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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【期末テスト】赤点？ 満点？？ 夏目前、四日間の死線
●４日目：家庭科
（うーん、ここわかんないアルなー）
畑中 華菜子は大きな空欄を前にこつこつと鉛筆を鳴らす。
前の時間から続くい～い匂いは、だんだんスパイシーになってきた。カレーだろうか。しかも、かなり本格的な香辛料を使っていそうだ。
華菜子は思わずくんくんとその匂いを嗅いでしまう。
（家庭科だからってテストで匂いまで再現するなんて……コリアンダーがいい香りアル。あとは……クミン、ナツメグ、カルダモンあたりアルか。学食の新メニューが楽しみアルなぁ）
新メニューと言えば……、と華菜子の思考は飛び、無意識に空欄にラーメンどんぶりを描いていた。
（うちの店「猫島軒」も新しいメニュー考えたいアルナー。もうすぐ夏休み！ 夏休みだけの新メニューとかやりたいアルナ）
夏の定番と言ったらやっぱり冷やし中華だろうか。いやいや、意外にカレーラーメンっていうのも、スパイシーで夏に合うかも？ ……ぐうぅ、とおなかの虫が鳴った。
（……ラーメンのこと考えてたらお腹空いてきちゃったアル。夏休みになったらお店の手伝いもして、友達といっぱい遊んで、えっとそれから宿題もちゃんとするアルヨ）
楽しい夏休みは、この試験のあとにしか訪れない。華菜子はどんぶりの落書きを消すと、目の前の空欄を埋めることに全力を傾けることにした。
（頑張るアル！ 楽しい夏休みを迎えるためにも、これが終わったら思いっきりおいしいごはんを食べるためにも！）
と、そのとき、そおっと講堂の扉が開いた。
「チャオ」
控えめに顔を出したのは我らが愉快な校長、雨宮 草太郎その人だ。
桐島先生とクマ先生が控えめに会釈する。試験の様子を視察しに来たのかと思ったのだ。
だが校長先生はその手に、素敵なデザート皿を持っていた。
（あれ？ 校長先生……どうしたんだろう。すごく……いいにおい）
音海 なぎさは、漂ってくるなんともいえない甘い香りに思わず目を閉じ、うっとりと幸せそうな表情を浮かべる。というのも、なぎさは甘いものに目がなかったからだ。
（ううっ、実はお腹が空いてるんだよねー……校長先生、まさかそれ持って試験監督しないよね……？）
そのまさか、であった。
校長先生は煌めくデザート皿を持ったまま、これ見よがしに生徒たちの間を歩き始める。
（えっ、なにあれ、おいしそ～～！）
響 タルトが舌なめずりをする。家庭科は食べるのは好きだけど実技は……、というタルトはせめてペーパーテストだけでもと頑張っていたが、このいい匂いには抗えない。
（可愛く折りたたんだクレープとバニラアイスの絶妙なハーモニーって感じ？ クレープとバニラアイス……クレープｘバニラか、バニラｘクレープか……それが問題ね）
腐女子なタルトの脳内では早くも、長い金髪の青年クレープさんとちょっと小生意気そうな少年バニラくんの攻受が始まっている。この戦いはバニラくんの小悪魔攻めかと思われた頃、校長先生がぴたっとなぎさの前で止まった。
（えっ、なになに？ これは、ま☆さ☆か、禁断の！ 校長先生ｘ美少年～～！？）
今にも鼻血を吹きそうなタルトの脳内妄想を余所に、校長先生はなぎさの目の前にデザート皿をつきつける。
「君なら、キャラメールソースかブルーベリーソースかレモンジンジャーソース、どれをかける？」
（かける！ ……かけるの！？）
とにかく「かける」という言葉に弱いタルトは更に妄想を逞しくする。妄想だけなら害はない。
一方、当のなぎさは、当たり前だが大変困惑していた。
（どうしよう……というかなんでボクに？ 試験をちゃんと受けてるかどうかチェックしてるの？ いや、このおじいちゃんにそんな裏はないよね……）
迷い迷った挙句、ちらっとなぎさは上目づかいで校長を見た。
「校長先生……邪魔するならそれ、食べますよ？ いいんですか……？」
「試食してくれるのかい？ ありがとう。じゃあ、キャラメルソースから。はい、あーん」
……まさかの校長先生からのあーん。
（ど、どうするボク。これ、受けちゃっていいの？ あっ、でも、すごく……）
巫部 紫苑が口を半あけにして羨ましそうにこちらを見ている。
（……すごく美味しそう……！）
スプーンに掬われたバニラアイス。その上で宝石のように輝くキャラメルソースが、なぎさを魅了する。
なぎさはそのときすべてを忘れて、ぱくりとスプーンにかぶりついた。
「あっまぁぁい……」
この世の誕生を見た女神のごとく微笑むなぎさ。
興奮してその様子をスケッチするタルト。
テスト用紙に零れ落ちそうになったよだれを慌てて拭いている紫苑。
新メニューに、ラーメンに合う新デザートもいいなと思う華菜子。
「校長先生、すみませんまだ試験中ですから」
桐島先生とクマ先生が焦った様子で駆けつけてきた。
「なんだい？ まだブルーベリーソースとレモンジンジャーソースを試して貰ってないよ」
「「まあまあ」」
桐島先生とクマ先生が校長先生を、出口はこちらとばかりにぐいぐいと扉の方へ押しやる。校長先生は最後にちらっと名残惜しそうに振り返って「学食で待ってるよ！ チャオ♪」というと、扉の向こうに押し出された。
――校長先生、家庭科途中退場？
そして――！
（うーん、ここわかんないアルなー）
