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縁の幻路
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教会から出て大通りを歩いているうちに、綾瀬と刻人は治と遙に会い、取り留めのない話をしながら歩いていると、一軒の雑貨屋の前に着いた。中からは楽しそうな声がしており、誰が言い出したわけでもないのに扉を開けた。耳に心地良い乾いた鈴の音に、小さな観葉植物を見ていた美咲紀が顔を上げる。彼女の隣で一緒になって見ていた礼二と遊琳もこちらに目を向ける。
「こんにちは! 私、寝子高1年の
椿 美咲紀
って言います。あちらは同じく1年の
加瀬 礼二
さんと、先輩の
弥逢 遊琳
さんです」
持っていた観葉植物を置き、人懐っこい笑顔で走って来た美咲紀にそれぞれが自己紹介をし、綾瀬が店内を見渡す。
「ここにも店員はいないのね」
「はい。でも、一人一つまでなら持っていって良いそうです」
「それは……斬新だね」
刻人が苦笑しながらそう言って、雑貨を見て回る。治も楽しそうに見始めるが、遙はあまり興味がないようで、隅の方に立ち、思い思いに店内を見る人々を眺めている。
「何探しているんですかぁ」
美咲紀に懐っこく聞かれ、治が微笑みながら「特に何かを探しているわけではないんです」と呟く。
「良いご縁があれば頂いて行きたいなと」
「そうですかぁ。何かいいものがあったら、教えてくださいね。私も教えますから!」
一人の目では留まらないものでも、二人なら見つかるかもしれない。あれこれと雑貨を手に取り、ふと顔を上げれば隅で綾瀬と遙が何やら話していた。背が高く格好良い遙と、スラリとした美人の綾瀬はお似合いで、先日のぬいぐるみ教室の事を思い出す。如月 麗佳なら、嬉々として妄想話に華を咲かせるだろう。あの日以来、美咲紀の心の中にカップルに対する憧れのような感情が芽生えていた。今は庭の花や育てている野菜達の事で頭がいっぱいだが、恋をしたら相手の事が四六時中気になるようになるのだろうか。もしも美咲紀に恋人が出来たら、こんな可愛い雑貨屋で恋人へのプレゼントを選んだりするのだろうか。
「お二人は、恋人同士ですか?」
美咲紀の質問に綾瀬と遙が顔を見合わせ、すぐに首を振る。
「初対面よ」
「そうなんですかぁ。どっちも綺麗な方なので、もしかしたらって思ったんです」
「椿さんは、恋人はいるの?」
「いないです。憧れはあるんですけど……」
「すぐに良い人が見つかるわ。ね?」
同意を求められても……と言う心境ながらも、遙は小さく頷いた。自分の恋愛経験を考えた時、恋に憧れる高校生の瞳は眩しすぎた。
どこか不穏な雰囲気のする刻人と表面上は差し障りない話題で話しながらも、礼二は視界の端で不思議な動きをする遊琳の事が気になっていた。何かの前で行ったり来たりを繰り返し、考え込むように俯いて離れては戻って来ている。遊琳が美咲紀と治と話している間に、礼二は彼が見ていた場所に来ると、天使の翼がついた銀色のキーチャームを見つけた。おそらく、鍵をいくつも増やす事に抵抗があって手に取れずにいるのだろう。礼二の中の悪魔が囁き、こっそりとチャームをポケットに入れる。美咲紀達との話を終えた遊琳が再びチャームのあった場所に戻ってきて、なくなっている事に気づき肩を落とす。あんまりにもしょんぼりとしている姿に思わずほくそ笑み、刻人と目が合う。
「意地悪なんだね」
「軽い愛情表現ですよ」
あれが? と、落ち込んだままの遊琳に目を向ける。暫くしゅんとしていた遊琳だったが、隣にあった妖精の翅のついた金のキーチャームを手に取った。先ほど見ていたチャームと、カラーストーンの位置や大体のデザインが同じで、おそらく色違いのペアだったのだろう。
「弥逢先輩、何か良いものありましたか?」
「あ、うん……。椿は?」
「私はこのエアプランツさんに決めました! だってこの子『ボクを連れてって』ってキラキラしてたんですもの。連れて帰るしかないです!」
「あれ? ぬいぐるみ見てなかった?」
「それは、今度作る用の参考資料に見てたんです。少し前にぬいぐるみ教室に行って……」
