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ミッドナイト・フリーキー・ショウ! ~入れ替わりの日
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【
花菱 朱音
の場合】
私は、何になりたかったのだろう。
考えてみても、朱音には、分からないのです。
「ねえねえ、知ってる? 友達の友達から、聞いた話なんだけどね?」
「えーなになに、都市子さん、新しい都市伝説の話!?」
「おー、聞かせてくれよ、都市子さん!」
食い入るように、目を輝かせながら、話に聞き入る友人たち。
彼らを前に、身振り手振りを交えて、熱っぽく……実に魅力的な語り口で、ぐいぐいと聞く者を引き込んでいく、朱音。
(私じゃない……私。都市伝説を語る、私)
それを、手持ち無沙汰に見上げている、自分。
朱音の影は、あちらこちらを巡り、語り歩きます。学校に現れる幽霊の話を。道端でふいに襲い掛かる、奇怪な怪物のことを。常人には及びも付かない政府の陰謀について語り、ひとりでに動き出す不気味な人形について語り。ある有名人の死について、恐るべき真相を語って聞かせるのです。
彼女の話を耳にする者は、誰しもが夢中になり、熱中し。のめり込むように聞き入ります。
(あ……こんな人の話。聞いたことあるかも)
不思議な高揚感に包まれながら、朱音が思い浮かべるのは、いつか親類から聞かされた、一つの都市伝説。
それは、人々に不可思議な話を語り聞かせては去ってゆく、『都市伝説の語り手』という都市伝説。噂、怪談、都市伝説、そんな不可解で不条理で、魅力的なお話の数々を愛するあまり、その人は、自らが都市伝説になってしまったのだと言うのです。
(それに、私も、なってしまったってこと? それって、すごいことなんじゃない……!?)
そんな考えに思い至ったとき、朱音は、心にかつてない昂ぶりを覚えました。憧れの都市伝説。大好きな都市伝説。それに認められて、自ら仲間入りを果たした自分。
そう、新しい都市伝説……『都市子さん』。
そこに、
花菱 朱音
という名前は、含まれてはいないのかも知れません。けれどそんなことは、彼女にとってはもう、瑣末なことに過ぎないのです。
『都市子さん』の存在は、語り継がれていくのですから。ずっとずっと、永遠に。
不可思議な神秘や怪異を愛する朱音には、それはそれは、幸せなことに思えました。
「……ねえ。知ってる? こんな、都市伝説のお話……」
(……っ)
けれど。
熱に浮かされる彼女の脳裏に、ふっと、現れる顔がありました。
出会ったのは、最近のこと。とある都市伝説の噂を調べるため、行動を共にしたのがきっかけでした。他愛の無い、ごく普通のやり取り、でも何だか、それが嬉しくて。楽しくて。暖かかったのです。
見上げた先、悦に入った表情で語る影の姿が、自分の中の思い出に追いやられていき。
朱音は、初めて、気づいたのです。自覚したのです。
(ああ……私。私は、この人に……)
恋を、している。
(……そうだ。私はまだ、都市伝説なんかにならない……なりたくない!)
心に、強く願います。
都市伝説は、好きです。長年追い求め続けるそれは、朱音にとってかけがえの無いファクターであることに、何ら変わりはありません。
それでも。想いは、どうやら、捨てられないようなのです。
(私はまだ、しばらくは、この恋に生きてみたいの。命短し恋せよ乙女、ってね! 影なんかに、負けないんだから!)
『都市子さん』の都市伝説が、人々の中へと浸透していくのは、まだしばし、先のことになりそうです。
【
斑鳩 遙
の場合】
暗い部屋の中。マンションの一室。流れるような、ピアノの音色が響いています。
短い音節を、激しく、波打つように。時に軽やかに、時に重々しく繰り返す。美しい、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ。
友人の好きだった曲。この部屋で、良く、聞かせてくれたものでした。
形見のピアノ。今は亡き、友人の。
鍵盤の上を、撫でるように滑る指。
著名なピアニストだった友人は、かつて、言ったものです。お前は弾けなくてもいい。自分が聞かせてやるから、と。
遙は、ピアノが弾けません。
(影……か)
状況に際して、遙は、実に冷静でした。かつて友人の住んだ部屋、その床へへばりつくように、弾けないピアノを弾く自分自身の姿を見上げている、不可解な事態。遙はそれを、冷め切った頭で見つめています。
焦ったところで仕方ない、滅多に経験できることでもなく、せっかくだ、観察させてもらおうじゃないか。そんなふうに考えたのは、彼の研究者という肩書き、その論理思考によるものだったのかもしれません。
ピアノの音に、耳を傾けます。
達者な指さばき。響きは美しく。けれど、どこか物足りないような。情緒に欠け、正確に過ぎる、まるでメトロノームの刻むリズムのような、それ。
(いや……待て。待て……)
やがて、遙の思考は、深遠へと潜り始めます。
閃いたのは、一つの可能性。
(そう。入れ替わりの日だ)
一生に一度、影と自分が、入れ替わってしまう日があるのだと。遙は以前、そんな突拍子も無い学説に則った珍奇な論文を、見かけたことがありました。
(今、その実存は、こうして証明された。ならば……あいつにも。同じことが起こらなかったと、なぜ言える?)
入れ替わりの日。影が、本体の意思に反して、勝手に動き出してしまう。多くの事例では、影は得てして、本体と相反する言動を行うものなのだと言います。
だとすれば。
(あの日。あいつが自ら命を絶った、あの日。影と、入れ替わっていたのだとしたら? 命を絶ったのは、あいつじゃなく、影だったのだとしたら? 動機も何もなく、ただ、命を絶ったのだとしたら……)
遙の思考は、より深く、虚と実の狭間を揺れながら、ずぶずぶと沈みこんでいきます。
(自殺したのは、影? いや、あいつは、影に殺された? じゃあ……じゃあ)
響き渡るピアノの音色。友人の好きだった曲。彼はもういない。ベートヴェン。形見のピアノ。かつてここに住んでいた。
鍵盤の上を、撫でるように滑る指。
(お前は……誰だ?)
奏でる曲は、ピアノ・ソナタ。友人の好きだった。もういない。ベートヴェン。形見のピアノ。かつてここに住んでいた。
(俺の影が、あいつなのか? 俺はあいつの、影なのか?)
ピアノ。友人。形見の。ベートーヴェン。ここに。
(俺が……俺が、あいつを、殺したのか?)
「……時任……」
ざあざあと、浴槽に湯を張る音。ピアノ・ソナタは、もう聞こえません。
やがて湯船がいっぱいになると、服を着たまま、静かに浸かり。
溢れた湯が、排水溝へ流れ込んでいき。
次第に、赤く……バスルームを染めていきます。
濡れた剃刀が手を離れ、床へと落ちて、からん、からから。
(……まるで、心中……だな)
けれど。
(これが、お前の望みなんだろう……? なあ、時任……?)
どこか、すがるような、その問いに。答えてくれる者など、どこにもいないのです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月04日
参加申し込みの期限
2014年04月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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