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◆陽だまりの中
20歳になる娘の咲(
矢萩 咲
)は、ソファで目を覚ました。
「……疲れて、居間で寝てましたか……」
ゆっくり半身を起して、首を傾ける。何か大切な事を、忘れている気がする……。
「ハハハ! 咲、起きたか」
大きな父の声で跳ね起きて、咲は慌てて周囲を確認する。
「と、父さん……? え……!!?」
「お前、ずっと大いびきかいて寝てたぞ!」
「嘘っ!!」
両頬を押さえて恥らう咲に、父は「うっそだよーん!」と大はしゃぎ。
「もうっ、父さん! 笑わないでください!」
ムクレながら咲は、そっぽを向く。
「全く……こんな隙だらけな姿見せるのは、家族の前だけですから」
「わはは、いいじゃないか! 咲はパパに似て美人だから 膨れっ面でもチャーミングだぞ!!」
「似てないし、からかわないでよ……美人って言って貰えるのは……嬉しいけど……」
呟くと、生真面目な彼女はまだ火照った顔を引き締めて、ポーカーフェイスを作った。
そんな咲に、父は少しだけ心配の色を滲ませて、おどけてみせた。
「仏頂面した美人より、表情豊かな美人の方が自分も回りも幸せになれるぞ、咲」
話し声を聞きつけて、16歳の娘 日和(
結城 日和
)が、顔を出した。
すぐにエプロン姿の父を見つけて、満面の笑みを浮かべる。
「何かいい匂いー。パパ! パパがご飯作ってくれるの?」
「マイスイート、日和ー! ああ、腕によりをかけて作ってやるぞ」
「わー、嬉しいなぁ。えへへ、手伝っちゃおうかな」
「お、エライな日和は。優しい娘に成長してくれて、パパは嬉しいぞ!」
父が日和のふわふわの髪を、撫でる。
大きな暖かい手に、日和はくすぐったそうに はにかんだ。
「私も手伝います、父さん」
後に従う咲に、父は振り返って指を振った。
「ノンノン、マイスイート! パパって呼んでくれ!!」
「パパって……20歳の娘に、そんな風に呼ばせたいなんて恥ずかしい人ね」
呆れながらも、咲はボソリと訂正した。
「……パパ」
上目遣いに伺った父の顔は、それは嬉しそうで。
咲も恥ずかしさより、喜びが勝った。
三人並んで、ちょっと手狭になった台所。
「パパ、ちょっと火が強すぎるんじゃないかなぁ?」
「おお、そうかっ!」
「食材の切り方も、もう少し細かくしないと、火が通るのに時間が掛かっちゃうわね」
「ハハハ! 面目ないっ!!」
「ふふ、もう仕方ないパパ」
明るい笑い声が響く、台所。
なぜだろう、この日をとても貴重なものに感じてしまうのは。
「パパ、この食パン賞味期限、今日で切れちゃうよ?」
「む、そうか。じゃあ、デザートはパンプリンにでもすっか!」
「本当? やったぁ!」
「あら、いいわね。卵と牛乳、あったかしら?」
咲が早速、冷蔵庫から材料を吟味する。
「パパ、プリン大好きなんだ!! お前達もそうだろ?」
「うん!」
「良かった、材料揃ってる。作るなら、ちゃっちゃとやっちゃわなきゃね。日和、卵割って貰える?」
「うん、任せて。お姉ちゃん」
姉妹は協力して、手早く準備を進めていった。
他にも冷蔵庫の中で、父の大雑把な性格を反映して、余りがちだった食材を取り出しては、二人は食卓を華やかに彩っていった。
「こりゃあ、凄い!」
「何だかパーティみたいだね」
テーブルに所狭しと並べられた料理の数々に、日和は目を輝かせた。
「ふふ、じゃあ今日は特別よ」
咲がビールの栓をあける。
「やった!! 咲、最高!!!」
「もう、パパは調子がいいんだから。日和はサイダーでいい?」
「えーっと、フルーツジュースがいいな」
「わかったわ、さあ席に着いて」
「はーい!」
「「「かんぱ~い!」」」
