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chapter.9 nobody knows
「先輩!!?」
保健室周辺の監視をしていた誉や信彦が、コブラが倒れたところを目撃して思わず声を上げる。と同時に、ふたりはコブラに接近した生徒へと走り出した。
「……っ!」
男は、自分のところに走ってくるふたりを見て驚き、慌ててその場を走り去ろうとする。
が、体の向きを変え一歩目を踏み出そうとした次の瞬間、男はたまたまそこを通りがかった
藤原 春樹
とぶつかり、尻餅をついてしまった。
「わわっ……ご、ごめんね。大丈夫? 怪我はないかな?」
慌てた春樹が、男に話しかける。
「お〜っ、ナイスガード!!」
駆け寄った信彦が男の腕を掴むと同時に、春樹に話しかけた。
「え? え?」
しかし、当の本人はこの状況をまったく分かっていないようだった。無理もない。彼は、放課後帰ろうとしたその道中、階段で足を踏み外してしまい、怪我した足を診てもらおうと保健室に来ただけなのだ。
男とぶつかったのは、まったくの偶然である。
ただ、目の前のこの状況があまり穏やかではない、というのはすぐに見て取れた。
片方が腕を掴み、片方は怯えている。第三者から見れば、そう見えるのは自然だろう。
「あれ、そういえば佐藤さん。何か保健室の患者さんを増やしてる人がいるってクラスの人が言ってた気がするけど……もしかして、この人が関係あるのかな?」
ニャーと、春樹の近くにいた黒猫が鳴く。佐藤さん、とはどうやらこの猫の名前のようだ。
もしそうだとしたら、今目の前で起きているこのシチュエーションも理解できる。しかし、春樹はできるだけ、目の前で物騒なことが起こらないでほしいと思っていた。
「ね、そこの腕掴んでる君」
春樹が、信彦に話しかける。信彦が自分の方を振り向くと、彼はのんびりとした口調でこう言った。
「詳しいことは分かんないけどさ、そんなに悪い子じゃなさそうだし、お話聞いてみようよ」
「え? でもほら、ここで腕放したら、逃げられちゃったりしないか!?」
「うーん、どう思う? 佐藤さん」
春樹が再び猫に話しかけると、ニャーと返事が聞こえた。春樹はそれを聞いて、笑って言う。
「たぶん大丈夫だって。ね、ほらメロンパンでも食べながら、お話しよう?」
春樹は持っていたメロンパンを、男に渡した。帰り道のために用意していたと思われるパンだが、春樹は惜しげもなくそれを差し出す。
だが男は、目の前のそれをなかなか受け取らなかった。囲まれているこの状況に驚き、それどころではないようだ。
と、そこに新たな人物が現れた。
「そんなに怯えなくて大丈夫だよ。僕らに敵意はないから」
そう言いながら、男の前に進み出たのは
伊賀 解理
だった。解理は着ている白衣の襟元を正しつつ、男に問いかけた。
「どうしてこんなことをしたんだい?」
「こんなこと……って」
男が、ぽつりと漏らす。我慢できずに、信彦が食ってかかった。
「なんだよ〜、もうおとぼけなしで言っちゃえって!」
「だ、だから……君たちが何言ってるか俺はわかんないんだよっ」
男が声の大きさを一段階上げて言った。その様子からは、嘘を吐いてるだとか、ごまかそうとしているだとか、そんな気配は感じられない。
この男は、犯人ではないのか?
いや、そもそもこの一連の事件に、本当に犯人はいたのか?
