襲撃！　ねこっこ☆もんすたー｜リアクション

襲撃！　ねこっこ☆もんすたー

　ぷつり。
　音を立てて、バーコーチョーが、ホワイトデビルが姿を消した。
　そして唐突にツインテイルも消えた。
　ナナオトメも鈴野海斗の手によって姿を消し、残るは八十八旗信彦が埋まるワシオッパイのみとなった。
　そこへゆっくりと近づいていく御剣刀。
　俺にもぱふぱふをしてくれ!!――と言うわけではなかった。
「あら、どうかしたの？」
　ワシオッパイはうっふと微笑み、信彦を開放した。
　ぷるりとおっぱいが震える。
　そしてもちろん開放された彼は意識は失っている。
「俺が相手だ」
「つまり挟んでほしいってことかしら？」
　刀は返事をしなかった。
　正眼の位置で木刀を構え、すり足でワシオッパイに近づいていく。
　刀が木刀を振り上げて、彼女に叩きつける。
　が、おっぱいに弾かれてしまった。
　これがモンスターおっぱい。恐るべし。
「痛いわ、ね」
　それでも一応痛いらしい。
　けれどあまりのショックに刀は言葉を失い、その刹那、ワシオッパイに抱きしめられてしまった。
「気持ちいいから、安心してね」
　ワシオッパイが蠱惑的なほほ笑みを浮かべた。
　ああ、もうどうにでもなれ。
　胸が近づいてきた。ぷるりと左右に大きく開く。そして挟まれる。
　そう思った瞬間、ワシオッパイは消えた。
「ワシオッパイッ！」
　牡丹は崩れ落ちた。
　なにが起こったのか刀にはわからなかった。
　ただワシオッパイが居た場所のすぐ側には小鳥の姿があるというだけ。
「……ご無事で何よりです」
　そう言ったのは御巫時子。
　彼女の隣にはイガラッシィ。
　ようやく合点がいった。
　これらは御巫時子の作戦だったのだ。
　戦闘に集中している間に、小鳥がボタンを押す、という至極単純な。
　ツインテイルが姿を消したのも、これだったのだろう。
　刀は力が抜けていくのを感じる。
　ワシオッパイの柔らかい感触は、まだ肌に残っていた。

「有り難うございました……楽しかったです……」
　イガラッシィのボタンはつむじにあった。非常にわかりにくい。
　髪の毛を掻き分け、そのボタンに触れるのは、時子にはすこしだけ恥ずかしかった。
　好きな人に、似てるからだ。自覚してますます面映い。
　けれど時子はイガラッシィの顔をまっすぐ見つめて精一杯の自然な笑みを浮かべた。
「ありがとうございました」
　簡素な挨拶だった。
　それが、時子には嬉しかった。

「キリリンおつかれさまでした」
　宮祀智瑜も笑顔を浮かべる。
「けっきょくボタン探ししかしていないがな」
「でもお陰で怪我をしてない済んだので」
　こうして別れる前の会話をするが、けれど未だ彼のボタンは見つかっていなかった。
　もはや恥ずかしがっている場合ではない。
　智瑜は覚悟を決めて全身をくまなく探して行った。
　それでも見つからない。
「あ、ズボンが破れちゃってますね」
「ああ、」
「すぐに縫いますから、脱いでください！」
「あ、」
　戸惑うキリリンをよそに智瑜はズボンを取り上げる。
「あ！」
　そしてズボンの下、太ももにボタンがあったのである。

　音海なぎさはそっと頭の上からひまわりんを下ろす。
「楽しかったよ」
　なぎさの声は自分勝手に震えてしまった。
　けれどどうにかひまわりんには気が付かれないように、なぎさは「懸命にフツウを装った。
　ひまわりんは小首を傾げる。もう見慣れた仕草だった。
「また、遊ぼうね」
『うん』
　そう、なぎさには聞こえた。

　アオちゃんのボタンは胸の少し上にあった。
　綾辻綾花は女同士だとはいえ、ちょっぴり恥ずかしいです。と頬を染めた。
　けれど、覚悟を決めて押した。
　ぷつりと消える瞬間ツインテイルが笑った。
「綾花ちゃん、ありがとう」
　その笑顔の余韻が、やけに寂しくて。
　けれど、ゲームの中には彼女は居て。
　これからも育てていこうと綾花は心に決めた。

　普堂しおりもすべてが終わって到着した。
　これでさよなら。
　けれど。
「きっとまた会えるよ！
　アキカタナ達と仲良くね」
　そう信じているから、しおりも笑顔だった。

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