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chapter.8 危険な文字列
コブラを見送った藤吾と博美が、「俺たちも行こうか」と保健室を出ようとした時だった。
「ちょっと待ってくれ」
そんな声がかかり、ふたりは振り向いた。そこにいた声の主——
市橋 誉
は、ゆっくりとふたりに近づくと、懐から小さなメモ用紙を取り出した。
「……それは?」
藤吾が尋ねる。
「俺も、ここで例の『怪しげな男子生徒』ってヤツの情報を集めていた。これは、それをまとめたものだ」
言って、メモを見せる誉。
そこには、誉がひたすら聞き込みを繰り返し、調べた情報が事細かに書かれていた。
髪型や目つきなどの外見はもちろん、見かけた場所から声の高低まで様々ななことが箇条書きで記されている。
「本当は、さっき出て行ったあの男にもこのメモを渡したかったんだが……話をする前に出ていってしまったからな」
「これはすごいな……」
思わず博美が言う。当然、藤吾や博美も聞き込みは行っていたが、細かい情報までは聞いている余裕がなかった。
「ただ、外見上はあまり大きな特徴が見られないようだ。探すとしたらやはり、この『見かけた場所』からだろうな」
言って、誉がその部分を指差す。そこには、保健室近くで目撃された事例が多いと書かれていた。
誉は、その情報がずっと気にかかっていた。
「あくまで推測だが……」
前置きし、誉は語る。
「犯人も、倦怠感で悩んでいるんだよな? ということは、だるそうにしているヤツが怪しいということになる」
だるそうにしているヤツならどこにいるか。決まってる。保健室だ。
そう考えれば、この目撃情報との辻褄は合った。
「まあいぜれにせよ、外見的な特徴よりも、犯人の行動範囲から絞っていく方が確実そうだ」
誉がそう言って、ふたりにメモの写しを渡そうとする。
と、保健室の扉が勢い良く開き、騒々しい声と共にひとりの男子生徒が入ってきた。
「礼美センセ〜!!」
元気のない生徒を抱えるようにして入室したのは、
八十八旗 信彦
だ。彼を見た瞬間、博美と誉が同時に声をあげる。
「うわ」
「八十八旗……」
信彦は、生徒会の一員であった。同じコミュニティに属していた博美や誉は、彼のノリを知っていた。そう、彼はこういうシリアスな場があまり似合わない人間だということを。
「ええっ、ちょっとちょっと博美ちゃん! 誉君! なんだよその反応はっ!?」
ふたりを見るや否や、信彦は大きな声とオーバーリアクションで絡み始めた。かと思えば、くるりと礼美の方に向き直り、隣の生徒を差し出す。
「まあいいや! センセー、1年2組の品行方正な学級委員でお馴染みの信彦さんが遊び……じゃないや、急患を連れてきたよっ!」
「あら、ありがとう。でもね、今保健室がこんな状態で、ベッドの空きもほとんどないの」
礼美が視線を信彦から部屋へと移す。そこで信彦は初めて、保健室が大混雑状態であることに気づいた。
「うわっ!? なんだなんだ、この患者の数は!?」
「……」
大声を出す信彦に、周囲の病人たちは冷たい目線を向けた。
どうやら、博美や誉が彼に持っていた印象はそう間違いでもないようだ。
「八十八旗、今保健室は大変なことになっているんだ」
状況がよく飲み込めない様子の信彦に、誉が説明をする。すべてを聞いた彼は、眉を吊り上げ、怒りの声を上げた。
「なるほどな〜、誰かのせいでこうなってるかもしれないってことか! まったく、礼美センセーを困らせるなんて許せないなっ!」
言いながら、信彦はちらりと礼美を見る。口ではそんなことを言っておきながら、彼は心の中で「困った顔もセクシーだなあ」などとけしからんことを考えていた。その証拠に、鼻の下が若干伸びている。
それを誉に見抜かれたのか、「真面目に聞いているのか」とつっこまれ、信彦は慌てて誉の方に向き直った。
「も、もちろんだって! とにかく、原因を突き止めなきゃいけないんだろ!?」
信彦はそう言って、誉のメモを見ながら自分の考えを口にした。
「ホントの流行病って可能性もあるんだろうけど、他に手がかりとかがないならこの『1年の制服を着た男子生徒』ってのを探すしかなさそうだよな〜。で、この近くで目撃情報があると」
こくりと頷く他の面々。信彦は続きを話す。
「う〜ん、その男子生徒もだるいなら、やっぱ休めるとこにいると思うんだよな」
それは、誉と同じ推理だった。
「木を隠すには森の中、と言うしな」
誉が言う。注意すべきは、やはり保健室なのだろうか。
「よし、じゃあ誉君と信彦君は、この保健室に残って怪しい人がいないか見張っててくれ」
「なんだよ〜博美ちゃん、同じ生徒会なんだし、気軽にひこにゃんって呼んでくれて」
「今はそれどころじゃないだろ!」
信彦をたしなめる博美。そこに、誉が話しかける。
「奈良橋はどうするんだ?」
「俺は、1組に行ってもうちょっと聞き込みをしてくる」
「……そうか。気をつけろよ」
そして博美と誉は、互いの無事を願いつつ別行動へと移った。その横で、信彦はというと。
「礼美センセ〜……これを解決したら、褒めてくれるかな?」
