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勿忘草の誘い
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【猫愛でる香草、恋情の鳥籠、そして雨垂れの君へ】
(よく喋る人だな……)
香水を始め、香りに関する色々な物を揃えていると言う噂を聞き、
八神 修
は『Herbe d’ amour』にやってきた。
初めての店ということと、自分が欲しいものが少し特殊ということもあって店に入ってすぐに修は店主である由季也に案内を求めた。
それに対して由季也はにこやかにあれこれ解説を始めた。
饒舌ではあったがさして修が不快にならなかったのは、由季也が修の質問に対してはしっかり答え、また話す内容が実のあるものだったからだ。
「そうだ。うちでは猫や犬を飼っているんです」
「ふむ、じゃあ匂い選びには気を遣うよね。下手すると命に関わるし」
「ええ」
「匂いには敏感な子達?」
「はい、でも全部駄目というわけではないみたいです」
由季也のこの反応で修はこの店だったら相談してもいいかもしれないと思った。もしこれで安易にペットの消臭グッズやルームフレグランスの話題を持ってくるならそこまでの店だと考えていたからだ。
「ああ、もしかしてイヌハッカとか探してるかな?」
しかし相談する前に由季也が核心を突いてきた。
「! そうなんです、このあたりの店でなかなか扱ってなくて」
「ネットで通販するのはちょっと怖いものもあるしねぇ。うちにもあるよ。出しておくと他の匂いがつくから奥の方にしまってあるんだ。ちょっと持ってこようか?」
「お願いします」
修は驚きと嬉しさを僅かに滲ませながら由季也に頭を下げた。
(心許ない噂頼りだったが、来て正解だったな)
そんなことを思いつつ由季也を待っている修の耳に聞きなれた声が二つ飛び込んできた。
「香水の贈り物? さては女性かな? 意外と深雪も隅に置けな……」
「今は男だって香水位つけるだろ!? 男友達にだよっ!」
「ぃだだ!! ごめん、ごめんって!!」
じゃれ合うように店の中に入ってきたのは
霧生 渚砂
と
霧生 深雪
の2人だった。
寮が近いこともあって修は2人のことはよく知っていたし、それは向うも同じだった。
「相変わらず仲が良いな」
「シュウ」
「おお、修君か。奇遇だな」
「二人も何か買いに?」
「ああ、深雪が」
渚砂が言い終わる前に深雪の肘鉄が渚砂の脇腹に入って鈍い音がする。
「~~~ッ!!!」
「ちょっとな。友達のプレゼント探しに。シュウは?」
「俺は猫達用の物を探しに」
「猫用?」
深雪が首を傾げた所で丁度由季也が黒い箱を抱えて戻ってきた。
「やぁ待たせたね……って、おやおや、大丈夫かい?オニーサン」
「し、心配ないぞ、若者よ。お兄さん痛いのは慣れっこだから」
脇腹をおさえつつ、空いた手でグッとサムズアップする渚砂に深雪は呆れたように溜息をついてこめかみを押さえた。
「ええと、じゃあこれがイヌハッカ……キャットニップにキャットミント。あとキャットタイムに、そうそうノミ避けにペニーロイヤルミントもあるんだけど持っていくかい?」
「ええ、全部戴きます。わざわざありがとうございました」
そうして猫達に優しいドライハーブが詰められた黒い箱を受け取った修は家で待つ猫達の為に、深雪と渚砂に別れを告げると足早に帰っていった。
※
「さて、そちらのお二人さんは良いものみつかったかな?」
由季也が二人に向き直れば、深雪は少し口ごもり、代わりに復活した渚砂が口を開いた。
「ココは香水がメインみたいだけど、部屋に焚くアロマグッズとかはないのかな?」
「ああ、それならそっちの奥がそのスペースだね。電気式はないけど、ポッドもいくつか置いてあるよ」
「おお、アンティークっぽいのがあるといいな!」
