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夏だ、きもだめし委員会!
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●第六組、窓の外に見たものは
――
澪乃 澄佳
、
畑中 華菜子
リン、と鈴の音がした。
2階廊下でのことだ。
澄佳と華菜子は、ゾンビと吸血鬼の追撃を退けほっとしたところだった。
先輩の澄佳の手を繋いでいた華菜子は、鈴の音がしたときつま先を何かに引っ掛けた気がしてあたりを見回す。するとそのとき、キャアッ……と、小さな悲鳴が聞こえた。窓の外だ。恐るおそる視線を向ける。窓の外を何かが落ちてゆくのが見えた。一瞬だったけれど、ばさばさと音を立てて落ちたそれは、まるで白いワンピースを着た長い髪の少女のような……。
華菜子は、ぎゅうっと強く澄佳の手を握った。
「せ、先輩……」
「な、なに、華菜子ちゃん?」
「窓の外、何か落ちなかったアルか?」
「やだ、き、きっと仕掛けだよう……」
澄佳はすこし引き攣った笑みを浮かべつつ、手にした懐中電灯をそおっと窓の外に向ける。
窓の外に紐がいっぽんぶら下がっていた。
澄佳は勇気を出して窓を開けると、懐中電灯を下に向けた。
紐の先に、人形がぶら下がっている。よく見れば白いワンピースだと思ったのはただのシーツで、身体はハリボテだし、髪は毛糸だし、決して出来のいいものではない。
「ほ、ほら、大丈夫」
澄佳は華菜子を励ますようにそういった。
本当は自分だって怖い。でも、可愛い後輩の華菜子が自分よりもずっと怖がっているから、先輩として出来るだけ冷静でいようと思うのだ。いざというとき彼女を守ってあげられるように。
懐中電灯ときもハガキを片手に持ち、反対の手で華菜子とぎゅっと手を繋いで。
ふたりはびくびくしながら3階に上がる。
◇
真夜中の音楽室。懐中電灯の光に浮かび上がる肖像画たち。バッハ、ベートーベン、モーツァルト。ドビュッシーにワーグナーにチャイコフスキー。白い巻き毛や、みだれ髪や、立派な髭や、鋭い瞳。
音楽の偉人たちに失礼かもしれないが、華菜子は額縁に入ったこの肖像画たちが妙に怖かった。
「うぅ……目が光ったりしないアルか? 急に動いたりしないアルか?」
「あんまり見ない方がいいよぉ、足元も気をつけないと。こけちゃったら危ないし」
怖いわけじゃないよ、といいつつも澄佳も出来るだけ肖像画を見ないようにして視線を彷徨わせる。
きもハンコまでは難なく辿り着き、澄佳は3つめのハンコを押す。そのときだ。
ひとーつ……ふたーつ……みーっつ……
華菜子の耳に、低い声が届いた。音のする方を確認しようとするが、どこから聞こえるのか全然分からない。
まるで耳元で囁かれているような気もするが、その距離にいるのは澄佳だけだ。
「先輩、手離さないでアル……」
「だ、大丈夫だよう……絶対離さないもの……」
足りない……誰だ、誰だ……まだ出していないのは……
「ふえうっ……!」
澄佳もびくっと身を震わせる。だが、華菜子が精いっぱい涙をこらえているのに気づくと、しっかりしなきゃと勇気を奮い立たせた。
「だ、大丈夫? なんも怖くないよ、なんも……」
澄佳は華菜子の肩を抱き寄せると、震え声で問い返した。
「足りない、って何が? 何を出してないっていうの?」
声が答えた。
夏休みの宿題を……そうか、お前だな? この声が聞こえている……
お前なのだなぁあああ!
「ご、ごめんなさいアルーっ!!」
「夏休みはまだ長いっしょやーっ!」
華菜子と澄佳は口々に叫ぶと、音楽室を飛びだした。
◇
廊下に出て、呼吸を整えて気づいた。
「アレ? よく考えると、夏休みの宿題って……べつに怖くなかったアルな」
「そういわれるとそうだねぇ」
なんだろう。雰囲気に呑まれてしまったのだろうか。
あの声の語り口の妙もあったのだろう。
「先輩、今日はありがとアル。興味あったけど一人じゃ怖いなって思ってたから、先輩に声かけて貰えて嬉しかったアル」
「なんもなんも、こちらこそ。そういって貰えると誘って良かったよ」
「えへへ、私ももう高校生なんだから、肝試しぐらいへっちゃらにならないとアルな……!」
リン、と鈴の音がした。
華菜子と澄佳は顔を見合わせる。2階でも同じ鈴の音を聞いたのを思い出したからだ。
思わず窓を見る。
さっきと同じだ。窓の外を、少女が音もなく頭から落下して――。
「さっきと……同じアル……か?」
違う、と華菜子は思った。だって――
目が、合ったもの
。
だが澄佳はまた人形だと信じて疑わなかった。
「大丈夫だよう」
さっきと同じように窓を開ける。
「きっとまた……」
懐中電灯で下方を照らして――
「……なんで、なんも、ないの……?」
――それきり、絶句した。
たしかに、少女らしきものが落ちるのを見た。なのに、なにもない。それってどういうことなの?
『……その後しばらくして、『墜ちる少女の怪』という噂が学内に広まったそうだ』
――そうだ、肝試しが始まる前、
民谷 鋭二
は何といっていた?
『慌てて窓を開けて見るが、誰もいない』
――いなかった。見たはずなのに。
『彼女は……今もまだ自分が死んだことに気づかず飛び降り続けている……』
「……今日が、少女の、命日……」
澄佳が虚ろに呟いたそのときだ。
ふたりの視界に再び、髪を振り乱したさかさまの少女が、上から下へ!
ニヤリと昏く嗤って、墜ちる――!
華菜子は叫んで澄佳に抱きついた!
「キャアアアアアアッ! やっぱり怖いものは怖いアルー!」
あまりのことに声も出なかった澄佳だが、抱きつかれると我に返って華菜子をギュッと抱きしめ返した。
「大丈夫、大丈夫……あたしもいるよう……一人じゃないもの、二人だもの……」
澄佳は気丈にいった。華菜子にはもちろん、自分にも言い聞かせるように、ゆっくりと。
気付けば少女の姿は幻のように消えていた。
怯える華菜子の背を押すようにして足早にゴールへと向かう。
振り返ってはいけない気がした。
自分たちが何を見たのか、答えを出すのが恐ろしかった。
でもふたりだったから。
辛うじて耐えられたのだ。
強面の次久が屋上への階段で佇んでいる。それを見ると、ふたりはぽろりと涙を零した。
それは次久が怖かったからではなく、実体のある人間に会えてほっとしたからだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月17日
参加申し込みの期限
2014年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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