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寝子島高校
Melt Sinner
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机の上のライトを点け、
志波 武道
は口元を緩めながら広げた写真に目を落とした。弟の写真を日付順に並べ、アルバムに丁寧に綴じていく。弟が見たら心底嫌な顔をするだろうという事は容易に想像できるが、すでに時刻は深夜を過ぎており、もう深い眠りに入った頃だろう。武道と一緒に写っている写真の八割方、弟は渋い表情をしているが、デフォルトの表情がそれだと思えば特に傷付かない。うん、と言うか、弟愛で写真の渋い表情を笑顔に変えることくらい朝飯前デス!
写真を纏め終え、弟情報の詰まったメモ帳に今週の居眠り具合をつけると、悦に入った表情で眺める。弟の事を考えながら、弟の成長の記録をつけ、キャッキャウフフする。なんて素晴らしい時間なのだろうか。もう、眠気なんて吹き飛んでしまう。弟の事なら、24時間体制で考え続けられる! 武道は暫し弟の記録と戯れた後で、大切に引き出しに仕舞うと鞄の中から一冊のノートを取り出し、本棚から水泳の本を抜き取ると広げた。
「これやってから寝るか」
誰にともなく、独り言を呟く。今日中に本当にやらなくてはならないのは、弟の記録の整理ではなくこっちだった。いつまでも、楽しい事にばかり逃げていてはダメだ。武道は自身を奮い立たせるように一つ息を吐くと、最近のタイムを丁寧に見ていく。
寝子島に来てから、タイムはあまり良くない。同じタイムの羅列を見て、武道は小さく溜息を吐いた。タイムが伸びないばかりか、自己ベストすらも更新できなくなっている。寝子島に来る前までは、多少のタイム差はあるものの、着実に記録を伸ばしていたと言うのに……。練習も手を抜いていないし、日々のトレーニングだって前と変わらない量をこなしている。脱臼した肩だってもう完治していて、違和感はない。寝子島高校のプールの水の感触にも慣れて、タイムを伸ばせるだけのイメージは出来ている。それなのに、武道のタイムは一向に縮まらない。身体的にも、設備的にも問題はない。タイムが縮まらない要因は、その他の部分と言う事になる。
ノートの間からハラリと落ちてきた一枚の写真を手に、武道はかけていた眼鏡を外すと立ち上がった。長時間座っていたために硬直していた身体の筋を伸ばすように大きく伸びをして、窓を開ける。空には見事な満月が輝いており、どこからともなく細い歌声が聞こえてくる。透明感のある歌声は美しく、武道は暫し聞き入ると、前の高校で写した写真を見た。
水着姿の水泳部の仲間がプールサイドに立ち、皆思い思いのポーズで笑顔を浮かべている。空は青く、目に痛いほど白い雲が一つ浮かんでいる。揺れる水面はキラキラと輝き、真ん中でピースサインを作る武道の顔は晴れやかだ。
この前地元に帰ったときもこの写真と同様、皆元気そうだった。と言うよりは、元気そのもので、寝子島高校の可愛い子について色々と突っ込まれた。でもあの時、武道は意識的に水泳の事を話さなかった。それを知ってか知らずか、仲間達も一言もタイムについて話さなかった。
武道の脳裏に、寝子島高校に編入する旨を仲間達に伝えた日の事が蘇る。皆寂しそうな顔をして、どうして急に転校してしまうのか、ここに何か不満があるのか、不安そうに聞いてきた。武道はいつもよりも数倍明るい声で弟の事を話した。
『弟が行くから? このブラコンめー!』
『信じらんねぇ……マジで引っ越すん?』
『せっかく記録伸びてきて、先輩達もブドーのこと話してたのに』
それでも、弟が行くから。そう言う武道に、仲間達は笑顔で明るく言ってくれた。
『こうなったら、全国大会でガチンコ対決とか目指そうぜ!』
『大会までにタイム伸ばしてやる! ブドーにだけは負けねーかんな!』
『せいぜい、ブラコンすぎて蹴り返されないようにな!』
全国大会で会おう。そう約束して、武道は明るく送り出してくれる仲間達に手を振って、こっちに来た。それなのに、このザマだ。全国大会で仲間達と会えるようなタイムではない。
武道は自分の記録が細かく記されたノートを机に投げ、目を閉じた。寝子島に来た事は、後悔してない。けれどたまに、寂しそうな仲間の顔が脳裏を過ぎる。後ろめたいような、心に重く圧し掛かるこの感情は、罪悪感だろうか? 俺が? こんな些細なことで?
寝子島行きを決めたのは、武道だ。仲間と再会を約束して去ったのも、武道だ。そして、記録を伸ばせないでいるのも、自分自身……。
……そういや、こっちの部活の水着姿、写メ撮ってもらってたな。真面目な顔してるから、マータつっこみウケソウダケド☆
沈み込みそうになる意識を逸らす。スマホを取り出し、キリっとした表情で立つ自身の姿に苦笑する。メールに添付して……いや、プリントアウトして手紙にしてみよう。寝子高校の可愛い子情報も入れて ―― タイムの事については、一切触れずに、楽しい高校生活のことだけを、手紙に書いて……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月13日
参加申し込みの期限
2014年02月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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