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縁の幻路
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拝啓、親愛なるお母様。今日も僕は、妙な現象に巻き込まれてしまったようですてへぺろ。
そんな手紙を心の中でしたため、
廻 春告
は周囲を見渡した。不思議な世界に来てしまったようだが、いつもの事と言えばいつもの事だ。母親と寝子島で暮らし始めて、常識なんてものは昔に投げ捨てていた。霧の中に立つ看板には、縁の幻路と書かれている。縁とあるくらいなのだから、この先には何かしらかの出会いが待っているのだろう。先日までのぼっちな春告君なら『縁』の言葉に縋って冷静ではいられなかっただろうが、今やぼっちを卒業した身の上、そんな言葉に動揺なんてしない。まさにスーパーにクール、みっともない姿なんて晒さないと断言できる。
何時ものパターンなら、春告以外にもこの世界に迷い込んでいる人間がいるだろう。それなら、縁の言葉通りに友人を増やすべきだ。この世界から抜け出す手段も模索しなくてはならないし、調査のためにも立ち往生しているわけにはいかない。春告は足取り軽く、縁の幻路の中を歩き始めた。
今年の4月から変な事ばかり起きているし、今更驚くほどの事じゃないと理解してはいるものの、一人ぼっちで世界に放り出されるのは心細かった。縁の幻路というくらいなのだから自分一人だけということはないと思うのだが……考え込む
夏川 茜
の背後で、ふわりと空気が歪んだ。振り向けば、少々キツメの綺麗な顔立ちをした女の子が立っていた。
雪 莉沙
は、不機嫌な気持ちを隠さずに周囲を見渡すと、ため息をついた。少し散歩でもしようと思って家を出たものの、気付いたら知らない場所に出ていた。
「良かった、私以外にも人がいたんだ。私、
夏川 茜
っていうの。あなたは?」
何でこんな事になったのか考えていると声をかけられ、莉沙は茜をジロリと睨むと「
雪 莉沙
」と短く答えた。心底面倒臭いと思うが、目の前にいるのに無視するわけにもいかない。
「っていうか、あんた何?」
やってしまったと思うのは、大抵言葉にし終わってからだ。言い過ぎたと後悔しても、吐き出された言葉が戻ってくるわけではない。鋭すぎる言葉を投げつけられた人がどんな顔をするのか、莉沙は経験上知っていた。けれど茜はニコニコとした笑顔を崩す事はなかった。冷たくされた事よりも、人と出会えた事の方が茜の中では大きな意味を持っていた。
「私、寝子高の二年生なの。キミは?」
「一年」
「そっか。じゃぁ、後輩なんだね。ね、莉沙ちゃんって呼んでも良いかな?」
「別にどうでも良い」
思った事を直ぐ口に出してしまうのはダメだという自覚はあるものの、自分ではどうする事もできない。
「ここでジっとしてるのも何だし、歩いてみない?」
その意見には同意だったため、莉沙は不機嫌な顔のまま頷くと茜に続いて歩き出した。元気がないように見える莉沙を元気付けようと、茜が明るい話題をふるが、彼女の表情は一向に明るくならない。それでもめげずに明るく振舞っていたところ、雑貨屋の前に辿り着いた。ショーウィンドウの中には可愛い小物が沢山並んでおり、茜は目を輝かせて莉沙を振り返り、その後ろに見える人物に目を丸くした。
「君達もこの世界に迷い込んだのか?」
莉沙が素早く振り返り、春告を睨みつける。新手のナンパかと一瞬思うが、そんな状況ではないためおそらく違うだろう。そんな事よりも、莉沙には気になることがあった。
「何その眼帯? 厨二病ってやつ?」
「ちょっと、莉沙ちゃん!」
自分は許容できるが、流石に他の人にその態度はないだろうと感じた茜が割って入る。言い過ぎたと思わなくもない莉沙だったが、そう思ったのだから仕方ない。春告が灰色の瞳で莉沙を見つめ、鋭く見える瞳に負けないように睨み付ける。茜が二人の間でどうしたら良いのかオロオロと考えていた時、春告が眼帯に手を当てると不敵に微笑んだ。
「この瞳は、他人には見せられない。その人の何かを、奪うから」
間違った事を言ったわけではない。でも、表情と言い回しから、物凄く厨二病のにおいがする。まさかの展開に莉沙が硬直し、茜が肩を震わせる。本気で厨二病なのか、それとも空気を読んであえてそう言ったのかは分からなかったが、茜のツボには入った。何とか笑いの発作をやり過ごすと、茜は今まで以上に明るく声をかけた。
「ねえねえ! ここの雑貨屋さん、ちょっと覗いてみない? 凄く可愛い小物が沢山あるし……ね、ダメかな?」