周りの生徒たちの頭に、ふとそんな疑問がよぎる。男を取り囲んでいる生徒たちは、どうすべきか迷っていた。
「うん……? アレはもしかして」
そんな一同を目にしたのは、少し前に慌てて保健室を飛び出してどこかへ消えたはずの円だった。
「うわー、せっかくいろいろ探しまわったのに、まさか保健室前にいるなんてびっくりだよ。 灯台下暗し的な?」
言いつつ、円はその輪の中へと入って行く。どうやら円があの時保健室を飛び出したのは、彼女もまた事件を起こした張本人を探そうとしていたかららしかった。
「ごめん、ちょっといいかな」
円はそう言うと、男の前でパイプ椅子を広げ、そこに足を組んで座った。白衣から伸びた足が、大胆にも男の目の前に晒される。そしてそれは、明らかに浮いていた。
せめてもの救いが、白衣を着ているのが彼女だけじゃなく解理もだということくらいだ。
「こっちから質問するのもいいけど、まずはちゃんとじっくり話を聞いてあげないと」
円はそう言うと、男の口が開くのを待った。すると男は、目を右往左往させながらも、ゆっくりと話しだした。
「お、俺……本当になんで今こういう状況になってるかわかんないんだ。俺はただ、だるさを感じて保健室に行こうとしてただけなんだ」
「でも、保健室にはいなかったじゃないか」
解理が口を挟む。男はそれに答えた。
「だって、ただだるいってだけで保健室に行くのも悪い気がして……部屋の前までは何回か来たんだけど、結局入れなくて。それに、なんだか人も多かったし」
「その人の多さは何が原因か、知ってるのかい?」
「知らないよ。ほ、本当だって!」
再び問いかける解理の視線に男はびくっとして、困り顔で返事する。解理は、頭の中で考えをまとめようとしていた。
目の前にいるこの人物は、たぶん本当のことを言っている。
だとしたら、やっぱり犯人じゃないかもしれない。
でも、こんなことを引き起こせるとしたら間違いなくもれいびの仕業のはず……。
「んー……どういうことだ、これは」
お手上げ、といった表情で解理が言う。そこに言葉を放ったのは、円だった。
「故意じゃないとしたら、どうだろう」
その一言で、周りの生徒たちの視線は一斉に円に注がれた。その中のひとり、解理が話しかける。
「だてに白衣は着てないということか」
「え?」
どうやら解理の中では白衣イコール知的キャラなようだ。
「だが、ただでさえ犯人との無気力キャラかぶりを心配してたのに、まさか白衣かぶりが起こるとはな」
「いや、ぼくのはセクシー女医だから」
くい、と眼鏡を上げて円が言う。
「ていうか、眼鏡もかぶってるじゃないか。いい加減にしてほしいものだな」
「きみも、セクシー女医なの?」
「……さっきから言ってるそのセクシー女医ってのはなんだ。お気に入りか?」
「最近セクシーさの研究したばっかりで、ちょっとやってみたいなって」
白衣コンビの奇妙な会話が始まった。このままでは収拾がつかなくなると、春樹が話の続きを促した。
「ねーねー、故意じゃないってことは、彼はもれいびだって自覚してないでろっこんを使ったってこと?」
言って、男を指す。男は依然として口をぽかんと開けたまま、小さく漏らした。
「ろっこん……って?」
そう男が言ったことで、円の仮説が正しかったことが証明された。
溜め息と共に「だるい」と口にすることで、彼のろっこんは発動する。
本人がその時感じているだるさと同等の倦怠感を対象にもたらすその力は、彼の知らないところで度々猛威を振るっていた。
「でもよ〜、なんで俺が追いかけた時、逃げようとしたんだ?」
「きゅ、急に知らない人が自分に向かって走ってきたら、誰だって逃げるだろ!」
信彦の言葉に、男はそう反論した。コブラの一件も、純粋に彼にだるさを解消してもらおうとしたから、らしい。
こうして謎は解けた……のだが、事件が解決したわけではなかった。
そう、男のだるさの原因がまだ分かっていないのだ。これを突き止めなければ、結局はまた同じようなことが起こってしまうだろう。
「だるさの原因を探らないとね。ねえ、おねぇさんに相談してみない?」
円はそう言って、男に顔を近づけた。これも、彼女なりのセクシースタイルだ。実際にセクシー度が高いのかどうかは、各々の想像に任せるとしよう。
「げ、原因って言っても、自分でもわからないから困ってるんだよ……」
「じゃあ、触診してみようか。はい、お腹だしてー」
言うと、円は半ば無理矢理男のシャツをめくり、人差し指でその腹筋をつつ、となぞった。
「ちょっ、くすぐったいっ」
「ふふ、硬い。意外と良い体してるんだね」
「や、やめてよ!」
逃げられた。セクシーの相違である。原因の究明に失敗した円を見て、解理は勝ち誇ったような笑顔で言った。
「所詮白衣は、君には使いこなせない代物だったというわけだな」
まるで何かの武器のような言い草だ。この子たちにとって白衣とは何なのかを、小一時間問いつめたくなる。それはさておき、解理が男へと話しかけた。
「仕方ない。僕が辿り着いた解決方法を手渡そう」
「手渡す?」
首を傾げる男に解理が渡したのは、なんと栄養ドリンクだった。
「倦怠感を感じているということは、肉体の疲労が原因かもしれない。つまり栄養を摂取すれば、あるいは治るかもしれないからな!」
自信満々で解理は告げた。
「いや、あの……」
「ちなみに、こっちがファイトって叫びたくなるヤツで、こっちが翼を授けてくれるヤツだ。どちらがお好きだい? 僕は後者だ」
「じゃ、じゃあ後者で……」
男がドリンクを受け取って飲む。
「どうだ? だるさは取れたか?」
「いやー……」
ダメだった。そもそも栄養ドリンクで解決するなら、本人もとっくに飲んでいるはずである。
「うーん。これ、保健室に連れていった方いいのかな。よくよく考えたら、触診とかさっぱりわかんないし」
円がそう言うと一同は納得し、彼を保健室に入れた。
先生なら、原因を特定できるかもしれない。
希望は、礼美に託された。
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年01月03日
参加申し込みの期限
2013年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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