懲りずに、鼻の下を伸ばしていた。そして誉にまたそれをつっこまれ、笑ってごまかす彼であった。
彼らが思い思いの行動を取っていたその時。
開かれたままの保健室の扉の向こうから、部屋の中をひとりの男が覗いていた。
「礼美先生……」
男が、小さく呟く。正確には彼は、部屋の中というより礼美に視線を注いでいるようだ。
彼は単なるストーカーなのだろうか。それとも単独で、誉や信彦のように保健室を注視している使命感の強い男なのだろうか。
現時点でその真偽を知る者はいない。
そして、この男——
佐久間 堂鉄
が後に事態を大きく動かす役者のひとりになるということは、本人すらも知り得ないのだった。
◇
その頃コブラは、1年1組前の廊下を歩いていた。
何度か往復してみるものの、怪しそうな人物は見当たらない。
「さすがにそう簡単には見つからないか。だが、保健室のヤツらと約束した以上、ここで諦めるわけにはいかないな」
言うと、コブラは大きく息を吸い込み、辺り一帯に響くボリュームで叫んだ。
「だるいヤツはいないかーッ!!」
「……っ!!?」
突然の雄叫びに、周りにいた生徒たちが驚き振り向く。しかし肝心の人物はその呼びかけに応じない。
もっとも、この状況で「だるいです」と立候補する者がいるとも思えないが。
「どうやら犯人は、相当なシャイボーイらしいな」
それに気づかないまま、コブラは再び叫び声を上げる。反応がなければまた繰り返し叫び、犯人を探した。
7回ほど叫んだあたりで、先生が来てうるさいと怒られた。
「お前3年だろう。こんなことやってて恥ずかしくないのか」
「恥ずかしいのは、困ってるヤツを放っておくことさ」
「お前がうるさいから皆困ってるじゃないか」
先生に正論を言われると、コブラは「やれやれ」と首を振りながらその場を去った。
「俺の推理が正しければ、犯人は相手をだるくする時、近づいてくるはずなんだがな」
やむを得ず作戦を一旦中止し、1年の教室がある廊下から保健室へと戻る道中、コブラは呟いた。
聞いた話では、だるさを訴えた者は発症前、犯人のだるいという声を耳にしているという。
ならば、それが引き金であってもおかしくはない。
そう、コブラは犯人が自分に声をかけてくるのを待っていたのだ。いわば囮である。だが怪しいと言われていた1組付近では、自分に接触してこなかった。
「どこにいるんだ、シャイボーイ」
保健室前の廊下まで戻ってきたコブラが、割れた窓ガラスの向こうを見ながら言う。
その時、ひとりの男が彼へと近づいてきた。
時を同じくして、博美はコブラと入れ違う形で1組の教室付近にいた。
時間は16時を少し回ったところ。
確かに、他のクラスと比べると人は少ないように思われた。ホームルームが終わって間もない時間帯でこれは、おかしいと言えなくもない。
「……で、友達がだるいって急に言い出して保健室に行ったのか」
博美は、1組の生徒に聞き込みを行っていた。
ある程度予測していたことだったが、この病気は感染症ではないようだ。
もし感染するタイプの病気であるなら、犯人によってだるくさせられた生徒もまた、無意識の加害者となってしまっているはず。
ののこを含めた保健室の病人たちがあれだけだるいと言っているにも関わらず、礼美や自分たちがだるくなっていないことからも、感染のリスクは薄いと判断できる。
ただ、やはり「だるい」という言葉を聞いた者が保健室に多く運ばれているのは事実のようである。
その時ふと、博美は気がついた。
「あれ、そういえばあのコブラさんとかいう人、こっちに来てるんじゃなかったっけ」
辺りを見回すが、コブラの姿はない。同時に博美の中で、ある考えが浮かぶ。
「そういえば、これだけここで聞き込みしてるのに、怪しい人とまったく出くわさなかった……もしかして、ここじゃなくて保健室の方に……?」
博美が、慌てて保健室へと戻る。
コブラに近づき、とんとん、と彼の肩を叩いたのは、ひとりの男子生徒だった。
短髪の黒髪で、背丈は高くも低くもない。体型も平均的だ。いわゆるごく普通の外見。それは、藤吾や誉が言っていた「特徴のないのが特徴」というものに見事当てはまっていた。
「どうした? 保健室なら見ての通り、大混雑だぜ」
「……さっき、廊下で叫んでたでしょ」
コブラの問いに、男はそう返した。さらに彼は続ける。
「だるいヤツがいたら、なんとかしてくれるの?」
「なんだって?」
コブラが聞き返す。すると男は、溜め息と共にコブラへと告げた。
「俺、すごくだるいんだけど……」
瞬間、コブラの全身を言いようのない倦怠感が襲う。立っているのもだるくなった彼は、その場にがくんと膝をついた。
コブラは男を見上げる。
「お前は……シャイボーイ……」
そこでコブラの瞼は下り、視界が暗くなった。
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年01月03日
参加申し込みの期限
2013年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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