夏だ！　海だ！　大雪だ？！｜リアクション

夏だ！　海だ！　大雪だ？！

（見つ、けた……っ）
　夏朝は一層激しさの増した吹雪の中、ついに麗子に辿り着いた。
　男なんかと叫びながら吹雪を撒き散らす麗子を。
　その瞬間、夏朝の手は雪玉を投げつけていた。
「ちょ、いた、いたたっ？！」
　不意打ちの雪玉に困惑する麗子。
　しかも凄まじく痛い。
「夏の砂浜の楽しみを奪った報い、その身で味わえぇぇぇっ！」
　叫び、夏朝は雪玉を連投！
　ビシビシビシッと、プロ野球選手も真っ青な勢いでぶっ飛んでいく雪玉達。
「砂浜の楽しみがなんだっていうの。そんなものは幻想よおおおおおおおっ！」
　最初の数発こそ不意打ちで全弾食らったものの、夏朝の姿を認識した麗子は即座に吹雪で応戦！
　高速の雪玉は、麗子の作り出した吹雪でことごとく進路をそれてゆく。
「ぐぬぬっ、材料は、いくらでも……っ」
　全弾投げきった夏朝は、それでも倒れない麗子に足元の雪を丸めて投げつけだす。
「無駄よっ。あなたはリア充には見えないけど、吹っ飛ぶがいいわっ！」
　雪玉を避けきった麗子、夏朝を吹雪で軽々と吹っ飛ばす。
　だがその吹雪は、今までカップルに放ったものよりもずっと淑女的。
　吹雪がベットのように柔らかく夏朝を包んで、とりあえず麗子の見えないところまでぽーんと飛んでいっただけだった。　