金曜日の体育館裏｜リアクション

金曜日の体育館裏

「待ちな！」
　保健室から出てきた風弥は、飲み物を持ってこないままどこかへ飛んでいく味噌を見つけた。
　そして、素早くチェーンを投げつけた。
　じゃらららららーん。
　チェーンは空中で味噌をぐるぐる巻きにして、校庭ではためく校旗にからまって、落ちてきた。
　ボキッ。
「う、うがああああ……」
　味噌の前歯は折れていた。
「言ったはずだよ、逃げたら前歯をへし折るってな……」
　ザ・ストレイトは慌てて出てきて、チェーンをぶらんぶらんしてる風弥を止めた。
「そこまでだ。もう彼にも十分わかっただろう」
　風弥はザ・ストレイトを見て、ニヤッと笑ってこう言った。
「あんた、いつか本物のヒーローになれるよ」
「ああ、そのつもりさ！」
　豚骨と醤油がやってくると、味噌の肩を支えた。
　ザ・ストレイトは、どこからともなくコンビニのおにぎりを出すと、彼らに渡した。
「これでも食べて、明日への活力とするんだ。もう間違ったことをしちゃいけないぞ！　ザ・ストレイトとの約束だ！」
　味噌たちは、へこへこと去っていった。
　その背中を、味噌たちと対峙した皆が集まって、見送っていた。
「ケンカはよくないけど、風紀が守れたからよしとするか」
　矢萩咲は竹刀をしまった。
　御剣刀はポロッとこぼした。
「あー腹減った。ラーメンの気分だな」
　服部剛はすぐに反応した。
「乗った！　ラーメン食べに行こうや！」
　みんなでワイワイと歩き出した。
「俺は醤油派やで」
「僕は、濃厚豚骨が好きだよー」
「味噌か豚骨ね」
「あたいは塩が好きだねえ」
「猫島軒って塩あったっけ～」
「麺は苦手だなあ……」
　すっかり元気を取り戻した面賀もひょこひょことついてきていた。
　ラーメン屋に向かいながら、風弥は巴がいないことに気がついた。
「さては……」
　と想像して小さく笑みを浮かべた。

　味噌たちは、寝子島を出ようとしていた。
　寝子島と本土を結ぶ寝子島大橋、そこを歩いていくところで、思わず立ち止まった。
「お前は……」
　海風が、ロングスカートをバタバタとはためかせていた。
　巴だ。
　巴が腕を組んで、仁王立ちして待っていた。
　が、巴は何をするわけでもない。
　にやっと笑って声をかけた。
「また遊びにおいて。歓迎してやるよ」
　味噌たちは、ビビって震えながら去っていった。

　こうして寝子島は平和を取り戻したのだった。めでたしめでたし。

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あとがき

担当マスター：漂流サーカスランド
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リアクションが遅れ、ご迷惑をおかけしまして申し訳ありませんでした。

言い訳にもなりませんが、再び持病が悪化しておりました。
心は元気ですので、復帰後に最優先でハイテンションで執筆させていただきました。
皆様が魅力的で、このような状況の中で失礼ですが、大変楽しく書かせていただきました。

今後については、病状次第で同じことになりそうなので運営様と相談させていただきます。

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