畑中 華菜子は大きな空欄を前にこつこつと鉛筆を鳴らす。
前の時間から続くい～い匂いは、だんだんスパイシーになってきた。カレーだろうか。しかも、かなり本格的な香辛料を使っていそうだ。
華菜子は思わずくんくんとその匂いを嗅いでしまう。
（家庭科だからってテストで匂いまで再現するなんて……コリアンダーがいい香りアル。あとは……クミン、ナツメグ、カルダモンあたりアルか。学食の新メニューが楽しみアルなぁ）
新メニューと言えば……、と華菜子の思考は飛び、無意識に空欄にラーメンどんぶりを描いていた。
（うちの店「猫島軒」も新しいメニュー考えたいアルナー。もうすぐ夏休み！ 夏休みだけの新メニューとかやりたいアルナ）
夏の定番と言ったらやっぱり冷やし中華だろうか。いやいや、意外にカレーラーメンっていうのも、スパイシーで夏に合うかも？ ……ぐうぅ、とおなかの虫が鳴った。
（……ラーメンのこと考えてたらお腹空いてきちゃったアル。夏休みになったらお店の手伝いもして、友達といっぱい遊んで、えっとそれから宿題もちゃんとするアルヨ）
楽しい夏休みは、この試験のあとにしか訪れない。華菜子はどんぶりの落書きを消すと、目の前の空欄を埋めることに全力を傾けることにした。
（頑張るアル！ 楽しい夏休みを迎えるためにも、これが終わったら思いっきりおいしいごはんを食べるためにも！）
と、そのとき、そおっと講堂の扉が開いた。
「チャオ」
控えめに顔を出したのは我らが愉快な校長、雨宮 草太郎その人だ。
桐島先生とクマ先生が控えめに会釈する。試験の様子を視察しに来たのかと思ったのだ。
だが校長先生はその手に、素敵なデザート皿を持っていた。
（あれ？ 校長先生……どうしたんだろう。すごく……いいにおい）
音海 なぎさは、漂ってくるなんともいえない甘い香りに思わず目を閉じ、うっとりと幸せそうな表情を浮かべる。というのも、なぎさは甘いものに目がなかったからだ。
（ううっ、実はお腹が空いてるんだよねー……校長先生、まさかそれ持って試験監督しないよね……？）
そのまさか、であった。
校長先生は煌めくデザート皿を持ったまま、これ見よがしに生徒たちの間を歩き始める。
（えっ、なにあれ、おいしそ～～！）
響 タルトが舌なめずりをする。家庭科は食べるのは好きだけど実技は……、というタルトはせめてペーパーテストだけでもと頑張っていたが、このいい匂いには抗えない。
（可愛く折りたたんだクレープとバニラアイスの絶妙なハーモニーって感じ？ クレープとバニラアイス……クレープｘバニラか、バニラｘクレープか……それが問題ね）
腐女子なタルトの脳内では早くも、長い金髪の青年クレープさんとちょっと小生意気そうな少年バニラくんの攻受が始まっている。この戦いはバニラくんの小悪魔攻めかと思われた頃、校長先生がぴたっとなぎさの前で止まった。
（えっ、なになに？ これは、ま☆さ☆か、禁断の！ 校長先生ｘ美少年～～！？）
今にも鼻血を吹きそうなタルトの脳内妄想を余所に、校長先生はなぎさの目の前にデザート皿をつきつける。
「君なら、キャラメールソースかブルーベリーソースかレモンジンジャーソース、どれをかける？」
（かける！ ……かけるの！？）
とにかく「かける」という言葉に弱いタルトは更に妄想を逞しくする。妄想だけなら害はない。
一方、当のなぎさは、当たり前だが大変困惑していた。
（どうしよう……というかなんでボクに？ 試験をちゃんと受けてるかどうかチェックしてるの？ いや、このおじいちゃんにそんな裏はないよね……）
迷い迷った挙句、ちらっとなぎさは上目づかいで校長を見た。
「校長先生……邪魔するならそれ、食べますよ？ いいんですか……？」
「試食してくれるのかい？ ありがとう。じゃあ、キャラメルソースから。はい、あーん」
……まさかの校長先生からのあーん。
（ど、どうするボク。これ、受けちゃっていいの？ あっ、でも、すごく……）
巫部 紫苑が口を半あけにして羨ましそうにこちらを見ている。
（……すごく美味しそう……！）
スプーンに掬われたバニラアイス。その上で宝石のように輝くキャラメルソースが、なぎさを魅了する。
なぎさはそのときすべてを忘れて、ぱくりとスプーンにかぶりついた。
「あっまぁぁい……」
この世の誕生を見た女神のごとく微笑むなぎさ。
興奮してその様子をスケッチするタルト。
テスト用紙に零れ落ちそうになったよだれを慌てて拭いている紫苑。
新メニューに、ラーメンに合う新デザートもいいなと思う華菜子。
「校長先生、すみませんまだ試験中ですから」
桐島先生とクマ先生が焦った様子で駆けつけてきた。
「なんだい？ まだブルーベリーソースとレモンジンジャーソースを試して貰ってないよ」
「「まあまあ」」
桐島先生とクマ先生が校長先生を、出口はこちらとばかりにぐいぐいと扉の方へ押しやる。校長先生は最後にちらっと名残惜しそうに振り返って「学食で待ってるよ！ チャオ♪」というと、扉の向こうに押し出された。
――校長先生、家庭科途中退場？
そして――！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年02月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年03月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年03月06日 11時00分