楽しく話す美咲紀の後ろで、治は和紙の張られた日記帳を見ていた。誰かと仲良くなれたり、誰かの役に立てたり、誰かに恋をしたり、その思いを諦めたり、色々な事があったけれども、季節は変わって夏。春から夏までが早かったように、きっと秋も冬もあっという間に過ぎてしまう。広がる未来は輝いているけれども、過ぎる時をないがしろにして褪せさせてはいけない。だからこそ、一日一日を大切に生きていかなければならない。治は日記帳を閉じると、そっと胸に抱いた。
懐かしい旋律を奏でるオルゴールを手に、綾瀬は過ぎた日々を思い返して小さく唇を噛んだ。記憶が溢れ出し、諦めた夢への未練が心の底で波打つ。オルゴールを閉じ、元の場所に戻したものの、どうしても気になって手に取ってしまう。優柔不断な自分が許せなくて、綾瀬は思い切ってオルゴールを鞄に入れると、お財布を取り出した。
「お金は払わなくても良いんですよ」
「でも、ここはお店でしょ。お金を払わないで持って行くのは気になるのよ」
綾瀬が多めにお金を払い、遊琳に向き直る。綾瀬の綺麗な青い瞳と髪を見て、遊琳はふと彼の事を思い出した。
「神嶋さんって……弟さんはいますか?」
「えぇ。そういえば君、寝子高の2年生だったわよね。弟の知り合い?」
「はい、征一郎君にはお世話になってます」
丁寧に頭を下げる遊琳に、あの弟にこんなに礼儀正しい友達がいたのかと驚きながらも、綾瀬は苦笑した。
「お世話をされているのは、征一郎の方でしょう。征一郎はあんな性格だし、君にも迷惑をかけていると思うけれど……」
仲良くしてあげてね。その一言が喉につかえて、出てこない。けれど遊琳は言いたい事がわかったようで、蜜色の瞳を優しく細めると微笑んだ。素直な言葉を言えないけれども、心はとても優しい、そんな所が姉弟で似ていると思った。
カランと鈴の音が鳴り、礼二が雑貨屋を後にする。綾瀬に一言言ってからその後を追った遊琳は、店先で佇む礼二を見上げた。どこか意地悪そうに微笑んでいるような気がしたが、表情は一瞬で普段のヘラリとした笑顔に戻る。
「何か良いの、ありましたか?」
天使の翼のチャームの事を思い出しながら、遊琳が妖精の翅のチャームを取り出す。直ぐに決めなかった自分が悪いのはわかっているが、心は未だにあのチャームに残ったままだった。
「綺麗ですが、本当に欲しかったものですか? 遊琳センパイは、こっちが良かったんじゃないですか?」
意地悪な顔で、礼二がポケットから天使の翼のチャームを取り出す。きっと礼二は、何度も行ったり来たりして悩む遊琳の姿を見て、悪戯心から取ったのだろう。
「ホント性格の悪い……」
「心外ですねぇ。なかなか決められない遊琳センパイの代わりに、俺が決めてあげたんですよ。良ければ交換しませんか? それと」
「……お前ホントばかっ」
顔を赤くして礼二の手の甲を抓りながらも、遊琳が妖精の翅のチャームを押し付ける。いつもこうやって悪戯で人を翻弄して、遠くから眺めて……八つ当たり気味に投げつけられる言葉を笑顔で受け流し、礼二は天使の翼に口付けを落とすと遊琳の手に乗せた。
「先日渡しましたよね? 俺の『逢い鍵』……それにつけてみては?」
意味深な笑みを浮かべる礼二の唇は誘惑的なほど赤く、意地悪な瞳は魅惑的なほど青い。
「……ばか……」
そう呟きながら、一番馬鹿なのは自分だと思う。こういう男と知りながら、嫌いになれない自分は愚かだと思う。けれど礼二は、遊琳の我儘ばかり聞いていて楽しいのだろうかと疑問が湧いてくる。礼二は敵わない相手で、だから傷つける事もないだろうと、割と気を遣わずに振り回しているけれども、果たして礼二はどう思っているのだろうか。
「大切にしてくださいね、コレも、鍵も」
囁くように耳元で言われ、遊琳は再度「ばかっ」と言うと、赤くなった頬に手を当てた。いつもと変わらない余裕の笑顔で佇む礼二の腕を、最後の抵抗とばかりに抓る。その力は、自覚できるほど弱かった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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