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縁の幻路
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図書館の広さに圧倒されながらも、剛は深雪と共に本棚の間を歩いていた。奥へ進むうちにどこから来たのか分からなくなり、半ば迷子になっていたが、あえて考えない事にする。どうせ迷子になったと言っても、どちらが迷子にさせたのかと言い合いになる事は目に見えていた。綺麗に並んだ背表紙を目で追ううちに、見た事のある画集を見つけて手に取る。いつ見ても引き込まれる筆のタッチに、覗き込んできた深雪を相手に作者の事や時代背景を興奮気味に語り出す。絵はそこまで詳しくない深雪が興味深げに聞き役に徹し、開いたページの油彩画に目を向ける。
「やっぱええなぁ、この絵。俺もよう絵具で手を汚したなぁ」
懐かしむような目を見上げ、今でも褪せない剛の絵に対する気持ちを垣間見る。未だに剛は、絵が好きなのだろう。それなのに、何故絵を止めてしまったのか。もしも深雪がピアノを止めたら……そう考えても、上手く思い描けない。ピアノを止めるなんて、考える事もできない。弾けなくなるくらいなら、死んだほうがマシだと思うほど、深雪はピアノに全てをかけていた。剛は、辛くないのだろうか? その先の答えが怖くて、深雪は浮かんだ疑問を飲み込んだ。
写真に閉じ込められた絵は美しく、何度見ても心掴まれる。最近、筆を握っていないと気付き、いつから握っていないのか思い出そうとしても、過去に置き忘れた記憶は開かれない。絵を止めたわけではない。でも、前みたいに描こうとはしなかった。それは何故? 自分は、何から守っているのか? 何から逃げているのか? 閉じたままの記憶を無理に開けようとすれば何かが壊れてしまいそうで、剛は燻る焦燥感から目を逸らすと自分をジっと見上げる視線に気付いてニヤリと笑った。
「なんやみゆちゃん、そないに見惚れるほど剛さんはイイ男なん?」
深雪の表情が歪んだ瞬間、足を踏みつけられ、鈍い痛みが走った。
剛が声なき声をあげているほんの数棚先で、修は題名のない本を見つけて引き抜いた。迫る時に気ばかりが急き、諦めたくない気持ちで開いた不思議な本の表紙には、貸し出し厳禁の印が押されていた。本を開き、載っていた写真に息を呑む。森のような場所で撮られた写真には、幼い頃の優妃が写っていた。彼女の隣には王輝の姿があり ―― 違う。と、修は即座に頭に浮かんだ名前を否定した。優妃よりも少し背の高い少年は、灰色の瞳をしていた。
ペラリと、修の意思とは関係なくページが捲られ、真っ白なページが開く。純白の紙にポツリと黒いインクが滲み、徐々に広がって行く。それが文字だと認識した瞬間、狂ったように言葉が書き連なっていく。
『あの子達は天使』『あいつは悪魔だ』『私が歌うと皆いなくなる』『ママを殺したのは、悪魔じゃない』『時間なんて止まれば良いのに』『優妃は長く生きられない』『16?』『僕が彼女の未来を奪った』『死んだら何が残る?』『17?』『例え心が壊れても彼女の音が残れば構わない』
真っ黒になったページに、血のように赤い文字が滲む。
『お兄ちゃん大好き』
柔らかな字は優しかったが、続いた言葉は憎しみに満ちていた。
『でも×××くんはだいっきらい』
書き殴ったような赤い字は、名前の部分が潰れていた。嫌いと言う言葉が増殖し、ページを真っ赤に染めていく。禍々しいほどの憎しみの感情に思わず本を閉じ、バンと言う音が館内に響いた。
「八神? 顔色が悪いようだが、大丈夫か?」
「あぁ……それより鷺守は、何か分かったか?」
本を棚に戻し、動揺を隠す。修の様子を心配しながらも、昴は時子の持つ本に目を向けた。
「少しは。どうやらこの場所は、幽閉された人間が夢見ていた場所のようだ。詳しくは、本を借りて読み込もうと思っている」
昔々、流行り病や権力者の都合で幽閉されていた人がいた。薄暗い部屋の中、定期的に訪れる世話役以外とは誰とも触れ合わない毎日。人恋しく、誰かに会いたいと願っても叶わない日々に、縁を夢見た人々。身体は死しても魂は残り、願いが幻の世界を作り上げた。孤独の中で渇望した縁を、他人に託す。人は一人では生きていけないと、知っているから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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