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親父の気まぐれ鯛焼き ロシアンルーレット風味~潮風を添えて~
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【親父の嘆きと彼らの笑顔】
少なからず心持ちの上向いてきたらしい板谷は、ばりばりと焼いて焼いて焼きまくり、量産されるランダム鯛焼きは、次々と人々の口の中へ放り込まれていく。ことに、板谷のろっこんの仕組みを解明すべく調査に没頭する面々は、時にその味の変化に翻弄されつつも、真剣な面持ちで取り組み、ケンケンガクガクと活発に意見を戦わせたりしていた。
……の、だが。
「……解せぬ……解せぬ……」
こう、なかなかに成果が見えないままでは、一時は急上昇したテンションも、徐々に尻すぼみとなってくる。
しばしの盛り上がりの後、やがてあたりには、行く先の見えない閉塞感が漂いつつあった。
そして、それに比例してなのか、周囲に聞こえる味の感想には、苦悶の声がその割合を増してくる。
「……これは……キムチチャーハン味? かしら? 何だかもう、良く分からなくなってきたわ……」
先ほどから、やたらに辛いものばかり引き当てている
ティナ・フォルトゥス
は、端正な顔に汗粒を浮かばせながら、ぱたぱたと襟元を開けて扇いでいる。この暑い盛りに、辛味は食欲増進、新陳代謝は活性化と良いことずくめではあったが、こう続いてしまうのは、いささか厳しいものがある。
かと思えば、隣の
剣崎 灯子
は、
「うっ!? こ、これは……ゴーヤだ……とーこ、ゴーヤだけはダメなんだ……!」
口中から脳天までじわじわと登ってくるような強烈な苦味には、何を食べても実に美味しそう、満面の笑みを浮かべるさしもの灯子であっても、思わずウエッと舌を出して見せた。
と、それを見ていたティナ。
「ねえそれ、交換しない? そろそろ、辛くないたい焼きも食べたいのよ」
「あ、ありがとー! とーこ、ゴーヤ以外なら何だって食べるぞ!」
正直言ってあまり美味しそうには見えない鯛焼き同士を、喜んで交換する二人。妙な光景ではあったが、事このような状況に至っては、そんなやり取りもそこかしこで見られたりした。
「……ちょっと、君、大丈夫? 無理しなくてもいいのよ?」
心配そうに言ったティナの隣では、
橘 明里
が、何と表現したものやら……とても深みのある複雑な表情を浮かべつつ、両手に持った鯛焼きをぱくり、ぱくりと食べ進めている。
気合充分、周囲にも対抗心を燃やしつつ、一心に鯛焼きを頬張り続けるその姿は、板谷をして天使とも言わしめるほどであったが……少し前から、明里にはもはや、言葉も無かった。生ワカメ味、焼きスルメ味などはまだ良いほうで、小麦粉、しょっつる、ガラムマサラなど、食材というよりは原材料そのまんまなものを直でぶち込まれてしまった日には、天使のような明里も、『ぴぎゃー』とも鳴かなくなることうけあいである。
「だ、大丈夫か? それ、とーこが食べてやろうか? とーこ、ゴーヤ以外なら何でも食べられるぞ!?」
と灯子も申し出るが、明里はぶんぶんぶん、首を振った。注文したからには、意地でも自分で食べ切るつもりであるらしい。
「そう……でも、あまり無理をすると、身体を壊すわ。程ほどに、頑張りましょう?」
「おー、一緒にがんばろー!」
目を白黒とさせながらも、こくりとうなずく明里。二人の優しさが胸に染みた。
そんな彼女の健気さに打たれたのか、ティナと灯子もまた、完食を目指し食べ進める。
味は概ねキツかったが、板谷の鯛焼きは、人々の中に、奇妙な連帯感を生み出しつつあったりした。
「ふーむ……」
立井 駒鳥
は、
呉井 陽太
と
榊 彩斗
が書き綴った味と感想についてのメモと、
椿 美咲紀
のレコーダーに録音されたコメントの数々に、自身が書き連ねたノートを突き合わせては、口元に手を当てて思案している。
彼もまた、板谷の店には良く鯛焼きを買いに来るらしい。馴染みの顔が鬱々とした表情を浮かべているのは見逃せない、と語った。