グラスを軽く打ち合わせて、家族は飲み物に口をつける。
「かーっ、うめえ!!」
歓喜の声を絞り出す父に、二人は顔を見合わせて微笑んだ。
「パパ、口の周りにおひげ(泡)がついてるよ」
「オウ、貫禄ついたかなっ?」
「うーん、微妙?」
がっくりうな垂れる父に、明るい笑い声が起こった。
「こんな風に、パパと一緒に飲める日が来るなんてね……不思議な気分」
「ホントにな! 日和も成人したら、パパやお姉ちゃんと飲もうな!!」
「うん、楽しみだなぁ」
にこにこと頷きながら、しばらくは皆で作った料理に手を伸ばしていた日和だが、ふとマジメな顔で言った。
「……ねぇ、パパ。後で私のヴァイオリン聞いてくれる? パパに聞かせたい曲があるの」
「ああ、勿論だとも! 今日は本当に、パーティのようだな」
父は上機嫌だ。
「このはさみ揚げ、咲が作ったのか? 美味いな! 咲はいい嫁さんになるぞ」
「やだ、パパ。咲は彼氏も居ないし、結婚する気も今のところないわ」
「む? そうか……」
どこか残念そうな、それでいた安堵した表情を見せる父に、咲は苦笑する。
「今は、残念な家族のお世話をしないとだもの……言うなれば、パパが恋人って事かしら」
「ハハハ、咲も言うようになったなぁ!」
顔をくしゃくしゃにして笑う、日に焼けた顔を見ているうちに……咲は、ふと自分の違和感の正体に気付いてしまった。
――違う、私の父さんは……
家族への愛情はあったけど、不器用で見栄っ張り
一人で抱え込み過ぎて……挙句に、私達に借金だけを残して自殺した
怒りと憎悪を抱きつつも、助けたかった本当の父……
咲は、こみ上げてくるものに、顔を覆った。
そこへ日和がヴァイオリンを手に、戻ってきた。
「よ、待ってました!」
やんやと、父が手を叩く。
それに答えて、日和はスカートの端を摘んで軽く膝を曲げた。
「最近はクラッシクだけじゃなくて、いろんなところでもヴァイオリンを見かけるようになったよね! それって、とってもいいことだと思うよ! だからねー、今日はそんな曲を一曲! 聞いてくれる?」
日和の問い掛けに、父は拍手で応える。
笑顔で日和はヴァイオリンを構えた。
「パパも気にいってくれるといいなー、なんて……」
日和が奏でる旋律は、クラシックではなかった。
弓はのびやかに、どこまでも自由に、日和の心の琴線をなぞって滑る。
次第に穏やかになっていく心に気付いて、咲は白い貌をあげた。
曲が最後の余韻を残して終了した時、父と娘は盛大な拍手を、奏者に贈った。
始める前と同じように、日和は挨拶した。
「聞いてくれて、ありがとう!」
「ブラボー!!」
「素晴らしいわ……」
二人の賛辞に、日和は一転寂しそうに
「――本当のパパは、クラシック以外は聞かないの」
そう漏らした。
「日和?」
「私が奏でる音楽を、笑顔で聞いてなんてくれない。眉を寄せて、しかめっ面で。私が賞をとった時だけ、誉めてくれるの……」
「パパは」
「だからねパパ、聞いてくれて嬉しかったよ! 本当のパパとも、これくらい仲良くなれたらなぁ」
強さを増していく淡い光の中で、日和は微笑んだ。
――ありがとう「パパ」
陽だまりのような景色の中、咲はこの世界の幕引きを悟った。
「……貴方も立派な父親として、頼られたかったのね」
しわがれた手を取る。
「大丈夫、貴方は立派なパパだった」
――だから一緒に帰りましょう?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月20日
参加申し込みの期限
2014年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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