目を輝かせてそちらへ向かう渚砂を横目に、深雪はようやく伝えたい言葉が纏まったのか由季也に歩み寄って話しかけた。
「あの、贈り物なんですけど。相手の好きな物が解らなくて」
「うん」
由季也は急かさず深雪の次の言葉を待った。
「そいつ、俺と同じピアニストで、雨音が似合うピアノを弾くんです。でも凄い人見知りで喋るのが苦手で、音楽で会話するような奴で、俺はそんなところに惹かれ……いや、なんでもないです」
好きな物が解らない代わりに相手への想いを切々と語る深雪に、由季也は静かに耳を傾けた。
「だから、あいつが自分から一歩前へ踏み出せるような、そんな香りをあげたいんです。……そういう香水って、ありますか?」
やや不安げな面持ちで尋ねる深雪の肩をぽんと叩き、由季也は自信に満ちた笑顔で答えた。
「おじさんに任せなさい」
そして由季也が深雪リクエストの香水を探している間に、渚砂がアロマポッドを抱えて戻ってきた。
「深雪は贈り物見つかりそうかい?」
「ああ、今お願いしたところ。渚砂は?」
「コレなんかうちに合いそうだなーって」
そう言って渚砂が差し出したのはアンティーク調の鳥籠の中にアロマオイルを焚く台が入ったデザインのアロマポッド。
鳥籠には蝶が止まっていたり、オイルを垂らす皿が秋桜の形をしていたりとなかなか可愛らしいデザインで、吊るすこともできるようだった。
「ああ、良いデザインじゃないか。香りはあまりキツくないものにしてくれよ? ……お菓子みたいな甘い匂いならいいけど」
(ああ、いつもの深雪だ)
渚砂はいつもと同じ調子の深雪と言葉をかわして内心ほっとしていた。
先程までの、贈り物を考えていた時の深雪は自分の深雪ではないような気がして心がざわついた。
(隠したいみたいだけど、やっぱり女性だよな、相手って。そうだよな、深雪も女性と恋した方が……っ! 喜ばしいことじゃないか、それなのに、自分は、なんで……)
心にかかった靄を振り払うように頭をふり、渚砂は務めて明るく元気なお兄さんを「演じた」。
「よ、よし、良いアロマオイル見つけたらコレで焚いて、あとバスソルトも作って一緒にお風呂に入ろう!!」
渚砂がざわつく心が落ち着くようなものを探す中、由季也に薦められたオイルはバニラにも似た甘い香りのベンゾイン。そしてラベンダーに、フランキンセンスだった。
そしてオイルと共にカウンターに置かれたのはベビーブルーのドロップ型をした香水瓶。ラベルにはピアノの絵が描かれている。
「前向きになれるプチグレンとかジュニパーも使いつつアクアノートに仕上げた雨をイメージした香りなんだ。君の想いが伝わると良いね」
「……はい」
※
その頃星ヶ丘では修が買ってきたハーブの詰まった香り袋を更に木綿の手毬に仕込んでいた。
「さぁ、みんな新しい玩具だぞ」
コロコロ手毬を転がせば猫達ははしゃぎながらそれを追う。楽しく運動不足を解消できる良い玩具だ。
「ん?」
猫の内一匹が修の手にすり寄る。
修に懐いていつも甘えてくる猫達だが、今日は殊更手にご執心だ。
修自身には解らないが残り香のせいかもしれない。
可愛らしく甘えてくる猫達の姿に癒され、自然と頬が緩む。
そうして猫達と戯れている中、ふと、店から去る際に深雪に言われた言葉が脳裏をよぎる。
『七夜にも何か買って行かないのか?』
「何故あんなことを言われてしまったんだろう」
自分の秘めた思いが周囲にだだ漏れなのに気付いていない修は一人首を傾げ、それを見た猫達も一緒に首を傾げたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月26日
参加申し込みの期限
2014年02月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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