいたのです。きっと、もし身体が動いていたら、私はひどく暴れ回っていたのだろう。それほどの恐れに、あゆかは苛まれていたのです。
光におびえる自分。闇に安堵する自分。
(私だって……)
日が変わり、身体の自由が戻っても。あゆかの心に、光が差すことはありませんでした。
(……私だって……そう、望んだわけじゃ、ないよ……)
【
五十士 柊斗
の場合】
「……何、その目。バカにしてるのかい?」
どんっ、と強く肩を突くと、相手はおびえた様子で後ずさります。
見も知らない誰か。たまたま目が合っただけの、通りすがりの男。訳も分からず、ひたすらにまばたきを繰り返すのみの男に、柊斗はひとつ舌打ちすると。肩をぶつけて乱暴に押し退け、ポケットに両手を突っ込み、歩み去っていきます。
胸に渦巻く、抑えきれない、湧き出すように溢れ出す、荒々しくどす黒い感情。
それは、常から穏やかで、物腰柔らかな柊斗にとって……ひどく、近しく感じられるものでした。
遠く、過ぎ去った過去。忘れられないあの日の、針で胸を突かれるような心の痛み、背を這い登る冷たい恐怖。
妹を、傷付けた日。
故意では無かったように思います。感情の赴くまま、無謀な行いが、不幸にも引き起こしたこと。けれど。
その時から、抑えつけてきたのです。抑圧してきたのです。己の感情を。あふれ出してしまえば、また傷付けてしまうから。誰よりも、何よりも大切な人を。
だから、柊斗は歯を食い縛り、ずくん、ずくんと胸を焦がすような衝動を、必死に両手で押さえつけ。抗い、耐え続けているのです。
それを……この、影は。
授業もサボり、影は、街をさまよい歩きます。
目的など無く。戯れに、店先の立て看板を蹴倒し。通行人を睨みつけ、唾を吐き。絶えず口をついて漏れ出ていく、聞きがたい言葉。
ひたすらに、触れれば焼けるような熱を振り撒きながら。影は、歩き続けます。
柊斗は思います。ああ。こんな自分を見たら。また、妹を怖がらせてしまう。傷付けてしまう。
見上げるのは、思うさま己を解放する、醜い自分では無く。その向こうに広がる、青い、青い空。
全て、溶けてしまえばいいのに。あの空に、何もかも、溶けてしまえばいいのに。
垂直の高い壁を、影は歩き、登っていきます。柊斗の望みが伝わったのか。それとも、ただの気まぐれか。
それとも、結局のところ、影は柊斗の心、その奥底に押し込めた願望を反映しているだけの、鏡写しの自分なのか。
分からないままに……影は、柊斗のろっこんを操り、空へと近づいていきます。
ビル風にはためく服、流れる髪の金色。どこまでも広がっていく、包み込むように満ち満ちる、青い、青い空。
やがて、たどり着いた屋上で。影は、掴んだ金網ごしに、眼下を眺めます。
「……だったら。全部」
ぽつり。風に紛れて、消えていくつぶやき。
「全部、捨ててしまえばいい。無くなってしまえばいい。そうすれば……」
そうすれば、あの子は。
金網をよじ登り、乗り越えると、影は、屋上の縁に立ちます。
強い風にあおられ揺れる身体、頼りなげな足元。吸い込まれそうな人の波、車の流れ。
目を閉じ。一歩を踏み出すと。
ゆっくりと……ゆっくりと。影は、空を、落ちていきました。
柊斗は思うのです。自分は正しかったと。
影が教えてくれたのは、一つの未来。いつか来る未来。忌避すべき未来。
この感情を、溢れさせてはならないのだと。自制が自身の心を、そして、あの子の未来を守るのだと。
(…………ああ)
徐々に、ゆっくりと近づいてくる、アスファルトの地面を眺めながら。柊斗は、少し、微笑みました。
(目が覚めたら。今日も、お気に入りの空を、見に行こう)
「……んふふ」
どこか不安をあおるような、奇怪な曲が流れ出し。番組は、間もなくここに、ひとまずの終幕を迎えます。
深夜のシーサイドタウン。未だあちこちに灯る、まぶしい街の明かり。道端の電気店、店先に置かれたテレビの画面の中。スローモーションで落下していく柊斗の姿を、
胡乱路 秘子
は、目を細めて眺めています。
かち。こち。かち。
ちろりと舌を覗かせ、彼女は振り返ると、
「一説によれば、入れ替わりを自覚できる人間は、ほんの一握りなのだといいます。今夜、ご紹介した人々の顛末は、あくまで、ごく稀な事例に過ぎないのです」
かち。こち。かち。
「ある朝、目覚めたら。あなたの親しい友人や家族が、あなたを、まるで不思議なものを見るような目で、じっと見つめることがあるかも知れません。そんな時は、もしかしたら……んふふ!」
そう言って秘子は、にんまり。怪しい笑みを浮かべます。
かち。こち。かち。時計の針が、かちこち、回って。
やがて、かちり。
駅前に、0時を告げる鐘が鳴り響くと。
「…………ちょーダルイし」
秘子は、眉間にしわが寄るほどの勢いで眉尻を下げると、不機嫌を隠そうともせず、ひとつ舌打ち。
「こんな陰気な番組の司会なんて、やってらんないし。ちょーダルイし。帰って寝るし」
吐き捨てるように言うと、振り返りもせず。大またでのしのし、夜の街へと消えていきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
お疲れさまでした! 『ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~入れ替わりの日』のリアクションをお届けいたします。
第二夜となりました当番組、いかがでしたでしょうか?
光と影、男性と女性、親と子……なんて、けっこう普遍的なテーマでもある入れ替わりですが、今回は、影と入れ替わっていただきました。
楽しく明るく、自由を謳歌する影。だれかれ構わず傷付けてしまうような、恐ろしい影。本体の心を反映した、鏡写しのような影。色んな影がありましたね~。
今回も、楽しく執筆させていただきました!
それでは皆様、ご参加ありがとうございましたっ。
また次の放送でお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月04日
参加申し込みの期限
2014年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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