そんな風に集った彼らが、方々を巡り巡ってかき集めたデータは、既にかなりの数に上っており、
「なるほど、ようやく見えてきたようじゃの。こりゃ、呉井さんの言うとった説に、いよいよ真実味が増してきたかの?」
駒鳥が言うと、彩斗が自分のことのように、そうだろう……と自慢げな顔をしてみせる。
「そうだと良いんだけど……でも、本当におじさんの『感情』が影響してるって分かったとして。それを上手く扱えるかどうかは、また別なんだよねぃ」
「そうですねー。ちゃんとコントロールできるようになれば、良いんですけど」
陽太の言葉に、
薄野 五月
が同意する。
五月もやはり、鯛焼きは大好き。彼女の胸中には、いつかおばあちゃんがお茶の時間にと買ってきてくれたあのアツアツの鯛焼きを、家族みんなで食べた思い出がまざまざと蘇る。
「まぁ、それはそうなんじゃが。相も変わらず、この皮は美味いし……味がランダムなのも、俺は楽しいと思うんじゃがなー。それじゃ、ダメなのかのう?」
と言って首を傾げる駒鳥の手の中にある鯛焼きは、豚生姜焼き味。彼は調査を進めて記録や整理を行う傍らで、次々に追加の鯛焼きを頼んでいたりした。バニラアイス味にオレンジ味、時には海藻サラダ味に参ったりしながらも、感想を聞きがてら皆にお裾分けして楽しんだりと、何だかんだで気に入っているらしい。
「私も、面白いなーって思うのですよ! キュウリを入れた鯛焼きが黒蜜味になっちゃうなんて、ちょっとすごすぎるのです」
と、レコーダーに記録した音声を確認しつつ、美咲紀も笑う。
板谷の鯛焼きは、本人の思惑はさておくとしても、こうして多くの客たちを楽しませ、喜ばせている。漂う閉塞感は、味にもどうやら影響してはいるらしいものの、先のティナや灯子のように交換しあったり、明里のようにちょっと厳しい味に見舞われてしまったら、それを助けようと申し出たり。
板谷のランダム鯛焼きが今日、この場で生み出した笑顔は、数え切れないほどなのだ。
とはいえ……それを眺める五月の心中は、少々複雑でもある。
「もちろん、それも良いことだと思います。でも、もしずっと、本来の味の鯛焼きが作れなくなってしまったら。このまま、普通の餡子の鯛焼きが作れなくなってしまったら……それはやはり、苦しいことだと思うんです」
「ふむ、やっぱり、そういうものなのかの」
駒鳥に、五月はこくんと大きくうなずく。
「私も、食べ物屋の娘ですから。そうなったら、きっと悲しいなぁと思うんですー」
そう。五月は、旧市街は参道商店街に軒を構える、『蕎麦屋すすきの』の娘である。板谷の身に起こったことは、彼女やその家族にとっても、決して他人事では無いのだ。
ランダム鯛焼きにも良いところはありつつ……理想はやはり、板谷がろっこんを自在にコントロール、あるいはオン・オフできるようになることだろう。その点については、ちょっぴりしんみりとしたこの場の全員にも、異論は無かった。
「うむ、そうじゃな。まずは、おじさんがいつも通りに鯛焼きを焼けるように。ランダム鯛焼きを楽しむのは、その後でも遅くは無いからの。幸い、こうして方向性は見えてきたことじゃし……」
と、そこで。はたと何かに思い至ったらしい駒鳥が、こういうのはどうじゃろ? と提案したのは、
「「皮だけ先に焼いてから、餡子で包む!」」
同時に言った五月も、実は同じことを考えていたらしい。二人は顔を見合わせ、笑った。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
青丹 よし乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月11日
参加申し込みの期限
2014年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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