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縁の幻路
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出されたサンドイッチにお礼を言ってから、冬華は手を合わせて「いただきます」と呟くと一口齧った。
「北条の口に合えばいいんだけれど……どうだ?」
「美味しいです。ハムサンドも玉子サンドも、作り方に拘りを感じます」
分かってくれた拘りに、思わず口元が緩む。299coffeeでバイトをしている経験を活かして、ちゃんと茶葉を蒸らしてから入れた紅茶も、冬華の口に合った。暫く談笑した後で、刀は持っていた袋を取り出すと冬華の前に置いた。
「これ、前に香水の専門店で作ってもらった香水なんだ。良かったら、受け取ってくれよ」
「香水……?」
紫色のリボンを解き、箱を開ければリボンと同じ色の香水が入っていた。高そうな箱とボトルに、高かったでしょう? と言う言葉が喉元まで出掛かるが、口には出さない。刀の財布事情が心配だったが、そこをあえて聞くのは野暮だ。
「ありがとう。開けてみて良い?」
刀が頷くのを待ってから、ボトルのビンを開ける。カトレアのような甘い香りに、ほんの少しだけ香るスパイシーな香り。溶けるような甘さが広がり、冬華は目を閉じて暫し香りに酔いしれると目を開けた。
「良いですわね。機会があれば、使っていきますね」
嬉しそうな笑顔に、刀も自然と笑みがこぼれる。穏やかな雰囲気が流れる刀と冬華の斜め後ろの席で、ももが自身で淹れた紅茶を口に運びながら、チラリと小萩を見上げた。甘いホットケーキで頬っぺたを膨らませた小萩は、幸せそうな顔をしている。
「小萩ちゃんは、男の子になってみたいって思ったことある?」
突然の質問に手を止め、小萩が小さく首を振る。
「ないですね。小萩は、今の小萩に満足しています。可愛くて! 才能があって! 足りないところがないとは言いませんけど、なんとかなる範囲です」
力強く言い切った小萩に微かな憧れを抱き、ホットケーキを一口サイズに切りながらゆっくりと言葉を紡ぐ。
「僕は時々思うの。男の子にはなれなくても、少しでも強くて勇敢な人になれたらいいなって。僕を守ってくれる姉様や皆の事を、僕も守れるようになりたいの。……小萩ちゃんは、将来どんな人になりたい?」
「そうですね……小萩は、今のままスケールアップした感じの小萩になりたいと思います」
今のままで十分満足している小萩が将来に見据えるのは、成長した自分の姿だった。今のままの自分が好きだと言い切る小萩を、強いと思う。自身の弱さを痛感しているももにとっては、眩しいほどに強かった。
「……僕は、怖いお話が苦手なの。最近テレビをつけると心霊番組がよくやっていて……」
「そう言えば、そう言う特集よくやってますね。夏だからですかね」
「暗い場所も苦手なのだけど、小萩ちゃんは苦手なものってある?」
「……ハイテクはこわいです。あんなに便利で凄い力を持ってるものが言う事を聞かなくなって勝手に動いたらどうしよう、って不安になるんです」
ロボットなんて、いつ攻撃してくるか分からない。この世にある全ての機械が一斉に人間に牙を向いたら、きっと一瞬で世界なんて廃墟と化すだろう。そう力説する小萩に苦笑しながら、ももがふと先日の事を思い出して口を開く。
「そう言えば、この間廃墟で優しいお兄さんに会ったの。廃墟は暗くて、怖いけど、お兄さんに会いたいから、その廃墟にはまた行きたいな……」
「ふふ、好きな人の話ですね。小萩はいつでも相談受付中です!」
そんな気は微塵もなかったももが、小萩の盛大な勘違いに困った表情で微笑みながら否定するが、すでに妄想の世界に旅立ってしまった彼女には聞こえていない。どうしたものかと思案するももの前で、小萩がふと話を止めると優しい表情でももの顔を覗き込んだ。
「……弱いままでいいって思わない人は、強くなれる人だと、小萩は思います。でも、無理して頑張りすぎると、周りに悲しい思いをさせる事もあります。ももさんはももさんの速度で強くなれば良いと、そう思うんです」
小萩とももが緩やかに友情を育んでいる前で、月詠は使った食材をメモすると冷蔵庫に貼った。こうする事で、ここの住人が次にまた迷い込んだ人がいた時に仕入れてくれるだろう。調べる手間を省く事によって、感謝の気持ちを伝えたかった。多分この世界の住人は、ヒトが好きだがとても恥ずかしがり屋なのだろう。そう思っておけばいい。ここは縁の幻路だ。何らかの縁があって、自分達の世界と繋がってしまったのだろう。
実は自分が気付いていないだけで、世界は様々な世界と繋がっている。今現在、ここは喫茶店だが、それはそう思って入ってきたからに他ならない。入る人によっては、レストランだったりバーだったりするかもしれない。世の中は、不思議な事で満ちている。その不思議を拒否したり嫌悪する人も沢山いるが、月詠は受け入れたいと思っていた。それは世界を構築する要素の一つに他ならないのだから。
「旅鴉、このメモは?」
いつの間にか隣にいた刀に声をかけられ、月詠は簡単に説明をすると彼の手元に目を向けた。先ほどと同じ手順でサンドイッチを作っているが、見たところ他の面々はお腹いっぱいという顔をしている。
「まだ食べるのか?」
「いや、俺じゃない。この世界の人に食べてもらおうかと思って」
「まぁ、人どうかは分からないがな」
この世界について詳しく解る資料でもあれば良いのに。と言う呟きを隣で聞いていた時子が、顔を上げる。
「私も思ってました……。前に現れたのはいつか、次に現れるのはいつか、ここの住人は何処に消えたのか……何か解る手立てがあると良いのですが……」
「それなら、図書館に行ってみたらどうかな? 昴君も多分調べてるだろうし」
武道が図書館から借りてきた数冊の本を片手に声をかける。時子が雑貨屋で貰ったメモに『珈琲と紅茶をいただきました。ごちそうさまでした』と書いて冷蔵庫に貼る。刀も月詠から貰ったメモ用紙に『ありがとうございます、ごちそうさまでした』と書くと時子のメモの隣に貼った。
「私、図書館に行ってみます。片付けは……」
「私がやっておく。最初から、元通りにしてから帰ろうと思っていた」
「俺も手伝うよ。さすがに食べっぱなしじゃ悪いし。御巫、何か分かったら教えてくれないか?」
笑顔で頷いて出て行く時子と入れ替わるようにして、茜が喫茶店に姿を現す。名前と同じ色をした瞳が不安そうに宙を泳ぎ、冬華が「どうしたんですか?」と声をかける。
「さっきまで一緒にいた子達がどこにもいなくて……。一瞬目を離しただけなのに……」
どうやらこの世界はこの場所だけではないらしい。刀と月詠はそう悟ると、一緒に口を開いた。
「「何かご注文はありますか?」」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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