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縁の幻路
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再会を約束したのに、連絡先を聞いていなかった事に気づいたのは、別れた後だった。二度の邂逅に、三度目を予知したわけではなかった。けれど引き込まれた不思議な世界で、三度目の出会いをした時、
五十士 柊斗
は思わず彼女に声をかけていた。
「あっ……柊斗、様?」
銀色の髪を靡かせ振り返った
エリューシア・セリアン
は、再会の喜びに顔を綻ばせながら胸の前で手を組んだ。また会いたいと考えていたら、出会えた。そこに何かの導きを感じるのは、三度目だからこそ。
「本当に会えるなんて思いませんでした……嬉しい」
取り留めのない話に、立ち話も何だからと歩き出す。霧に抱かれた世界は肌寒く、パフスリーブからのぞく腕を思わず両手で抱き、柊斗が心配そうにエリューシアを見下ろす。夏の寝子島から飛ばされた世界は花冷えのする春の日のような気温で、どこかに入れないかと見渡した先に開店と書かれた札の下がった雑貨店を見つけて爪先を向ける。ショーウィンドウから見える店内には可愛らしい小物が所狭しと並べられており、目を輝かせるエリューシアを誘って扉を押し開けた。カランと乾いた鈴の音が響く店内は無人で、本来いるべきはずの店員の姿もない。奥に小部屋でもあるのだろうかと確認のために近寄ったレジには、一人一つまで書かれた紙が貼ってあった。並べられた小物には値札らしきものはなく、閉じたままのレジはお金を受け取るのを拒否しているようにも見える。
「これ、とても素敵です」
エリューシアが深い青色のボールペンを手に、柊斗に声をかける。まるで夜空のように綺麗なグラデーションに彩られたボールペンのクリップ部分には、月のモチーフがついていた。
「綺麗だね」
「柊斗様……こういうの、お好きなのですか?」
頷くものの、菫色の瞳からは上手く感情が汲み取れない。
「柊斗様にだったら……こちらが似合いそうです」
同じ色のボールペンで、クリップのモチーフが星のものを柊斗に差し出す。お揃いを提案した事にほんの少し照れ、見上げた先で柊斗がそこまで気にしていなさそうな様子なので、意識しすぎている自分に対して恥ずかしさが広がる。
「一人一つまでって書いてあったんだ」
「一つなら貰って行って良いと言うことでしょうか?」
「多分」
それならと、少し得な気分になりながら、エリューシアと柊斗はボールペンを手に雑貨屋を後にした。
歩いているうちに見つけた小さな公園のブランコに、並んで腰掛ける。ブランコなんて、もう何年も乗っていない。懐かしさに子供の頃を思い出しながらも、漕ぐ事はしない。二人とも、ブランコに乗って遊ぶほど子供ではなかった。
「あの、柊斗様は大学生さんですか?」
「そうだよ」
「私は寝子高の芸術科の2年です。星ヶ丘の寮に入っています」
「芸術科?」
「はい。昔から、歌が得意で……」
柊斗は、人の話を聞くのが上手かった。逆に自分のことはあまり話さず、穏やかな笑顔で静かに聞き手に回っていた。表情から感情があまり読み取れないのは、柊斗が感情を隠す事が得意だから。
楽しそうに話すエリューシアの顔を見ながら、ふと、彼女の事が気になるのは何故だろうと考えを巡らせる。妹くらいの年頃だが、性格は全く似ていない。重ね合わせているつもりはないけれども、あの霧の中で、過去とは違って助ける事ができたから、無意識的に共通事項を探して妹を映しているのだろうか? 戻せない過去を悔やみ、変えられないのならば前に進むしかないと、進んだ先で彼女を助けた。それで過去が帳消しになるわけではないのに、妹と彼女を重ね合わせ、罪の意識を和らげようとしたところで、何の意味もない。妹は彼女ではなく、彼女は妹ではない。
「私は一人っ子で……両親は海外での仕事が多くて、あまり一緒にはいないんです」
そうなんだ。と相槌を打ちつつ、もしも彼女が自分の優しさを慕ってくれているのなら、少し申し訳ないような気持ちになる。自分は彼女が思うほど、大した人間ではないのだから。
柊斗のことはとても気になり、色々知りたいと思っていた。けれど気付けば自分の話しばかりをしていて、思わず口ごもる。柊斗が自分の事を話さないのもそうだが、エリューシア自身にも問題があるような気がする。知りたいと思う気持ちを、心のどこかにある恐怖が制する。知ればきっと、今よりずっと好きになる。好きになったら、またいなくなってしまうかもしれない。昔好きになった人がエリューシアの前からいなくなってしまったのと、同じように。
一陣の風が吹き、エリューシアの長い髪が広がる。濃い霧は強い風に乱される事もなく、会話の途切れた沈黙が静かに乳白色に染まっていく。エリューシアは立ち上がると、冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。肺活量の少ない彼女が一度に取り込む空気は少なかったが、それでも歌を紡ぐだけの力はある。短い歌声が、縁の幻路に溶けて行く。全てを飲み込む霧がほんの少しだけ晴れたような錯覚に目を細めながら、エリューシアは振り返った。
「今日はお逢いできて嬉しかったです」
「こちらこそ」
一瞬間が空き、視線を足元に落とした後で口を開く。
「「あの」」
思いがけずハモってしまった偶然に苦笑しながら、お先にどうぞと譲り合い、結局エリューシアが言葉を紡いだ。
「今度……メール……してもいいですか?」
「俺も連絡先を知りたいと思っていたんだ。偶然の邂逅は、そう何度もあるとは限らないから」
でも、三度あるならそれはもう偶然ではなく、必然なのではないか。そんな思いを抱くが、口に出す事は出来なかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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