ある日、天から降ってきた『何か』｜リアクション

ある日、天から降ってきた『何か』

【ドラゴンキラー作戦、発動！】

　即席のチームをまとめ上げた修は、以下のようにチームを割り振った。
　攻撃力のある轟を前衛に出し撃破役に、回復が出来る美咲紀が後衛でこちらが回復役。
　ねむるを遊撃にあて、まだまだいるクリーパーへの対処とする。いわゆる制御役である。
　最後に、駒鳥を後衛に置き、牽制と防衛役を担当させる。
　修本人は指揮役である。
　一見するとゲームの世界のようだが、修たちの目の前には事実ドラゴンが居るのである。
　そのドラゴンは、荒太郎とかなえを踏みつぶした箇所に居る。
　沼地は衝撃で吹き飛び、辺り一帯に一時的に泥沼がむき出しになる。
　さらに足場が悪くなっている。
　また、しばらくするとまた水は元に戻るだろう、
　ドラゴンが降りた衝撃で、ここの地形が低くなり沼地の水が流れ込んできているのだ。
「まずは、一発じゃ！」
　駒鳥がすかさず、ドラゴンに向けてエアライフルを放つが……。
『次は……数で来たか。いい加減人間を食いたいものだ』
「島の皆を獲物なんて言いやがった！　そんな事、この俺が許さん！」
　ストレイトとなった轟の一撃がドラゴンを捉える。
　が、むしろ自分の拳が痛い。
「か、硬い……！」
「離脱だ！」
　慌てて修の指示に従う轟。
　間一髪で、クローから逃れることが出来た。
『ふんっ』
　ドラゴンが翼を広げ、羽ばたいて風を起こす。
　クリーパーが弾丸となって、修らに襲いかかる。
「どろに濡れてもいい、伏せろ！」
　一斉に伏せてそれらをやりすごす。
　が、クローを避けていた轟に集中的に当たり、ぐらりと轟が揺れる。
「ヒーローが苦戦するってのはお約束フラグだもの　貴方の復活を皆が願っているの、と祈って踊ります」
「うっしゃー！　体が回復したぞ！」
　美咲紀のろっこん【舞花の祈り】の効果により、轟は回復する。
「防犯用ブザーが役に立たないとは……」
　そう言いつつ、すーっとねむるは接近する。
「へへ……チェックメイト、だよ」
　倒すべきクリーパーが吹き飛ばされたので、ねむるはドラゴンに接近し、ろっこん【In to the Sleep……】を使おうとするが……。
「額が下がってないぞ！　下がるんだ！」
　ドラゴンはゆくりと起き上がり、テイルアタックをねむるに当てる。
　ばしっ！　と肉を撃つ音が聞こえ、ねむるが吹き飛ぶ。
『……後ろに面白い奴が居るな』
「そいつは、どうも！」
　ドラゴンがゆっくりと歩行し、修に迫る。
「今だ！」
　修の声を合図に、先ほど美咲紀たちが確保した弓をドラゴンに向けて撃つ。
　といっても、熟達した技能が無いので、なかなか思うとおりに当たらないのだが……。
　駒鳥がエアライフルを、修と轟とねむるで弓をうち、回復に美咲紀が回るといういわゆるクロスファイヤーを成立させるに至ったのである。
『こざかしいわ！』
　ドラゴンがブレスを吐こうと大きく息を吸い、口を持ち上げる。
「拳や近接武器で心臓を狙え、俺は狙撃で脳を貫く！」
　修が、射撃部に持って行こうとしていたエアライフルを鞄から取り出し、ドラゴンへと向ける。
「ドラゴンに人間の底力ってのをみせてやるんだ！！」
　轟が、思いっきりドラゴンの心臓があるであろうところへと接近し拳をたたき込む！
「よし、腹の肉質は柔らかいはず。一気に間合いを詰め槍を突き刺す！」
　ねむるは、ゾンビが使っていたであろうやりを確保し、一気に突き刺す！
「壁役とは、難儀じゃのぅ……だが、これで……！」
　駒鳥がブレスの地点を予測し、【ウィーク＆ソリッドウォール】を展開する！
「生物は死んでしまったら食べるのが供養。美味しくいただきます」
　勝利を確信した美咲紀がその後のことを考える！
　心の中で、全員がこう思った。
（（（（（やったか！））））
『ぶぅぅぅらぁぁぁぁぁああああああ！！！　今のは痛かったぞぉぉぉぉぉぉぉ！』
　怒りに満ちたドラゴンのブレスが、ウィーク＆ソリッドウォールごと全員を巻き込む。
　先ほど寄りか、若干威力が増しており、さらにドラゴンの周囲が完全に黒い霧で覆われている。
　前衛にいたものはブレスのダメージが低かったものの、黒い霧からの、ダブルクローのコンボを喰らう。
　後衛に居たものは、ブレスの一撃でもはや動けない。

　ドラゴンキラー作戦の狙いは悪くなかったものの、失敗に終わる。
「どこも硬いとか……反則だろ」
　修のそのつぶやきを残して、五人は寝子島へと送還された。
　だが、ドラゴンにはダメージは蓄積されている。

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ある日、天から降ってきた『何か』

シナリオ

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