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無人だと思った喫茶店には、店員の姿があった。しかし彼女達が『店員』ではない事は、簡単な自己紹介で分かった。自分達と同じようにこの世界に入り込んでしまった月詠と時子に注文をするのも躊躇われたが、二人とも気にしていない様子だったため、遙と紫音は珈琲を頼むと向かい合って座り、暫し雑談した。
店内には小さくジャズがかかっており、時折月詠と時子が小声で何かを話しているのが聞こえるが、内容自体は分からない。時子に淹れて貰った珈琲が冷めていき、残った一口を飲み干した後で、遙は重々しく口を開いた。
「実は俺は占い師でね。人の目を見ただけで考えてる事がわかるんだ」
嘘くさいと思った。そんな感情が伝わったのか、遙が余裕の表情で「嘘だと思うなら試してみるかい?」と、低く呟く。紫音は切れ長の目を勝気に細めると、挑むような視線を向けた。
「じゃあ、試しに僕の事でも占ってもらおうかな。……でもその前に、紅茶でも淹れるよ。飲むだろ?」
「あぁ、一杯貰おうかな」
「紅茶なら、私が淹れようか?」
月詠の言葉に、紫音が小さく首を振りながら飲み終わったコーヒーカップを二つキッチンに持っていく。
「いや、僕が淹れるよ。あんた達も飲む?」
「あぁ、頼めるか? 御巫はどうする?」
「それでは、お言葉に甘えて……」
時子が控え目にそう言いながら、コーヒーカップを洗い始める。その様子を横目に、紫音は手早く紅茶を淹れると月詠と時子の前に出し、残った二つのカップを持って遙の元へと戻った。遙が紅茶に口をつけ、眼鏡を外すと紫音の瞳をジっと見つめた。
綺麗な屋敷の一室で、憎悪の表情を浮かべる紫音。持っていたバットを大きく振りかぶり、何度も何度も殴りつける。柔らかな曲線を描くピアノが凹み、壊れた欠片が紫音の頬を薄く切り裂く。滲む血を拭おうともせずに、紫音は憎しみのままピアノを壊し続ける。
そこまで見ると、遙は小さく息を吐いて目を閉じ、眼鏡をかけなおした。
「君には嫌いなものがあるね。……叩き壊したいほど憎んでるモノが」
紫音が一瞬顔を顰め、強く奥歯を噛み締める。
「……あるよ。憎いほどに大嫌いなものがね」
紫音にとって、ピアノは聴くのもイヤになるくらいに嫌いなものだった。彼には元々、ピアニストとしての才能があった。天才と呼ばれるほどの才能を盾に、紫音の行動は制限されていた。外で遊ぶ事も、好きな事も出来ない不自由な毎日。囚われる事しかできない才能ならば、イラナイ。あんなモノがあるから、紫音は枷をつけられる。あんなモノ、なければ良いのに……。黒い憎しみの感情に飲み込まれ、激情に駆られるままピアノを壊した。強烈に記憶に残る光景に引き摺られるようにして思い出しそうになる過去に、紫音は小さく頭を振ると気持ちを切り替え、遙を見上げた。
「そういうアンタには無いの、嫌いなもの」
「そうだな……一方的に弱みを握るのはフェアじゃない。ギブ・アンドテイク、等価交換で俺の秘密を教えよう」
一呼吸置いた後で、遙は低く言葉を吐き出した。
「俺もピアノが苦手だ……いや、正しくはピアニストの友人が苦手だった。嫌な奴だったよ、本当に。時として殺したいほどに」
「だった?」
「……もうこの世にはいない」
今思えば、彼が遙に入れ込んでいたのは、唯一遙だけが彼に無関心だったからだろう。崇める者と羨む者、妬む者しか周囲にいない環境で、意地でも振り向かせたかったのだろう。
「人間が才能の奴隷になる事はない。他人の為にピアノを弾く事もない。……まぁ、生まれ持った才能を他人のせいにする事もできないがね」
遙は静かにそう呟くと、紅茶を飲み干して立ち上がった。
「そろそろ失礼するよ。会えて良かった」
どう答えれば良いものかと思案しているような表情の紫音をそのままに、遙は月詠と時子に珈琲のお礼を言ってから喫茶店を出た。
この能力は、カウンセリング向きだと、眼鏡を押し上げながら思う。他人の過去を窃視する事はいただけないが、誰かの記憶に彼の面影が潜んでいるかもしれない。それが謎を解く手掛かりになれば……。
相変わらず濃い霧が街を飲み込んでおり、視界の悪さが心をざわつかせる。分らないものほど、人の心を捉える力は強い。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
31人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年04月05日
参加申し込みの期限
2014年04月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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