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<CI@SP>マヌカノイドはリアル・ワールドの夢を見るか
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●日が明けて●
夏休みも目前、寝子島は今日も暑い一日だった。
桜台にある小さな花屋の店先で、赤いバンダナの子猫が少女の手の上で色とりどりの花の匂いを嗅いでいる。
「菊以外だと、今はユリや洋花も人気ね。墓石に花粉が付かないように、花粉が強い花はおしべを切るのよ」
花屋のお姉さんはそんな話をしながら、花束を作ってくれた。
「わあ、綺麗。ありがとうお姉さん」
「桜庭?」
「あ、誉くんだ。今日はお買い物?」
代金を払った円が通りに出ると、丁度誉が歩いてきたところだった。
「いや、人形の件がまだ解決した訳じゃないから、今日はこの辺りを重点的に調べるんだ」
「そっか……こっちも大変だね」
早く解決出来ると良いねと話しつつ歩き出そうとした時、近くの商店の前にスーツ姿の影が見えた。
「この辺りなんだね」
「はい……鞄の中身を全部ざーっと落としちゃいまして」
(あれ、直樹くんのお父さん?)
まだ若い部下らしき男性に説明を受けている壮年の男性の姿は、見覚えがあった。
「はは、山田君はせっかちだからな。どれどれ、よっこらしょ」
「ぶ、部長! 部長にそんな事させる訳には」
まだ明るい往来で、上司が膝を突いて何かを探し始めたので部下が慌て出す。
「なんだ、それじゃ私も来た意味がないだろう」
「で、ですけど……」
(この辺で、何か大事なものでも失くしたのかな……ん?)
円は側にある自動販売機の下に、何かが落ちているのに気付いた。
半透明のケースに入ったSDカードだ。
「あのー、探してるのこれですか?」
「そ、そそそそれ!」
拾って差し出した円の手を、山田君はオーバーアクションで指差した。
「あ、あ、あ、ありが……!」
「お礼は私が言っておくから、君は早くそれを」
「は、はいっ」
山田君が忙しなく頭を下げて走っていくのを見送り、部長――直樹の父は円に向き直った。
(あのネクタイ!)
円は彼のしているネクタイにも、見覚えがあった。
「カードを見付けてくれてありがとう。次の打ち合わせに使う資料が入っていてね、本当に助かったよ。何かお礼を……」
「いえ、ボクはただ拾っただけですから」
「でも、手ぶらで帰って貰うほど小さなものじゃないんだ」
言い募る彼に、ふと自動販売機の存在を思い出す。
「じゃあ……」
「本当に缶ジュースで良かったのかい? ちゃんとした喫茶店の方が……」
「いいんです、丁度暑くて喉渇いてたから。ね、誉くん、にゃーくん」
「にゃー」
(俺、一緒にいただけなんだけどな)
缶を手に、誉もひとまず笑みを返した。
そうかいと眉を下げて笑った彼は、自分用に買った缶コーヒーを手に二人と同じベンチに座った。
「いい部長さんなんですね」
「え? ……ああ」
円が指しているのが先ほどの事だと気付いて、彼は軽く笑う。
「うちの職場は、年功序列とかはあまり関係ないからね。部下の事は上司の責任というし」
当たり前のことのように言った後、缶に口を付けようとして手を止める。
「……それに、私はそんな立派な人間じゃないんだ。家では子供と向き合えずに仕事に逃げている、情けない親父で。君たちは寝子島高校の生徒さんだね、うちの子供も丁度君と同じくらいの年頃なんだよ」
「……お子さんと仲が悪いんですか?」
「いや、なんというか……私は家内を亡くしていてね。自分の都合で、あいつがまだ甘えたい筈の頃から母親と一緒に過ごす時間を奪った癖に……挙句不注意で死なせてしまった。どれだけ恨まれていたって、仕方ないと思っているよ」
彼の顔には、強い後悔の色が浮かんでいた。
(あれ?)
直樹が話していたのと、大分印象が違う気がする。
そんな円の表情の変化に、誉はチラリと目を配った。
「あいつは……特に目元が母親に似たんだろうな。あの目で見られると、どうも家内に責められているような気がしてしまう」
呟いた直樹の父は、ネクタイそっと触れた。
「それなのに、今年は父の日にこれをくれて……。嬉しかったよ、もし友達と選ぶ事になって、断れずに内心嫌々選んだのだとしても」
違う。違うよ。
『喜んで、くれるかなぁ』
あの時直樹がどんな顔をしていたか、円は知っている。
「……と、申し訳ないけどもう行かないと」
腕時計に目を遣って、彼は腰を上げた。
「ジュース、ご馳走様でした」
円と誉も立ち上がって見送ると、彼は微笑んだ。
「ダメ親父の与太話に付き合ってくれて、ありがとう」
早足で歩き去る背は、立派に働く大人のものだ。
けれど、円には息子に向けた寂しい背中が重なって見えた。
「きっと……二人とも怖いんだね。向き合ったら、お互いを傷付けちゃうかも知れないって」
「神木の方も?」
二人の会話に引っ掛かりを覚えたのか、問う誉に円は頷く。
「直樹くんは直樹くんで、お母さんが亡くなったのは自分のせいだ、って思ってるような感じだったんだ」
何年経っても癒えない傷を、互いに抱えていて。
それでも、いつか元通りの親子として接する事が出来るようになるのだろうか?
「そうだったのか……そんな風に悩んでるなんて、知らなかったな」
誉は直樹の家の仏壇にあった写真を思い出しながら、直樹の父が去った道を眺めた。
「にゃー」
「うん? そうだね、そろそろボクたちも行こう」
「またな」
「頑張ってね!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月15日
参加申し込みの期限
2014年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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