this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Melt Sinner
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
14
つぎへ >>
冷たい風が頬を撫で、
常闇 月
は一つに結んだ長い三つ編みを揺らしながら空を見上げた。夜空に散りばめられた星々は弱々しい光を放っており、薄い雲に抱かれた満月は輪郭がジワリと滲んでいる。何処からともなく歌声が聞こえ、月は闇に目を凝らした。風に乗って流れてくる歌声は透き通っており、耳を澄ます。歌は、日本語でも英語でもなかった。聞きなれない言葉は何と言っているのかはわからなかったが、心に訴えかける何かがあった。
この島に来るまで、月の毎日は幸せとはいえないものだった。組織によって名付けられたウルフズベイン(鳥兜)という名前、ただ組織のためだけに動く人形時代。何人の人々を不幸にしたのか、遠い記憶は開かれる事を拒むかのように、閉ざされつつある。向き合うべきものだと言う事は分かっているのだが、正確に思い出す事が出来ない。思い出せないと言うこと自体が異常なのだと理解はしている。でも、人形時代、月の感情や思考は閉ざされていた。相手にどんな家族がいるのか、どのような生活しているのか、相手の今の幸せを奪っても良いのかと悩むほど、月には隙が生まれる。分かっていたからこそ、自身の感情を押し殺し、深く考えないようにしていた。命令だからと、それ以外の事は意識的に頭から排除していた。だからこそ、一体何人の人が不幸になったのか、月には思い出すことが出来なかった。
けれど一人だけ、よく覚えている人がいる。否、目標自体はそれほどよく覚えているわけではない。けれど、彼の子供の事はよく覚えている。月は目標となっていた人物の子供の友人という立場を利用して近づき、彼らの幸せを奪った。
暖かな家庭だったと思う。美人でお菓子作りが得意な母親に、少し勝気なところがあるものの、明るくて優しい娘、二つ年下の弟はやんちゃで、月が遊びに行くと、買ってもらったばかりの玩具を持って来ては、自慢げに見せびらかしながら遊んでいた。壁には大きな絵がかけられていて、母親の作るクッキーは甘くて、所狭しとぬいぐるみが並べられた子供部屋の片隅には、小さな電子ピアノが置かれていた。大きな目が特徴的な、可愛らしい女の子だった。最近のアニメの話や、可愛いショップの洋服の話、隣に住む幼馴染の男の子が気になっているという話をしていたのも覚えている。あの子が私の事を好きだったら良いのに。そんな呟きに、月は曖昧な表情を浮かべながら彼女の考えを肯定した。彼が彼女を好きだったのかどうか、正確には分からなかったが、可能性がゼロではないことはなんとなく感じていた。薄いレースのかかった窓から見える庭には赤い薔薇が咲いていて、白いガーデンベンチの背には複雑な紋様が描かれていた。
どこにでもあるような、幸せな家庭。それを壊したのは、月だった。目を瞑れば、あの時の光景を思い出す事が出来る……。
その日、月は夕食に呼ばれた。昼間に彼女は幼馴染の男の子と喧嘩をしていて、その相談を受けていた。喧嘩の内容自体は大した事はなかった。明日ちゃんと謝ればきっと許してくれる、そんな事を言っていたのを覚えている。でも彼女には、男の子と仲直りする機会はなかった。淡い希望を打ち砕いたのは、明日になればきっと今まで通りになるとアドバイスした月自身だった。
いつの間にか、歌は聞こえなくなっていた。心に残った歌の余韻に浸りながら、月は目を閉じた。
果たして、罪を償う事は出来るのだろうか。幸せになっても、良いのだろうか。何人もの幸せを踏みにじり、不幸へと突き落としてきた月が……。組織がなくなってから何度も考えては、詮無いことと結論つけていた。そのときには、幸せそのものを知らなかった。
一見すれば凄く平和で、けれどどこか危険を孕んでいる寝子島。こんな島だけれども、月にはかけがえのないものを見つける事が出来た。守りたいと思うものが手に入った。守りたいと思える人との平和で優しい日常こそ、月の幸せなのだろう。
この力は、これからは守るために使えばいいと、あの人は言ってくれた。月の過去を告げても、あの人は受け入れてくれた。だからこそ、もう迷わない。
今まで数多の人の幸せを奪って来た。幸せが突然に奪われる瞬間を、何度も見てきた。いつか月の幸せに不幸の魔の手が迫るかもしれない。世界はある意味では平等で、誰かにだけ不幸や幸せを与え続けるわけではない。幸せな今が永遠に続くなんて、思っていない。人の不幸を積み上げてきた月にもいずれ、それに見合うだけの不幸がやって来るだろう。でももしもその時が来た時、月はただ受け入れるだけではなく、戦いたい。過去の罪が消える事はなくても、未来を諦める事はしたくない。
罪は罪のまま胸に抱き、前に歩もう。未来までも罪に彩られないように、幸せを追い続けながら。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Melt Sinner
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月13日
参加申し込みの期限
2014年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!