熱血！　寝子島不良伝　～坊主来襲～｜リアクション

熱血！　寝子島不良伝　～坊主来襲～

【その頃、外では】

「……設置し終わったな」
「……」
　偽装爆弾を設置して時間になったら一斉に燻煙式殺虫剤から煙が出るようにする……それが草薙龍八の目的であった。傍らで、ヨハン・プレストンが次々と不良を屠っていく。
　目的部分で一致したと思ったら、あとの行動は早かった。龍八もヨハンも素早く体制を整える。ヨハンの攻撃は容赦がなく、一撃どころではない、手をだした時点で相手は恐怖を味わうことになった。
「串田美弥子をトラウマになるほどの『ナニ』……恐怖のどん底に落とすのは俺の趣味だ……坊主もいるし火葬して念仏を唱えてもらって成仏しろよ……ククク……」
「……」
　龍八はものすごく物騒なことをつぶやいている横で淡々と、不良を片付けていくヨハン。
「痛てぇーッ！　痛てぇーよ！」
　あるものは指を押えて蹲ったりして、完全に気絶したりしている。
「……あいつら、何やってんの？」
　ビルの屋上から、焔は考える……。あれ、危険じゃないのと。
「あ、ナイスタイミング」
　焔はある人物が、不良をなぎ倒しながら向かっていくのを見て、何故かひと安心した。
「あとは、終わり際に火炎瓶を投げ込めば……ククク」
「……」
「何だ行くのか、あぁ、あとはこちらも勝手にやらせてもらう、元々そういう話だしな」
「……」
　ヨハンはそうして、次の戦場を求めて去っていった。どうやら、別の場所で不良たち相手に立ち回りをやるらしい。まだまだ獲物は残っている。そう、龍八が思った瞬間だった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！」
　雄叫びが聞こえた。
「……あいつか」
　龍八はやれやれと首を振る。この時点で嫌な予感がした。次の瞬間、不良たちを吹き飛ばして、二階堂旭が現れた。
「なんや、誰かと思ったらリューハチか」
「……なんの用だ？」
「なんや！お前…俺を止めるつもりか？　残念やが、お前は俺には勝てん」
「会話をしろ、会話を」
　突然、熱く語り始める旭に、戸惑う龍八。
「なぜかって？　お前がヴォーガーとして、カルトヴォーグを愛してないからや！」
　何故か、味方同士の寝子校生同士が、このような雰囲気になるとは思わなかったのか、あっけにとられる不良たち。
「うおおおお！！！　ウォーグプレイ！」
　そう叫びながら自身のおもちゃを掲げる旭に、龍八は戸惑いつつも、逃げ道を探していた。
「今いいところだからな、邪魔をしないでもらおうか……ククク」
　と言いつつ、『破空法』の構えを作る龍八。
「穿て」
「どやぁぁぁぁぁぁぁ！」
「なんでーーーー俺たちまでーーーーあーーーッ！」
　ものすごい衝撃に、吹っ飛ぶ後ろの不良たち。
　そして、衝撃と謎ダメージを受け吹き飛ぶ龍八と、旭。
「世界征服！？　やるなら俺一人でやる！！　誰の助けも借りんッ！！　それが……二階堂旭やァァァァァァ！！！！」
「意味が……わからん」
　同時に気絶する二人。
「ごめん、橘先輩、あの二人回収しておいて。ついでになんか仕掛けてたから撤去しておいてください」
　結局、テロは失敗に終わった。焔は呆れたように敦志にお願いをした。
「……」
「う、うわぁぁぁぁ！」
　ヨハンはこの結果を予想していたのか、うち漏らした不良を容赦なく打ち倒していったという。
　後に、ヨハンの容赦の無い攻撃を受けた不良たちは、入院を余儀なくされるほど凄惨な攻撃であったという。
　このとき、正面入口と倉庫内部以外で外にいた不良の多くはヨハンによって倒されていったという。