ある日、天から降ってきた『何か』｜リアクション

ある日、天から降ってきた『何か』

【全滅、そして……】

　その光景を、円は遠目に見ていた。
　すでに、邪魔するものはおらず、ドラゴンへと一直線である。
　片手には、ゾンビから奪った片手剣を携えている。
　海は、その円と共にドラゴンの方へと歩む。
　蛇那伊は、先ほどのトロール戦で海をかばい、寝子島へと送還されている。
　残り戦力は、二人。
　円がドラゴンへと近づいていく。
　剣は腰に差し、学生鞄をぶら下げている。
『……』
　その姿にさすがのドラゴンも、間を置く。
「勝てるか！　こんな勝負！　ねぇ！　名前は？」
『このような時に名を問うか……が、我に名は無い』
　突然、自己紹介を始める円。
　海も、なぜか乗っている。
　スケッチブックの用意も万全である。
　ちなみに、無防備な二人にクリーパーが飛びかかったが、海に弓をぶつけられずるずると海が自分の手前まで運んでいる。
　そんな海から視線をそらすように、円は発言を続ける。
『それで、我に食われる覚悟ができたか？』
「そうそう、ドラゴンに喰われるなら名誉だろうさ、あの世でも土産になるだろうしさ。頼むよ」
『その心意気、気に入ったぞ』
　元から、人間を下にみているドラゴンである。
　そんなお願いされたら、聞いてしまう。
　円は、気をつけて剣を下に置く……ドラゴンが気をよくしてゆっくりと口を開け、円に迫る……。
　今までのダメージもあったのだろうか、それで判断力が落ちたのか、ドラゴンはいろいろな意味で完全に疲れていた。
（今だ！）
　海が、割り込んで、【アクセラレイトライン】をなんとドラゴンに向けて引く。
　クリーパーがドラゴンに向けて発射され……そして剣を拾い直した円がそのラインにすぐさま乗っかる。
「へっへーん、引っかかったな！」
　なんと、円はドラゴンの内部へと自ら飛び込んでいったのだ。
　そのすきに、海は脱兎のごとくドラゴンから離れる。
『ぬぉ……おおおおおおのれ！　騙したなぁぁぁ！』
　クリーパーを盾に、円は思いっきり剣を頭に向けて突き立てる。
　そして、ずぶりとドラゴンへと刺さる……。
　べっと、円ははき出され、円は地面とぶつかった。
「いててて」
「円ちゃん！」
　慌てて、海が戻ってくる。
　そして、ゆっくりとドラゴンが倒れる音がした。

　逆転勝ちである……。

　こうして、寝子島を突如襲ったドラゴン事件は終了を迎えた。
『ところで、なんでそとのこうげきがきかないっておもったの？』
「んー、寝子島書房『幻想解体新書』に、ドラゴンの討伐方法や、いわゆる鉄則みたいなのが乗ってて……」
『ちょっとはんそくかもね』
　そう言って、二人の少女は笑いあったとさ。

　めでたしめでたし？

　おわり

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あとがき

担当マスター：じんの
ファンレターはマスターページから！

……は、終わりました
今回は、人類側の勝利です
いや、その発想はなかった

外側ががちがちに硬くて、内側がもろい点に気づいたのは素晴らしいと思います
といっても、他の人もがんばった！
いろんな関係で割愛したんですが、残り二人になるといい加減腹減って判断力落ちますよね、と

そんなことをいいつつ、お疲れ様でしたー

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