ここは、寝子島の街の一角。見慣れない制服の男たちが道行く寝子高生にガンを飛ばしていた。
ジロッ! ささささっ。
ギロッ! ささささっ。
「ちっ、ノってこねぇな」
「これじゃぁ、千手丸(せんじゅまる)様に申し訳がたたねぇ」
「この島の強い奴と争うどころか、喧嘩にすらならねぇってよぅ」
どこか焦ったように呟く不良たち。
ピロリロリロ、その瞬間、誰かの携帯が鳴り響く。
「……はい、……はい。その通りに致しやす」
「何だって?」
「誰でもいいからさらって、無理やり巻き込めってよ……お、あの女にしようぜ」
……そして。
春の寝子島のとある場所、その路地裏に、一陣の風が吹いた。
その風はやけに冷たく、そして熱っぽい何かを帯びている……。
「げひゃひゃひゃひゃっ! 俺たちゃ天下の木天蓼工業高校だ」
「あーぁ、残念なやつだなぁ、オイたちに捕まっちまうなんてよぅ」
「クヒヒヒヒ。金だせやオラァ!」
ずらりと取り巻いた不良たち、その中から三人の男が進み出て、
串田 美弥子に脅迫をしていた。
代表格なのは、それぞれ何故か特徴的な髪型をした。
右から、緑色のパンチパーマに、くわえタバコのグラサン。
真ん中に、漆黒の角刈りで、ごっついゴリラっぽい男。
そして、左には黄金色のモヒカン。肩に防具を付けて拳にはメリケンをしている。
どいつも、学ランを着崩しており、だらしなくTシャツが顔を覗かせており、そのTシャツには良くは読めないが誰かを賛美する言葉が書かれている。
まぁ、なんというか典型的な不良である。
その後ろには、さらに何十人かの不良が徒党を組んでおり、ニヤニヤと笑みを浮かべてみている。美弥子は、じりじりと逃げようとするも、壁際に追い詰められていた。
「た、助けてよ。なんで、私なの……!?」
戸惑いつつも、必死で逃げ道を探すも。
「おうぉう、いい声で鳴くじゃねぇか、鳴いても助けは来ねぇぜ!」
「あぁー、この声いいねぇ、やっちまいてぇ」
「クヒヒ、それは下品ってもんだぜ!」
ドッと沸く不良たち。そしてたちまち、捕まってしまう美弥子。
騒げないように、口に布を無理やり入れられる。
「――っ! ――ッ!」
「暴れんなよッ、このアマッ!」
「……ぁ」
何かを染み込ませた布が、美弥子の鼻に押し当てられる。
すると、薬で意識を失ったのかぐったりする美弥子。
「げひゃひゃひゃひゃっ、おとなしくしておくんだな」
そう言って美弥子は不良たちに連れて行かれたのであった。
「……連れてきましたか。おや? 少々手荒になったようですね。まぁ、よくできました」
美弥子が連れて行かれたある倉庫の一つ。そこには、一人の男が不良たちの帰りを待っていた。
法衣と袈裟を制服の上に羽織っている謎の男だ。まるでその状態を歓迎すると言わんばかりに拍手をする。
そしてその男の前に目を覚ました美弥子は投げ出された。無論、両手両足は縛られた状態で、だ。
「千手丸様だ、たっぷり媚びて挨拶しな」
「クヒヒ、ま、どうせあとでたっぷり媚びるんだがなァ」
「ひゃっひゃっひゃ、千手丸様万歳ッ! これで楽しめるゥ!」
ニヤニヤと、いやらしい視線が美弥子をねっとりと舐めわすように集まる。
美弥子は、震えながらもその千手丸と呼ばれた男を観察した。
身長はゆうに2メートルを超えようか、大男であり、がっつりとした筋肉が全身に盛られている。背中には錫杖のようなものが下げられており、その男がふわりと美弥子の前に立った。
「とりあえずは、ようこそ我らが根城へ。君たちはこれから人質になっていただきます。もちろん、拒否権はありません」
と、どこからかデジカメを取り出してバシャリッ! 美弥子を撮影した。
「あっ……! 何をするつもり……?」
「何をって、もちろんナニをですよ? もっともそれはあとのお楽しみですが」
ひゅぅ! と盛り上がる不良たち。
美弥子の言葉に応えつつ、千手丸は楽しそうに近くにいた不良の一人に言った。
「君、この地図と今の出来事を寝子高生に教えて差し上げなさい。できるだけ正義感の強そうなやつがいいですね。そんな人がいるかどうかはわかりませんが、いなかったら適当にお願いします」
「ヘイッ! わっかりやしたッ!」
「あ、そうそう、写真は印刷して添えてあげてくださいね。今、彼女がどんな事態を迎えているか……教えて差し上げたほうがいいでしょう」
そう言って、地図と申し添えを持ってかけていく不良。
「くっくっく、さて、どんな奴が飛び出してくるか……あぁ、楽しみですね……私を満足させられる奴がいればいいのですが」
といって、言葉を区切る。そして、部下に向けて命令する。
「その子を奥の部屋へ連れていきなさい。奴らが負けたあとじっくりと皆で説法して差し上げましょう。そう、全身隅々に仏を感じるようにですね……」
千手丸の楽しそうな高笑いが、倉庫の中に響きわたった。
皆様、ボォンジョルノ!
敵は不良! 今回のボスは千手丸です。
さぁ、寝子島不良の暴れどきだ!
主要な敵は書いたように
千手丸(せんじゅまる と読みます)とその配下で
緑のパンチパーマ
角刈り
黄金のモヒカン
となっております。
・重要!
今回は、彼らから所謂、挑戦状が送られてきました。
すぐに美弥子を助けにこない場合、彼女の「ナニ」は
保証されないということが書かれています。
敵の総数は不明ですが、はっきり言ってまわりは雑魚です。
時間をかければかけるほど美弥子は危険になっていきます
スマートに奴らをぶちのめしましょう
・千手丸について
なお、千手丸は普通に強いので
そのへんを踏まえたアクションを書くと良いでしょう。
倉庫の中には何があるか不明です
あと、彼が使用するのは拳法と杖術ということが判明しています。
背中には、なにやら錫杖のようなものを下げています。
・倉庫の場所に関して
すでに分かっているものとします。
周囲に人の気配は全くなく、たまり場として使用されているみたいです。
ちなみに、美弥子に関しては、現在監禁されております。
また、人質となった美弥子は、
千手丸やその周辺の部下が倒されれば解放されるでしょう
(例え千手丸が倒れても、彼らはその部下筆頭の三人がいる限り抵抗をやめません、倒され方によってはむしろ士気が上がる可能性すらあります)
(ほかに手立てが考えれるならば、トピックなどで周りと相談して是非にどうぞ)
さぁ、美弥子の「ナニか」はあなた方の手に委ねられた!
(※ コツではないですが、セリフが多いと助かります)