this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
<CI@SP>Evergreen≒Deciduous
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
20
つぎへ >>
黒子たちが駐車場に向かうと、丁度渚がなつめに頭を下げているところだった。
「どうしたんだ?」
その様子を見守っている誉とレティシアに、黒子は声を掛ける。
「なつめさんにお願いがあるって……俺も出来ればと思っていたところだったから」
と耳を傾ける姿勢の誉。
レティシアも、胸に手を当て柔らかな視線を相対する二人に向けている。
「私にも分からない事が沢山ありますけど、これだけは言えます。まゆみちゃんが『ママ』に縋るのは、寂しくて不安だから。
なつめさんがまゆみちゃんに歩み寄れないように、まゆみちゃんもなつめさんに歩み寄れなくて……だから、お願いします!
まゆみちゃんの心からの言葉を聴いてあげて下さい!
そして、まゆみちゃんの心を受け止めてあげて下さい!」
渚は汗の滲む自らの手を強く重ねて、振り絞った勇気の分勢いを乗せてもう一度頭を下げる。
下を向いた彼女の頬は真っ赤だ、親しくない人相手には隠れてしまうくらいの少女にはなかなか出来る事じゃない。
「そういう事か」
事情を察して、黒子も口角を上げた。
「俺も、咲希と一緒に真由美ちゃんちに行こうと思ってたんだ。咲希はなつめさんと同じでひとだけど……人形に襲われるってフツウじゃねェシチュエーションを防ぐ為なら、ろっこんは問題なく発動出来るんだろ? それなら、やっぱ一番行かなきゃならない人を放っちゃおけねェな」
「そうね……あの、いきなり他人がこんな事言うなんて生意気かも知れませんけど……私からもお願いします! 一緒に真由美ちゃんを迎えに行きましょう」
黒子の言葉に深く頷いて、咲希も説得に加わった。
「でも、私なんかにあの子を迎えに行く資格なんてあるのかしら……」
「気持ち、少し分かるんだ」
なつめはまだ戸惑った様子を見せていたが、誉の呟きに目を瞬かせる。
「俺には兄がいるんですが、血は繋がっていないんです」
彼の義兄は父の親友の子だったが、両親を失い市橋家の養子になったのだ。
「どんなに親身に接したって、俺は兄の両親の代わりにはなれない。そう感じて、俺は俺で兄に接したんです。
亡くなった人の代わりなんていないし、なれないだろうけど……大事に思う気持ちは負けない」
独白めいた言葉に、はっと目を見開くなつめ。
それを見て、誉も微笑んだ。
「気持ちを届けましょう。彼女を止めるのはあなただと思います。……俺が守りますから」
「私も、なつめさんには真由美ちゃんの本当のお母さんになって欲しいって、思うんです」
レティシアが優しく背を押すよう言葉を掛ける。
「血の繋がりよりも、心の繋がりのほうが強い力だと思うから……終わった後、真由美ちゃんを抱きしめてあげて欲しいなと思います」
彼らの言葉を、想いを感じて、なつめの瞳は揺れに揺れた。
みんなが自分を後押しし、支えようとしている。
「そうね……資格なんて、関係ない……。ごめんなさい、皆さんのお陰で目が覚めました」
ぽろり、ぽろりと彼女の目から涙が落ちた。
「私、ずっと……良い母親でいなきゃって思ってました。大切な子供を守って育て上げられる、完璧な母親になろうと……でも、それは決して『真由美のお母さん』じゃなかったんだわ。あの子の本当の姿を、見ていなかったんだわ……」
夢にまで見た子供を迎えて理想の家族や親子の形に固執していた事に、なつめは彼らによって気付かされたのだ。
彼女はハンカチで涙を拭う。
「……泣くのは後。きっと、真由美はもっと苦しい思いをしてる筈だもの」
「良い顔です、ミセス。でも、決して無理をしてはいけませんよ?」
そこへ偵察から戻ってきたシグレが言葉を掛けた。
なつめの顔は涙で少し化粧の崩れていたが、彼の目にはそれでも最初に見た時よりも美しく映った。
「大丈夫さ、腕っ節の強い奴らもいるしきっと上手くいく。それに、『俺は幸運だ』からな! 俺が付いてれば怖いものなしだぜ!」
「黒子ちゃんが言うと、本当にそんな気がしてくるよ」
明るく言って見せた黒子に、咲希もクスリと笑う。
祐と渚砂、夏朝とまほろも到着し、いよいよ三浦邸に突入する準備が整った。
流れとしては、突入メンバーが曲を流しながら先行して道を切り開いた後に、なつめを守る形で生歌隊が追う作戦だ。
「私も、真由美ちゃんを助けに行ってきますね。……ふふ、大丈夫です。こう見えて、結構頑丈なんです」
先ほどの遣り取りで思わず熱くしてしまった目頭の余韻を残して、レティシアがふわりと笑う。
「気を付けて下さいね」
なつめは祈るように自分の手を握り締めた。
「曲の方も再生媒体だけじゃなくて伴奏付きの生歌まであるから、足りないなんて事にはならないんじゃないか?」
祐は渚に咲希、ピアノ担当の誉にバンド活動でこの手の進行に慣れた黒子というそうそうたる人員を見回す。
と、夏朝が思い出したように口を開いた。
「そういえばPCショップのお兄さん、『Le etoile』には『魂が籠もってる』って言ってたね……」
「魂? 心が込められてるとか、そういう意味だろうか」
首を傾げる渚。
「わかんない……けど、お兄さん、それで歌を聴いていて気持ちが元気になったみたい」
思わずまほろも一緒にかくんと首を傾いだ。
「魂……」
「心……か」
ひとりごちる渚に、誉も少し考えながら、調達したスケッチブックのページに具現した鍵盤に手を伸ばした。
(……心)
月は胸の中で繰り返す。
なつめのを巡る遣り取りと決意は、時に人形のようだと形容されてきた彼女の心にもさざ波を生んだ。
(──私は人形。空ろなる躯と硝子の目を持つ猛毒)
操られた者たちと対峙した際、自らに呟いた言葉。
(……されど、希望を胸に抱き、人成らんと欲す者也)
見据える闇の先を射ながら音は発さず、少女の唇は新たな想いを紡いでいく。
その瞳に迷いはない。
「渚砂さんも準備は良いか?」
スマホに繋いだスピーカーを確認し、祐が顔を上げると渚砂は頷き、軽く嘆息する。
「始めは作ったぬいぐるみが消えてしまっただけだったのに……とんでもない事になったな」
「ああ、でも大丈夫、俺たちがいるからな! 必ず解決しようぜ!」
明るく力強い答えが頼もしい。
きっと上手くいくという安心感を覚えるとともに、渚砂は家族のような存在の顔を瞼の裏に浮かべる。
「……深雪は無事なんだろうか?」
ほんの少しの間なのに、随分長く会っていない気がした。
<< もどる
1
…
9
10
11
12
13
…
20
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
<CI@SP>Evergreen≒Deciduous
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
前回シナリオ
<CI@SP>マヌカノイドはリアル・ワールドの夢を見るか
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月20日
参加申し込みの期限
2014年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!