熱血！　寝子島不良伝　～坊主来襲～｜リアクション

熱血！　寝子島不良伝　～坊主来襲～

【美弥子の様子は……？】

　不良の一人が、伝言に向かって数分。千手丸がそばにいるモヒカンに聞いた。
「そうそう、人質ですが、ちゃんと指示通りにやっていますか？」
「クヒヒヒヒ、『アレ』を持ち出すとは、さすが千手丸様。今頃は極楽を感じていやす」
「ふふふ、ならばいいのです。足りぬようならもっと出して差し上げなさい」
「クヒヒヒッ！　承知しやした」
　話している内容は、おそらく串田美弥子の拘束状態のことであろう。
　一体、美弥子はどうなってしまうのかっ！

　さて、その頃、寝子高生サイド。
「……ッ！」
「ぶひゃぁっ！」
「……アンタら、こんな大人数で女の子さらって恥ずかしいと思わないの？」
　勢いよく決まった右ストレートに当然の如くぶっ飛ばされる不良。そして、笠原ひびきが地図と写真をひらひらさせながら冷たく見下ろす。
……伝言に来た不良はなんとそのまま捕まっていた。
「知らせを聞いたほかの人は、既に現地に向かっているわ。あたしはフォローに回るつもり」
　神薙焔は、その光景を見つつも、他の生徒を見回して言う。手には、現地付近の自作の手描き地図があり、既に何をするかも決めている。
「恐らく美弥子は餌だ」
　八神修は、素早く相手の目的を見抜いていた。
「真の狙いはおびき寄せられる正義感もケンカも強い……そう、皆の事だ。奴はただの喧嘩馬鹿じゃない、頭のいい馬鹿だよ」
「……どうやらそのようだな。あたしたちも行こう」
　そう言って歩いたひびきに続いて歩き出す一同。ふと、修は顔をしかめているひびきに気づいてぼそぼそと話しかける。
「……何か聞こえたの？」
　修が言っているのはひびきの『ツーカー・トーカー』のことだ。
「……もう白いのを見るのは嫌！　とか、そんなにいっぱい注がないで！　とか……ハレンチ極まりない内容だ。早く助けてやらねぇと……でも、なんか思っていた状況とは違う気がするような気がするんだぜ」
「あいつら、一体何考えてやがる。……訳が分からん。ひとつ言えることは、馬鹿に変態を追加する必要がありそうだな」
「……二人とも、早くいかないと間に合わないわよ！」
　ひびきと修は、色々と腑に落ちないと思いつつも、焔の言葉に頷くと、慌てて現地に向かったのであった。

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