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縁の幻路
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会いに行こうと思った先で見知らぬ空間に放り出され、
紅林 柳霞
は周囲を確認すると首を傾げた。見覚えのない通りに、濃くかかった霧。確かに知っている場所を歩いていたはずなのに、おかしい。街自体は綺麗だったが、音のない世界に、不安が広がって行く。子供の頃、迷子になった時に味わった心細さを思い出し、知らない街に一人と言う既視感に涙目になる。あの時と比べて、ここは世界自体が違う。帰れなくなるかも知れないと言う恐怖に人の姿を求めて歩き出し、ふと雑貨屋が目に付いて足を止める。セレクトショップをやっている柳霞は、こんな時でも雑貨屋と見ると気になってしまう。店員さんでもいないかとショーウィンドウの中を覗き込み「柳霞さん?」と背後から声をかけられてビクリと肩を上下させる。
「景貴さん!? 会えてよかったー……私しかいないのかと思って、心細かったんだ……」
柳霞が子供の頃に迷子になって心細い思いをしたという話を以前に聞いた事があった
荒井 景貴
は、安心させるように微笑むと周囲に目を向けた。いつの間にか知らない場所に来ていて、人を求めて歩いていたのだが、会えたのが柳霞で良かったと思う。
「柳霞さんは、看板は見ましたか?」
「看板? 見ていないけれど……」
「縁の幻路と言う通りの名前と、時間が書いてあったんです。多分、時間が来たら帰れそうな気もしますが……何か起こったら大変ですし、一緒に行動しましょうか」
勿論。と、嬉しそうに頷く柳霞に思わず表情が柔らかくなる。
「あのね、景貴さん、ここ……雑貨屋なんだけど……」
「僕もどんな品物があるか気になりますし、入ってみましょうか」
カランと言う鈴の音が鳴るものの、店内に人の姿はない。レジには一人一つまでと書かれた紙が貼ってあり、商品にも値札はなく、レジも閉ざされているため、一つまでなら持って行っても良いのだろうかと顔を見合わせる。それならと、小物を一つ一つ手に取って見ていく景貴の隣で、柳霞は配置の仕方や商品のラインナップを無意識にチェックしてしまう。配置自体は小奇麗に纏っているものの独創性はないが、種類は驚くほど豊富だ。知らず知らず、店長目線で見ていることに気付き、柳霞は頭を振った。今は仕事の事よりも、この状況を純粋に楽しむべきだろう。
「これ素敵っ……あ、あっちのもっ……これも可愛い……」
魅力的な商品の数々に、柳霞の目が輝いて行く。もしもここが普通のお店なら、いくつも手に取っていたことだろう。けれどここでは、一人一つが原則。どれにしようかと悩む柳霞の隣で、景貴が子猫の栞を見つけて手に取った。猫のシルエットの周りにはケーキやマカロンのシルエットが描かれており、上部の紐は金色に輝いていた。
「柳霞さん、これはどうですか?」
勧められた柳霞が嬉しそうに栞を手にし、代わりに景貴の前に優しげな表情のクマのブローチが出される。
「これ、景貴さんに似合うかもって思って。お仕事の時に帽子につけるとか、鞄につけるとかしたら良いかなって。……あ、でも、男の人には可愛すぎるかな?」
優しげな表情が景貴に少し似ていたからと、その部分は口には出さない。景貴が「ありがとうございます」とお礼を言ってクマのブローチを受け取り、二人は雑貨屋を後にした。
大通りを歩いて行くと、図書館と書かれた建物の前に出た。二人とも本が好きだったため、繊細な模様が彫られた木の扉を押し開けて中に入った。見上げるほど高い本棚は先まで続いており、不用意に足を踏み入れては出口がわからなくなってしまいそうで、景貴と柳霞は受付で案内図と利用案内の冊子を手に取ると、一通り目を通した。受付には貸し出しカードも置いてあり、自分と柳霞の分を取って、案内図を片手に本棚の迷路の中を歩き出した。
よく書店で目にする本から絶版の本、見た事のない本まで、幅広く取り揃えられた本に夢中になりながらも、柳霞はしっかりと景貴の服の裾を掴んでいた。
「あ、この本読んだ事ある。面白かったよ。あ! この本、読みたいと思ってたんだけどどこにも置いてなくて。……わ、こっちの本なんて凄い貴重な本だよ。この本、読んだ事ないけど面白そう」
柳霞が次々に本を手に取り、いくつかを貸し出しカードに書き出す。景貴も何か良い本はないかと背表紙に指を滑らせ、古い推理小説を見つけて手に取る。
「この本、面白そうですね」
パラパラとページを捲り、あらすじに目を通した後で貸し出しカードに記入する。他にも幾つか推理小説をピックアップして……本の落ちる音に振り返る。
「わわっ……本、傷付いてないかな。大丈夫かな……」
落ちた本を丹念に見る柳霞の隣には、本が積み重なっていた。
「それ、全部借りて行くんですか?」
「面白そうだったから、つい……」
互いに貸し借りをすることを約束に、景貴は柳霞の手から半分ほど本を受け取った。
時計を見れば、看板に書かれた時刻が迫ってきていた。静かな世界は穏やかで、柳霞の心を掻き乱す事はないだろうと思ってはいるものの、心細い思いをさせたくなくて、景貴は並んで歩きながら小さく声をかけた。
「18時になる前に、手を繋いでもいいですか?」
照れたように微笑む柳霞が快諾し、彼女の小さな手をそっと握る。
景貴の手は、大きくて温かかった。景貴と一緒にいると、楽しいし落ち着くし、安らぐ。それが何故なのかは分からない。でも、傍にいて安心できる事だけは確かだ。ずっと一緒にいたいとすら思う。くすぐったいような淡い気持ちに頬を緩めるが、きっと景貴は柳霞の事を妹っぽく思っているだろう事は分かっていた。こうして手を繋いでくれるのも、柳霞を安心させるため。隣を歩く景貴を見上げ、背の高い彼につりあうようにと踵を上げる。背伸びをしたところで並べるわけではないと分かっていながらも、少しだけ近づいた距離に、柳霞は小さく微笑むと繋いだ手にそっと力をこめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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