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保健室、ただいま満席です!
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chapter.10 とても簡単で、難しいアドバイス
男を診察した礼美は、集まった生徒たちにゆっくりと告げた。
「ごめんね、私もこれはお手上げよ……」
希望は、あっさりと潰えてしまった。
誰も男の倦怠感を解消してやることはできないのか。生徒たちの間に、諦めムードが漂いだす。
「強いて言えば、顔がちょっと赤いかな、くらいね。でもいたって平熱だったし……」
礼美が体温計を見る。36度5分だった。
「……」
男は、ただじっと黙っているだけだった。自分のせいで多くの人に迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳ないと思っている。しかし、本人もまた、取り払えぬ倦怠感に悩まされているのだ。
「大きめの病院に行って、診てもらうしかないのかも」
礼美がそう言うと、生徒たちからも賛同の声が上がった。そんな中、ただひとり、生徒たちの輪に加わらず、保健室の入り口近くから彼らを見つめている人物がいた。
堂鉄だった。
保健室を廊下からじっと見ていた、あの堂鉄である。男が廊下で生徒たちに囲まれていた時も、彼は人だかりに紛れるようにして目立つことなくその様子を見ていた。
そして今、彼は保健室の中に入り、相も変わらず騒ぎの中心に目を向けている。一体彼が何を考えているのか。誰もそれを知らないだろうし、ともすれば気にも留めてはいないだろう。
堂鉄は、男を視界に収める。
感じていたことは、自身が描いていた人物像と一致していたことに対する確かな手応え。
「体がだるいなら、学校を休めばいいだけなのに。それでも登校しているのは、真面目な性格だから。むしろ、それしか取り柄がないような」
堂鉄は、誰にも聞こえないよう小さく漏らした。
「そういう生徒には、悩みを相談できる友達とかがいなかったりするんだろう」
言うと、堂鉄は男に小さく手招きをした。男が運良くそれに気づき、礼美の前から移動する。
「な、何?」
男が尋ねると、堂鉄は懐から一冊のノートを取り出した。
「これは……?」
「まあ、読んでみてくれよ」
堂鉄に進められると、男は首を傾げながらノートをめくった。
「……!!?」
瞬間、男は言葉を失った。
そこに書かれていたのは、なんと、登場人物に礼美が出てくるオリジナルの小説だったのだ。しかもジャンルは恋愛だ。書いたのが堂鉄本人だとしたら、これはもう、とてつもなく恥ずかしいノートである。
しかし彼は特に気にした様子もなく、平然と言ってのけた。
「僕と君、どちらが先に先生を口説き落とせるか、勝負しないか?」
「え、え……!?」
男は、すっかり開いた口が塞がらなかった。
これは、もしかしたら堂鉄なりの友達づくりの方法なのだろうか。男と友達になろうとしたのか、はたまた男に何でも良いから興味を持たせ、だるさを吹き飛ばそうとしたのか。あるいは、ちょっと色々とこじらせてしまっただけなのか。
「大丈夫、相手は既に三十路手前。焦らずじっくり釣り糸を垂らしていけば自ずと……」
堂鉄が、周りの者に聞こえないように男の耳元で囁く。
しかし彼の言葉が終わる前に、男が思いもよらない行動に出た。
「こ……こんなこと、いけないことだぞっ!!」
ばん、と思いっきりノートを床に叩き落とし、男は大声を張り上げた。生徒たち、そして堂鉄も呆気にとられる中、男が続けた言葉はさらにその場の者を固まらせた。
「わ……鷲尾先生はっ……そんな目で見ちゃいけないんだっ!!!」
見れば、男の顔は真っ赤になっていた。
そして男はそのまま、物凄い勢いで保健室を飛び出していった。
その時初めて、感の良い何人かの生徒と礼美が男の症状に気づく。
「先生、アレってもしかして……」
「うーん。これは、どうしたらいいのかな。困っちゃった」
病気が流行りだしたのは、つい最近。つまり、男がだるさを宿らせたのも、ここ数日。
男は一年生で、入学したばかりの彼にとっては校内で見るあらゆるものが、きっと初めてだったろう。保健室で礼美の姿を見かけたのがここ数日でも、おかしくはない。
「アレは確かに、何にも手に付かなくなっちゃうけど……」
感づいた生徒のひとりが口にした。
もし、彼のだるさの原因が彼らの思い浮かべた「アレ」であるならば、その倦怠感はしばらく拭えないままだろう。
「あの子に彼女が出来るまでの辛抱、かな」
礼美が大人の色気をまとわせた笑顔で言う。
「ちなみに」
視線を堂鉄の方へと移して、礼美は彼に尋ねた。
「そのノート、どんなことが書いてあるのかな?」
「な……何も書いてないです!」
堂鉄は落ちたノートを慌てて拾い上げ、男の後を追うように保健室から逃げ出した。
なお後日、改めて保健室へと呼ばれた男は、礼美からひとつだけ指摘を受けたという。
シンプルで、だけど高校生にはちょっとだけ難しい指摘。
それは、恋に溜め息は似合わないということ。
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あとがき
担当マスター:
萩栄一
ファンレターはマスターページから!
萩栄一です。
今回のシナリオに参加していただき、ありがとうございました。
第一作目ということでいろいろと探りながらの執筆でしたが、
皆様のアクションのおかげもあってか、とても楽しく書かせていただきました。
ガイドを出した時点ではもっとお色気シーン満載のコメディシナリオになるかと思っていたんですけど、
実際に書いてみたら思いの外まじめテイストも混ざりました。
次回のシナリオがいつになるかはまだ決まっていませんが、
春くらいにはまた楽しいお話を書ければなあ、と思っています。
なお、アクションに対する意見などを、
個別コメントで何人かの方に送らせていただきました。
それでは、また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしています。
長文に付き合っていただき、ありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年01月03日
参加申し込みの期限
2013年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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