雑貨屋には興味があったし、何より自分が悪くした空気を何とか立て直そうと奮闘しているのが分かっていたため、莉沙がため息混じりに頷く。
「良かった! 私は
夏川 茜
、寝子高の二年生。この子は一年生の
雪 莉沙
ちゃん。キミの名前を聞いても良いかな?」
「一年の、
廻 春告
」
「廻くんは、莉沙ちゃんと同じ一年生なんだね」
私の後輩だね。と、明るく言う茜。低身長で全体的に幼い雰囲気の茜と、身長の高い春告と大人っぽい莉沙。何だか釈然としない気持ちはあるものの、見た目だけで年齢を決められるわけではない。少なくとも茜はこの場において、きちんと『お姉さん』をしていた。
軽快な鈴の音と共に開かれた扉の先には誰もいなく、本来いるべき店員の姿もない。春告がレジの所まで歩いて行き、一人一つまでと書かれた紙を見つける。
「一人一個までなら持っていっても大丈夫なのかね?」
「うん……多分そうだよね」
それなら、何を貰おうかな。楽しそうに店内を見て回る茜の姿に、春告も小物を見ていく。机には、女の子が好みそうな可愛い系の小物がズラリと並んでいた。桜の花を思わせる淡い色のリボンを手に取り、莉沙の怪訝な瞳と目が合う。
「彼女にでもあげるの?」
「いや、母さんにお土産でもと」
「はあ? あんたマザコンなの?」
「コンプレックスってほどではないと思うけど、母さんの事は大切に思ってる。女手一つで育ててくれたんだから、当然だろ」
そう言われては、言い返す事が出来ない。春告はどうやら桜色のリボンに決めたらしく、レジに向かって「いただいていきます」と律儀に声をかけるとポケットに入れた。
「それ、なんて言って渡すの?」
「交友の幅が広がった記念も兼ねて、この世界の事をありのまま話すけど?」
「交友って、別に私はあんたとは……」
「ねえ、これ可愛いと思わない?」
莉沙が言い返す前に、茜が夕暮れのような鮮やかな色をしたトンボ玉のネックレスを手に走って来る。春告が「良いんじゃないか」と笑顔で答え、茜の目が莉沙に向けられる。
「……悪くはないんじゃない」
「廻くんと莉沙ちゃんはどんなのにしたの?」
春告がポケットからリボンを出し、母親にあげる旨を告げる。茜は無邪気に「素敵だね!」と笑い、その素直さがほんの少しだけ羨ましい……なんてことは、思わない。断じて思わない。莉沙は自分の心の奥深くにある感情から目を逸らすと、目に付いたピアスを手に取った。まるで霧を溶かしたかのような、ミルク色の石がついた綺麗なピアスだった。
「莉沙ちゃんはそれにするの? 綺麗な色だね」
「……丁度新しいピアスが欲しいと思ってたから。ただそれだけ」
特別気に入ったからというわけではないと暗に言いながら、莉沙はピアスをポケットに入れた。
「それじゃあ、別の場所も見てみよっか。私達以外にも人がいるかもしれないし」
茜が先に雑貨店を後にし、扉が閉まる。彼女に置いていかれないようにと続いて出た先に、茜の姿はなかった。
「何で……」
「探してみよう。もしかしたら、走って行ったのかもしれないし」
視界は300mほど、茜と離れたのは時間にしてほんの1秒か2秒、霧の中に走りこむだけの時間はない。不思議な世界なのだから、突然ここに引き込まれたように、誰かが突然消えてもおかしくない。頭ではわかっているものの、認めたくなくて、春告と莉沙は茜の姿を探して辺りを歩き回った。大通りは先が見えないほど長く、開いている店にも人の姿はない。細道に入り込んではこの場所に出てこれなくなるような気がして、春告も莉沙もあえて入らなかった。
この世界には、春告と莉沙以外に人の姿はなかった。縁とあるのだから沢山の人がいてもおかしくないのだが、いないものを強請っても仕方がない。
「確か、二年生って言ってたよな。また会えるかな」
歩き疲れた足を休めるべく入った喫茶店で春告が呟き、莉沙が「さあ?」と素っ気無く返す。ムードメイカーだった茜を失ってからは会話は乏しく、時間が来るまで二人は喫茶店や図書館で時間を潰したのだった。
縁の幻路から出た先は、見知った道だった。莉沙は足早に家に帰ると、貰ってきたピアスを耳につけた。鏡の中、莉沙の耳元で鈍く光るピアスは濃い霧のようで、あの場所で出会った二人の事を思い出す。
「……変なヤツだったわ……」
春告の灰色の瞳を思い出しながら呟く。母親を大切だと言い切った彼の瞳は少しだけ格好良かった……なんて、微塵も思わないけれども。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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